03 ■□■□■□■□
【精神汚染注意】【嘔吐・目眩注意】
雑居ビル。
なんでこんな所にいるかは知らんが、下に中華屋が入ってる俺の家からチャリで五分は絶対走る××町の雑居ビル。
すんげぇボロくて、昭和に建ってること確実なコンクリ壁。
そして、五階まで階段を上って来た俺は、そこにある事務室に学校へ提出する書類を出す事が決まっている。
曇って中が見えない網ガラスの扉を開けて、外観と同じ灰色の事務机が並ぶ部屋で、やって来た事務員さんに渡すだけ。
「えっと……××高校の、×××です。提出の……」
と言って書類を出すと、無言で受け取られ頷かれた。
大丈夫か分からないが、とりあえずこれで一仕事終えた。さっさと帰るか。
事務室を出ると、階段と反対側にエレベーターがあった。
…………なんだよ。早く気がついてれば、五階も階段上がらなくて済んだのに。
『▽』のボタンを押すと、すぐにチーン……って到着音が鳴る。
ガッガガガガッ……と、いかにも古そうな音を立てながらエレベーターは開く。
そこは、出入り口以外の壁が三面ガラス張りだった。
「なんだこれ……?」
中に入ってみるが、そこは外の景色が見えるオシャレなエレベーター………ってのとは少し違う。
床は白と黒の正方形のタイルが市松模様に置かれている。
ガラスの先には建築途中の建物みたいに、剥き出しでH形の鋼が組み合わされた鉄骨構造が見える。
しかも、白と黒の鉄骨である。
………………ボロい雑居ビルの中が建築途中……?
俺は扉の対面になる壁から外の風景を見た。
少し大きめなビル。という印象はあったが、そこから見える範囲は広大だった。延々と、ほの暗い中に白と黒の鉄骨が組み重なり、果てし無く奥まで続いている。
その不思議な光景に俺が魅入っていると、エレベーターが揺れた。
後ろを振り返れば、扉が閉まった瞬間だった。
流れで階数ボタンのパネル前に足を踏み出すと、ガダンッとエレベーターが上下に動き、一気に急落下。
「うぉあっ!?」
俺の体はふわっと浮き上がり、天井ギリギリまで持ち上がる。
周囲の景色は白と黒の色が猛烈な勢いで交互に通り過ぎ白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒黒黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白白白黒白黒白
目が回る。気持ち悪い……。
なんて思い始めたところで、エレベーターはピタリと止まり、俺は床に叩きつけられた。
「うぐっっ……」
うめき、上体を持ち上げると今度は斜め左下に急発進する。慣性に従って俺は体勢を崩し、右側の壁に体がぶつかった。
周囲は相変わらず目眩のする光景が延々と白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白続いており黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白五階分なんてとっくに黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白過ぎているはずなのに黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白パネルにある全フロアーのボタンを押した黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白白黒白黒白白が止まる気配は無い黒白黒白黒白黒白黒白白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒黒黒白ガクンッと揺さぶられ白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒今度は後方に持って行かれる白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒足をもたつかせ白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白白黒白黒白黒緊急連絡ボタンを押し続けるのに白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒返事は無い白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白白黒白黒白白黒白黒白黒斜め上へ上がり白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒黒白黒白黒白黒白落下する黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白白黒白黒白前方に動く黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白っもう……黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白白黒白黒白白黒白黒白黒吐きそ…白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白白黒白黒黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白白黒白黒白黒目を閉じてるのか開けてるのか白黒白黒白黒白黒白黒黒黒白黒白黒白白白黒白分から白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白白黒白黒黒白黒黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒今どっちに白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒立ってらんな白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒終わってく白黒白黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白黒白白黒白黒白黒れ…白黒白黒白黒白白黒白黒白黒白白黒黒白黒白黒黒白黒白黒白黒白黒白白黒白………………………
チーーーンッ……
酷く澄み切った音に視線を上げると、エレベーターの扉はガタガタと揺れながら開いていく。
視界の端に霞むビルの外の大通りを見て、地に伏せた俺はやっと意識を失う事が出来た。
2004.10.05
実家から、夢日記やメモ書きを発掘してきました。
一話、二話にも見た日付を追加。
二話は高一かと思ってたら、高二だった記憶違い。日記内容に合うように、少々変更しました。ストーリーは日記通り覚えていて一安心。
ざっと見た限り、小説になりそうなのは二十個ほど。という感じでした。
近年になってくると、物珍しさが減ったりで覚えてなかったりメモしてなかったり。意外と少なかったけど、短篇集だから二十話もあれば良いよね。見たら、続き更新できるしさ。
と、気楽にやっていきます。
更新は不定期気味ですが、マイページにもあるTwitterや活動報告にてお知らせしていきます。
次回も夢にどうぞお立ち寄りを。
ってすっきり締めようと思ったら、疲れて字下げ忘れる凡ミス。失礼いたしました。うとうとして気がついた。