記録4 人を平気で騙すヤツ
ボクはどうしたんだ?気絶させられて、それから・・・。ここは何かの中みたいだ。
「閉じ込められたのか?ドーム状の、この何かの中に」
窓みたいな部分から外が見える。外には、見覚えのある顔がある。ホープ?
「ははっ、アナタ方は今霊魂完生装置に入っています」
「えっ、マジ・・・ですか!?」
って事は、ボクは第二の人生を送る事ができるのか。案外早かったな。でも、アナタ方って・・・。
「うおぉ!?三国!」
「あぁ!キミは・・・!」
ボクらはしばらく目を合わせられなかった。しばらくして、彼女の方から話し出した。
「この形、獄中転送装置の中みたいだね。」
「は?これって霊魂完生装置じゃないのか?」
どうなってる?ホープと三国の言ってる事が全く違うぞ。どっちかが、嘘をついてるのか?
「下がってて、これをぶち破るから!」
「こんな所で武器を使うなよ!」
何の合図もなく、地獄の武器を使うなんてイカレてるよおい。これでボクも死者の仲間入り、僅かな希望をもがれて死ぬんだな・・・。
「ぬうっ!地獄の武器を使いこなせるようになっているとは!」
「ん?生きてる?・・・おお、助かったぁ~。」
とりあえず生きてるから安心した。でも装置がお陀仏だよ、うん。
「ははははははは!装置をぶっ壊すなんて味な事してくれますねぇ!あと少しで地獄へ送る事ができたのに、ホント残念ですよぉ!」
「じゃあ、嘘ついてたのはアンタかよ・・・!」
信じらんねぇ、あんな優しい顔してた人がボクを騙して地獄へ落とそうとしたなんて!
「あの人、いやあの悪魔は前にワタシを地獄に落とそうとしたの」
悪魔、悪魔ってあの悪魔?うっそ・・・、モノホンすかい!
「改めて名乗っておきましょう!ワタシは悪魔番号13、ホープ・ディスライク!数多くの悪魔の中で13番目に強い個体です!」
「13番目・・・?強すぎる」
え?13番目に強いってそんなすごいことなの!?三国、オマエ何で悪魔の事知ってるんだ?
「ワタシこの世に戻った後、悪魔のことを結構調べたの。悪魔は地獄で刑期を終えて、生命に執着した人間の精神の成れの果てで、人間の精神を地獄へ落とすのが唯一の生きがいっていう下劣な生き物よ!」
下劣って元人間にそれはないと思うけど・・・。毒舌っすね、三国さん。
「前にみたいに逃がしはしませんよ!縛炎、発動!」
縛炎と叫んだ途端、ボクらは炎の縄に囲まれてしまった。何だ、この尋常じゃない熱さ!三国も苦しそうだ、息が苦しい・・・!
「炎で見えない、この拳が使えない・・・」
三国は意識がもうろうとしていた。ボクはまだ意識がハッキリしている。でも、武器を持ってないボクに悪魔を倒す力なんてないし・・・。早く終わって欲しい、こんな悪夢ボクは望んでない・・・。
ガチャッ------ドンッ!
銃声?どこから・・・?それはボクの手にあった。
「ゴぉア・・・!ソのジゅウは、カのシんコうオうノほウぐ・・・。邪冥口!」
あれ?ボクも地獄の武器を生まれながらに持った、特別な人間って事だよな・・・?
「くっ、縛炎解除!」
ホープはボクの銃に恐れをなしたのか、その場から消えた。炎も一瞬で消えた。そうだ、三国は!?
「キミも武器を・・・。名前聞いてなかったね、ワタシの名前はあの悪魔から聞いたと思うけど」
「ボクは波沢進太。三国・・・さん、よろしく」
「咲羅でいいよ、進太」
ボクと咲羅の距離は縮まったの、かな?
さて、今回は「悪魔」についての豆知識といきましょう!
悪魔とはいろんな宗教に見られる、煩悩や悪、邪心を象徴する超自然的な存在です。有名どころはソロモン72柱でしょう。アブラハムでは神とその使い以外の超越的な存在すべてを指し、それの影響か魔女狩りのような残酷な蛮行が行われていたといいます。あと余談ですが、この作中に登場する悪魔たちの設定は完全にオリジナルなので、ちゃんと悪魔について知りたいのならWikipediaを活用してください。