記録6 友達の不幸を気にしないヤツ
縦書きを意識したので、横だと読みづらいかも・・・。
ボクは正直恐い。自分が死んで、あの世に来て、幽霊や悪魔に遭遇して、悪魔と戦って・・・。普通の人間には体験しようが無い事ばっかりだ、死者は別として。今まで死んだ人達も、この経験を乗り越えて生まれ変わったりしたんだろう。ボクは地獄へ行くに相応しい男、どうせなら1番辛い地獄に落ちたい。でも、咲羅は親孝行なヤツだから人に生まれ変われるはずさ。さて、悪魔が2体もいる状況だ。乗り越えるにはやはり、地獄の武器しかない。
「くたばれ!下衆が!」
「下衆はオマエらだよ」
ボクはあの銃を使った。初めて悪魔を倒した、あの銃を。
ズダダァン---------
「ぐわぁあぁ!」
「あああぁん!」
邪冥口の銃弾が悪魔たちの顔面を貫通した。だが、さすがに悪魔といったところか。銃弾を顔にくらってなお、こっちに向かってくる。
「飛び蹴りぃ!」
「ぬぉああ!」
悪魔の1体が、咲羅の蹴りにぶっ飛ばされた。すると、悪魔の顔がひび割れて砕けて別の顔が現れた。その顔を見た途端、ボクの体内時計が止まる。
「なんでだよ、オマエが出てくるパターンじゃないだろ?悪魔の中になんでボクが知ってる顔がい るんだよ!?答えろよ、高貴!」
悪魔の正体、それは自分の罪かもしれない。だって、ボクが殺った人が目の前で立ちはだかってるんだから。これからボクは、これからも続くであろう悪魔との戦いで、1,2を争うくらいの激闘をるんだと予感した。
「邪魔する気なら、また殺るまでさ・・・。あの時とは違う、今は躊躇いなんて微塵もないぞ」
「また殺るって、まさか進太・・・」
少し喋り過ぎたか、咲羅はボクが生前何をしたか気付いたらしい。
----------------------------------------------------------------------------- 高貴はボクの古い友達だった。いろんな事の好みが一緒だったし、何より話のわかるヤツだった。だが去年の暮れ辺りから、ボクらの仲が急に悪くなった。原因はアイの勘違い。高貴の初出場したサッカーの試合を乱闘起こして、試合を不戦敗にさせたヤツをボクと勘違いしたのだ。その時ボクはゲーセンに行ってて、試合会場には行ってない。
「だからゲーセン行ってたんだ、カードの表記見ろよ」
「・・・くっ、じゃあ誰だってんだよ?」
高貴はごめんと言ったが、心の中ではボクが犯人と決め付けてる。徐々にボクらの距離は離れていった。そして、ボクはあの事件を起こす。
「あの時の恨みだ、オマエの彼女を奪ってやる。瑞穂のヤツ、オレの家族の財力のすごさ聞いて すぐオレに鞍替えしてくれたよ。いい気味だなぁ、乱闘王」
その言葉でボクは我を失い、三人を殺して自殺した。
----------------------------------------------------------------------------- いくらサッカー部とはいえ、実戦向きじゃない。今まで乱闘ばっかしてきたボクより弱い。今度は嫌な過去ごと消してやる。もう1体の悪魔は恐らく瑞穂だ。同時に死んだからな。
「いくぞ、高貴。ボクの本当の力を思い知って、煙のように消え失せろ」
「・・・ふん、悪魔になったオレに勝てるかよ」
ボクと高貴の戦いが始まった。ボクの銃の腕前は中々のモノだと思うが、高貴の体術も見事なモノだ。銃弾がことごとくかわされる。かといって、連射ができる銃でもない。古いタイプだし。
「オマエそんな喧嘩強かったのか!」
「そっちこそ、銃の扱い慣れてるな」
ボクらは言葉で語るより、拳で語る友達タイプらしい。男の定番だ。
バキィイィッ-----
「桁外れすぎる・・・、悪魔になった影響か」
高貴の蹴りがボクの脇腹を、華麗に鮮やかに直撃した。
「あれからどれだけ、生き返りたいと願ったか。オマエに殺されて三途の川彷徨って、天国にも 行けずじまいだったんだぞ!瑞穂もだ!そんな時、悪魔ホープ様が現れた!オレ達に、復讐の チャンスを与えてくれたんだ!」
ゴキャッ------
「ぐはっ!」
高貴の鉄拳をモロにくらった。やばい、意識が遠のいていく・・・。
----------------------------------------------------------------------------- 「おい、起きんかい小僧!ったく、この不動明王の宝具を2度も許可なく使いよってからに!」
「不動、明王?」
目を覚ますと、目の前に炎を身に纏った大きな巨人が立っていた。地獄に来たのか?
「本来なら無間地獄へ叩き落される重罪やで!」
やっぱり来たのか、地獄に。でも地獄にしては、明るい。否、明るすぎる。
「あの、どうすればよろしいのでしょうか?不動明王様」
さすがに神様だから、無意識に敬語になる。
「悪魔に地獄へ連れてかれるのも癪に障るでな、さっさと悪魔倒して、川渡って来いや!」
「うわっ」
気が付くと川に戻っていた。
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高貴はボクの起こった出来事に全く気付いていなかった。
「邪冥口、連射モード!」
ドドオッドオドッドドドドドドド-------------
「かぁっ・・・・、連射でき・・・たのか・・」
ボクの友達は本当に煙になって消えた。
今回は不動明王についてのお話。不動尊と呼ばれ、多くの人に親しまれてますね。
人の煩悩やら欲望を燃やしてくれる(?)、五大明王のリーダーです。
伝承では、大自在天の業を阻止した大王として伝えられています。ちなみに地獄の秦広王とはこの明王様です。BLEACHの明王はデカすぎる。
試しに読んだら、かなり見辛かったので次から元に戻そうと思いますww