4 クリディアナからいろいろ教わってみた
部屋のベッドにディアナと座るとディアナが俺に身を寄せながら囁く。
「ハリーは若そうだけど経験はあるの?」
「はい。少しぐらいは」
俺の経験は臣下から勉学のためと押し付けられた女と先ほどのユリアだけ。
ヤリたい女は数多くいたけれど婚約者のジュリエッタのせいで手が出せなかった。
「ふ~ん、それじゃあ、ハリーはセメが好き? ウケが好き?」
え? セメとウケってなんだろう?
そんなの閨教育で習わなかったけど……
「あの……セメとかウケってなんですか?」
「あ~、いろいろ意味はあるけどとりあえず今は相手が女の場合のセメとウケってことよ。セメが自分が主導権を握る方でウケは女が主導権を握る方。どっちが好き?」
「え? 男が主導で性交するんじゃないんですか?」
閨教育では相手の令嬢に気を使い優しく抱くものだと習った。
令嬢は全てを男に託しているから男が主導しないとうまくいかないのだと。
「え~? もしかしてハリーって女に奉仕してもらうこととかしたことないの?」
「えっと…今までは自分が主導して女性を抱いていたので女性に奉仕されたことはありません」
「へえ、そうなんだぁ。ハリーは美形だから女は喜んで奉仕すると思うけどなあ~、それじゃあ、体位とかも正常位だけとか?」
「えっと……体位ってそんなに種類があるものなんですか?」
「当たり前じゃない! 性交は男も女も気持ち良く満足しなきゃ意味ないのよ。セメと正常位だけしかできない男だったら男として未完成よ」
「そうですか……」
男として未完成と言われて俺は落ち込む。
だけどすぐに俺は皇帝の時に常に心得ていたことを思い出す。
知らないのなら教えてもらえばいい。幸いにも俺は一度学習すれば二度と忘れることはない。
「ディアナはセメとかウケとか体位とかの知識が豊富なんですか?」
「うふふ、まあね。ホルトレール王国の女を甘くみないでよ。熱い夜の恋には性交の知識は欠かせないもの」
「それじゃあ、俺にそれを教えてくれませんか?」
「あら、いいの? うふふ、じゃあ、お姉さんがたっぷりと教えてあげるわよ~、覚悟してね、ハリー」
ディアナは俺をベッドに押し倒して口づけをするとその青い瞳を肉食獣のようにキラリと光らせた。
そして俺はディアナに様々な知識を教えてもらいその度に天国に逝く気分を味わった。
数時間後、俺はディアナとベッドに一緒に横になりながら興奮がなかなか冷めない。
すごいなあ、こんなにいろんなことがヤレるなんて性交って素晴らしい!
これからはディアナに教わった知識で女たちと仲良くヤリまくろうっと。
皇宮を出て二人の女と何回もヤッたのに新しい世界を知った俺はその素晴らしさに感動していて疲れも感じない。
皇帝時代は政務で徹夜することもあったから少しぐらい寝なくても問題はない。
ディアナは疲れたのか俺の隣りでぐっすりと寝ている。
さすがに経験豊富のディアナも何回もヤッたから疲れたのだろう。
ありがとう、ディアナ。
熱い夜の恋の想い出は忘れないよ。
ディアナの額にチュッと口づけをした時に俺は複数の馬の蹄の音が宿に近付いて来るのを察知した。
皇帝として命の危険もある俺は元々気配に敏感だ。伊達に8歳から皇帝をやっていない。
時計を見るともうすぐ夜明け。こんな時間に複数の馬を走らせるのは緊急の用事がある時だけだろう。
そっとベッドから出て窓のカーテンを開けてみる。
すると宿の前の道を馬に乗った男たちが駆け抜けていった。
俺はその集団の先頭にいた男の姿を見て驚く。
あれはローゼン将軍だ!
もう俺が皇宮を抜け出したことがバレたのか。
おそらく俺を捕まえるためにローゼン将軍は部下を連れて都の人や荷物が出入りする門に向かって行ったに違いない。
こんなに早くバレるとはな。
とりあえず俺も門まで行ってみるか。
俺はディアナが起きる前に身支度を整えて宿を出た。
まずは何とかしてこのリリアンを脱出しなければならない。




