記録7 嘘に翻弄されるヤツ
豆知識がなんか尽きてきた・・・。まったく浮かばない・・・。誰か教えてください。活動報告でちゃんと募集しないと・・・。
ボクが高貴を倒したと同時に、咲羅ももう1体の悪魔を倒していた。その正体はやはり瑞穂だった。事が済んで、咲羅があの事を聞いてきた。別に減るもんじゃないし、話してやるか。
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パンッ-------
咲羅はボクの話に怒りを覚えたのか、思い切り平手ではたいてきた。そのはたいた跡の赤みは、彼女の怒りの激しさを表していた。
「調子に乗ってんじゃないわよ!自分だけ都合よくいこうって腹だったなんて。地獄にとっとと落ちなさいよ、自己中!」
自分で言うのはいいのに、他人から言われると相当腹が立つ。地獄に落ちろなんて、今の状況じゃ冗談に聞こえない。
「ふん、ボクは諦めないからな!生き返って第2の人生を送るんだ!」
ボクは川に飛び込み、ただ前へ泳いだ。咲羅は船がいた場所へ戻っていった。
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川を泳ぎ続けて半日くらい経っているのに、岸が見えない。しかし、腹は全く減らない。死んで内臓が退化しちゃったのか?デスノートの死神か・・・。いや、進化っつってたなマンガで。
「ヒャハ、野郎から終止符を眺めてやる」
ボクは僅かながらに後ろに気配を感じた。が、三途の川を渡っている者などいるわけがない。あの老夫婦に服を剥ぎ取られたさっきのおばさんの姿も当然ない。全裸で川を渡ったのか・・・、熟女の裸ほど反吐がでるものはこの世に無い。すると、辺りが霧に包まれた。
「霧隠百舌鳥発動」
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霧が晴れると、そこには見慣れた景色がある。ボクが生まれ育った都市だ。平和主義をほざくヤツばっかのボケボケの都市、そしてボクを真っ向から否定した都市だ。
「何だよ、悪魔の力か?動揺でも誘う気?」
「ってーな、ボーッとしてんじゃねーよ」
え?今、当たったの?振り向くと、消えたはずの顔がいる。高貴がボクの真後ろにいるのだ。
「ふはっ、今回は下手糞のまやかし使いみてーじゃん!」
ボクは銃を取ろうとしたが、その手に銃はなかった。
「うっそ、今まで普通に出たのに」
「何ワケわかんねー事言ってんだ?」
ボクは邪冥口の弱点を知らなかった。不動明王は銃に関する事をあまり言わないで、悪魔と戦わせたからだ。
「その銃の弱点、それは自分の撃ちたいモノが視界に入らないと発動しない事。この場合は悪魔、つまりオイラを撃ちたいモノと認識している。が、そのオイラが野郎の視界に入らなければ問題ない」
どうやら今回の悪魔は銃の弱点を知っているようだ。見つけたら吐かせてやる。
「こんのヤロー!」
ドガァ---
「ぶっ・・・」
ボクは高貴の顔面を殴った。すると顔が潰れ、血飛沫があがった。周りには他の人がいる。
「殺しだあっ!」「警察を呼びましょ・・・」「おい、携帯持ってるか?」
あぁ、前の状況の数倍悪くなってきた。だが、これは嘘なんだ。どんだけ壊そうと現実になんら支障は無い。ボクは無意味な暴挙に打って出た。
「うらぁあああ!邪魔なんだよぉ!」
ボクは殴る蹴るを周りの人に浴びせた。わずか1分で、10人くらい殺った気がする。悪魔はボクに何をさせたいんだ?
「警察だ、待てぇええ!」
警察のその手には、安全装置を外した銃が握られている。射殺命令が出てるってか?
「ヒャハハ、オイラの力は相手の望む事に合わせた嘘をつくる。野郎が心で苦しみを他人に押し付ける事を望む限り、永遠に嘘は続くのさ」
関係ない、ボクは死んでる。すでに死んだヤツを、法は、裁けない!
「ふふふふ、楽しい~~~~!!!」
「ぐぅうぉ・・・」
ボクは警官一人を殴り殺して、銃と銃弾を奪い取った。
「FOOOOO!苦しめ苦しめ、バカが」
銃声はまるでタップダンス、フラメンコのようなリズムで響いた。これは気持ちいい、生きてたときには感じられなかった快感だ。
「ふぅ、もういないな?」
外を出てしばらく歩いた。驚くほど人がいない、ボク一人が取り残されている。不愉快だ。
「まだ誰かに押し付けたい?」
「・・・!」
瑞穂まで出てくるのか、リアルな嘘だな。
「アンタ自分でわかってないの?心の底から望んでいる事」
「あ?そんなの決まってるさ」
早くこの嘘から抜けるんだよ、そんで地獄でちゃんと裁きを受けるんだよ。できるなら生き返りたい。
「バッカね~、アンタは今までのイミフなモヤモヤを消したいだけなの!自分の快楽が欲しくて欲しくてしょうがない、精神年齢5歳以下のクソ野郎なんだから」
「ふん、前みたいにされたいか」
ボクの心にモヤモヤが生まれた。もう誰かにぶつけたい、ぶつけてスッキリするんだ。
「じゃ、撃ちなさい。その凶器で過去のモヤモヤと共に、アタシを殺っちゃって」
「何言ってんだ、オマエ・・・・」
自分から撃てって言うヤツがいるかよ・・・。命ってのがどれほど大事かわかってんのか?こんな事を思っていたら胸が急に、苦しく、なってきやがった・・・・・。
「うぉあ、何だこれ・・・?胸が締められてるこの感じは・・・・」
「アンタ人の事言えないでしょ?自分で死を選んだクセに」
ドクン!-------
ヤバイ、これは・・・ヤッバイ・・・。胸が苦しい、これがボクの心のモヤモヤか・・・。
「さてと、終止符がやって参りました。この嘘から唯一逃れる方法、それは自らの手で終止符を打つ事さ。自分の首を掻き切って終わらせるのさ」
まずい、考えるな。自分で終わらせるなんて、考えるな!
「くぁ、考えなければそれが確信になっていく・・・。・・・!」
そうだ、考えてる事を変えればいいんだ。今は、この苦しみに向き合いたい!
「いっ!?オイラの嘘の世界が、崩れている!?まさか、望みを変えたのかよ・・・」
やっぱり、考えてる事を変えるとこの嘘はバランスが崩れていくみたいだ。
「ぬぃぃい、別の嘘を造るには最低1分必要なのに・・・!」
ボクが空を見上げると、1匹の百舌鳥が飛んでいた。さっきまでこんな鳥はいなかったぞ。この百舌鳥はもしかして、悪魔?
ダァァアン-----
「がぁあ!オイラが悪魔だって、なんで・・・」
その百舌鳥は煙になった。という事は、悪魔だったのか。それと同時に、また霧が出てきた。
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霧が晴れると、ボクは船らしきモノの上にいた。目の前には咲羅が立っていた。
「お疲れ、悪魔を倒したんだね」
「え、なんで知ってるんだ?それにこの船、どうやって?」
ボクは宝船に乗っているのだ。咲羅は運転していないし、誰が動かしてる?
「オホ、起きよったな」
舵を持った背の高い男がこっちを見た。