まさか、ここでフラグを建てるとは…
【魔界 アルヴェード城】勇者アルト
2年ほど前だっただろうか…
俺がまだここではない世界で勇者として、魔王軍と戦っていたころのことだ。
遂に、仲間の賢者や神官と共に魔王を倒すことができたと思っていた…
「ぐはっ!……ふはははは!遂に我も倒されてしまうのか…」
魔王は、血を吐きながらテンプレートのような一言を言ってきた。
ここまでは良かったのだ、ここまでは…
「やったか…ですわ!!」
このバカ神官の一言ですべてが終わった。
「ふはははは!馬鹿め!そのようなフラグを建てるからお決まりの『ワープ』を使うしかなくなったぞ!!貴様らも道連れだ!!」
魔王の腕の中から俺たちに向けて青白い光が飛んできた!
「なっ!?アーク、避けろ!」
俺は賢者アークに回避を促す。
「おう!言われなくても!って、くそ!体が動かねぇ!」
その言葉を聞き、アークを見ると…
………馬鹿神官が、アークにしがみついていた…
「あーーー!!アークさーーーん!!消えるにせめて、私の盾になってくださーい!!」
「おい!!馬鹿神官!離しやがれ!ちょっ…まって…やめっ…」
はぁ、俺は魔王の目の前でこんな終わり方なのか…
俺の意識は、霧がかかったように白く靄がかかっていった…