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汚れは黒く塗りつぶせ!  作者: サイラー
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【第十話】汚れは黒く塗りつぶせ!

仕事を片付けたホセは懲罰房へ戻った。


目を醒ました小松だが真っ暗な部屋で何も見えなかった。


しかし鉄のバーが膝の上にある為、立ち上がることができなかった。


「これはなんだ!」


懐中電灯をホセが灯した。小松の目の前に仁王立ち姿で。


恐怖で引きつった顔の男にホセは言った。


「この時を待っていたぞ!」と。


袖をめくり包帯を外すと隠し持っていた、注射針を小松の首元に打ち込んだ。


「き、き、貴様、いま何をした!」小松は涙目になっていた。


何をされたかわからずとも、危険な事をされた事はこの状況で理解はしていたからだ。


引き抜いた注射針を小松の目の前で揺らして見せた。


「どうだ?感じてきたか?うちの組織オリジナルの上物だぞ。」


その言葉と同時に小松も体の異変を感じ取った。


「俺は近いうちにここを出る。」看守の髪を掴みながらホセが言った。


「そうすれば、好きなだけ、お前に、これを、プレゼント、しよう。」はっきりと丁寧な口調で囁いた。


小松の意識は現実と夢のはざまを彷徨っていた。


「ん?金は不要だ。俺から便宜を図ってやろう。その為にもここから出ないわけにはいかないような。


ホセは小松の洗脳を始めた。懐中電灯を点けては消し、消しては点けてを繰り返しながら。



看守部屋へ戻った小松は、同僚たちに「753159」は反省が見られたので


特別に懲罰時間の短縮をしたと説明した。



翌朝、囚人の死体が発見され大きな騒ぎとなった。


犯行現場を調べた警察から他殺である事が伝えられた。


後日、遺体を解剖して殺人が確定となった。


これに浅田所長は激怒し全職員に対して犯人探しを徹底するように達した。


ICの入手記録や死体のそばで発見された小松の所持品に付着した、


遺体のDNAなどから小松に容疑がかけられた。


特殊な訓練を受けたホセは監視カメラを巧みにかわし、


鑑識を欺き犯人を小松に仕立て上げる事に成功させた。


すぐに小松は取り調べの為に身柄を帝国拘置所へ移送された。


暗殺成功を聞きつけた共産党幹部の動きにより、ホセは東京プリズンから釈放された。


正門には釈放の噂を聞きつけたマスコミが駆けつけていた。


当然のごとくホセは別出口から出所した。


タイミングよく黒塗りのドイツ車が現れた。


後部座席にはロベルトが座っていた。


出迎えのロベルトと握手を交わし二人は車に乗り込んだ。


「無実だったと覆させたか。フッ、あの国の政治的圧力は恐ろしいな。


まぁ、こっちもやることはやった。」高速道路を走る車の窓に


東京プリズンが映りホセの目にもそれは飛び込んだ。


「当然、日本にある資産も取り返せると言うことだな。」葉巻をくわえながらホセは話した。


「我々の組織も、あの国同様に内通者を国の中枢部へ送り込む必要が今回の件で浮き彫りになりましたね。」


「そう言う事だ。それこそがグローバル化だ。


組織の方にはマスコミを利用して政府、司法を徹底的に叩き、


二度とこんな事ができぬ様に指示を出そう。」力強く語った。


「しばらくは日本を離れて、海外に拠点を移す事にしよう。」


羽田へ向かう首都高でホセの乗る車は大型車に追突され炎上した。


車の中から出た死体の中に元ニノーCEOが確認された為、その日の夕方はこのニュースで持ちきりだった。


政治活動家の暗殺に関わった関係者は次々と闇に葬られているとの事だ。


党幹部と某国の諜報機関との間で密約が交わされた。


ホセが諜報員であった事を公にしない代わりに、党関係者への報復をしないとの交換条件を。


END


世間を賑わすニュースに乗っかりました。

ストーリを膨らますのに色々加えてみましたが、

社会的地位のある人物を軸に脱獄させるストーリーだったので、

都合のいい展開になってしまいました


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