33 デザートのチャリルをお持ち帰りしてみた
しばらくするとさっきの女が料理を運んできた。
やはり肉料理だ。
「どうぞ! この店自慢の『鶏の蜂蜜焼き』です」
「おいしそうだね。ありがとう」
俺は再びその女に微笑む。
するとまたその女の顔が赤くなった。
「い、いえ。このお料理にはデザートも付きますからごゆっくりお食べください!」
その女は慌てたようにそう付け加えるとまた個室を出て行く。
ふふ、可愛い子だな。
アイデ帝国って剣士が多いから強い女が多いイメージがあったけど普通にあんな可愛い子もいるんだね。
まあ、いいや。とりあえずお腹を満たそう。
俺は鶏肉を頬張った。
うん! おいしい!
こうやって他の国の料理を味わうのも女を味わうのと同じくらい楽しみだな。
料理も女もその国の味があるもんね。
俺はガツガツと料理を食べ続けた。
「そろそろデザートをお持ちしていいですか?」
俺が肉料理を食べ終えた頃にさっきの女の店員がやって来て俺に訊く。
「うん。この肉料理おしいかったよ。アイデ帝国の肉料理はおいしいね。お肉も柔らかいし」
「はい! アイデ帝国はお肉料理が多いんですけどうちではお肉を蜂蜜につけて焼くことでお肉が柔らかくなるんです」
「へえ、そうなんだ。ひとつ勉強になったな。ありがとう」
俺はニコリと微笑んでその女にお礼を言う。
女は再び顔を赤くしながら視線を俺から外した。
「ねえ、君はこのお店の娘なの?」
「い、いえ、私はこの店に通いで雇ってもらってるだけです」
「俺はハリーって言うんだけど君の名前を教えてくれないかな?」
「え? わ、私の名前ですか?」
「そうだよ。君の名前だよ。ダメかな?」
「い、いえ、わ、私はチャリルと申します」
「チャリルか。君らしい可愛い名前だね」
チャリルは俺の誉め言葉にさらに顔を赤くする。
「そ、そんな、か、可愛いなんて、デ、デザートをお持ちしますね!」
チャリルは慌てて個室を出て行く。
そしてしばらくするとチャリルがデザートを持ってやって来た。
「お待たせしました。デザートの苺のケーキです」
「わあ、苺って、俺、好きなんだよね」
「そうなんですか? どうぞ甘くておいしいのでゆっくり味わってください」
チャリルは俺の前にデザートの皿を置いた。
その瞬間、俺は椅子から立ち上がりチャリルの腕を掴みチャリルの身体を自分の方に引き寄せた。
俺の予期せぬ動きにチャリルは体勢を崩して俺の胸に飛び込んでくる。
「きゃ!んむぅ!?」
チャリルを抱き締めた俺はチャリルの苺のような唇に口づけをした。
チャリルはビクッと身体を震わせた。
しかし俺は気にせずそのままチャリルの舌を絡め取り口づけを深くする。
「んぅんん…ぁんん…」
口づけが深まるとチャリルも鼻にかかったような声を出して俺の舌に応えるようになってきた。
「はふぅ……ぁ……」
俺は一度唇を離す。
チャリルの俺を見つめる瞳は完全に蕩けている。
「チャリルの苺も甘くておいしいや。アイデ帝国産の苺が好きになりそうだよ」
俺はチャリルに甘い声で囁く。
そしてチャリルの胸を服の上から軽く揉む。
チャリルはビクッとしながらも俺に言う。
「あ、あの……い、今は、し、仕事中で……」
「ああ、そうだね。仕事の邪魔してチャリルがクビになったら困るもんね」
それでも俺は胸を揉み続ける。
「ホ、ホントに…今は……だめ……」
「じゃあ、仕事中じゃなきゃいいんだよね?」
俺はチャリルの瞳を覗き込む。
チャリルはうっとりと俺を見つめる。
「チャリルは通いでここで働いてるんでしょ? あとどれくらいで仕事が終わるの?」
「あ、あの……も、もう少しで終わり…です」
「そう。ならデザートを食べ終わったらお店の外にいるから一緒に俺の宿屋に来ない? もっとチャリルの苺を味わいたいな♡」
「っ!……は、はい……」
少し躊躇いながらもチャリルは頷いた。
俺はチャリルを解放する。
チャリルは火照った顔をしながら個室を出て行った。
俺は苺のデザートを食べ終えてお店を出る。
店の前で少し待っているとチャリルが店から出て来た。
「待ってたよ、チャリル。ちゃんと仕事は終わった?」
「は、はい……終わりました……ん!?」
俺はチャリルに口づけをする。
だがすぐに唇を離してチャリルの肩を抱く。
「じゃあ、宿屋に行こうか。チャリル♡」
「……はい……」
チャリルは消え入りそうな声で答えた。
俺とチャリルが仲良く宿屋に向かっていた頃チャリルのお店の前にローゼン将軍がやって来た。
「う~む、この町に陛下がいるかと尋ねて回ったが情報はなかったな。とりあえず腹が空いたし何か食うか」
ローゼン将軍はそう言ってチャリルのお店に入って行った。
「お客様は何になさいますか?」
「うむ。この『鶏の蜂蜜焼き』を頼む」
「それは本来デザート付きなのですがもうデザートが品切れになってしまったのでデザート無しでもいいですか?」
「ん? ああ、デザート無しでかまわん」
「承知しました」
ローゼン将軍は出て来た『鶏の蜂蜜焼き』を食べながら明日はどこで陛下の情報を集めようかと考えていた。




