24 ラゼルのご主人様になってみた
テントの中にはテーブルと椅子と簡易ベッドがある。
「このテントはラゼルのテントなの?」
「ええ、そうよ。団員は移動しながらの生活になるから必要最低限の物しか持ち歩かないのよ」
「へえ、そうなんだね。この移動サーカスは外国にも行くの?」
「そうね。ジルヴァニカ帝国以外にも行くわよ。そ、それより、喉でも乾かない? さっき汲んできた新鮮な水があるわよ」
ラゼルはテーブルの上の水差しを手にする。
そして水をグラスに入れて俺に差し出してきた。
「ありがとう、ラゼル。いただくよ」
「どうぞ」
俺はグラスの水を一気に飲んだ。
「うん。おいしいよ。猛獣だって新鮮な水が欲しくなるのが分かるよ」
「ふふ、そうね。猛獣たちは新鮮な水や肉が好きだから。お代わりする?」
「うん、じゃあ次は新鮮なお肉を味わうことにする」
「え?……んんぅ!?」
ラゼルの唇に俺は口づけをした。
「お腹空いちゃったからラゼルの新鮮な身体を食べさせて♡」
「…っ! わ、私の身体はお肉じゃ……むぅんん!」
俺はラゼルの甘い唇を味わいながら簡易ベッドに押し倒した。
ギシッっとベッドが軋む。
「飢えた猛獣はどう調教するの? ラゼル」
ラゼルの服を脱がしながら俺はラゼルに問いかける。
「う、飢えた猛獣は危ないからまずエ、エサをやってお腹を満たしてあげるのが先で……」
ラゼルの褐色の肌はとても綺麗だ。
俺はその肌に口づけを落とす。
「そうだね。お腹が空いてる猛獣にはエサを与えないとね。俺もお腹が空いて死にそう。早くラゼルが食べたいな」
「そ、そんなとこに口づけなんて…」
「どうして? まずは猛獣の飢えを満たしてあげるのが大切なんでしょ? ラゼルの肌って甘いね」
「はぅうん! やぁん!」
「それじゃあ、ラゼルの身体をいただこうかな。いただきま~す!」
俺はラゼルの身体を抱き締めておいしくラゼルの身体を味わう。
「確か猛獣には自分がその猛獣より強いご主人様だって教えないとなんだよね? 俺はラゼルのご主人様になりたいから俺がラゼルより強いってこと見せてあげるね」
猛然と自分の方が強者であることを調教する俺にラゼルが音を上げる。
「ら、らめ! ゆ、ゆるひて……」
「俺のことご主人様だって認める? ラゼル」
「み、みひょめる、みひょめるからああぁーー!!」
「そう。なら俺のこと『ご主人様』って呼んでみて」
「ゆ、ゆるひてぇ! ごしゅじんしゃまあぁぁー!!」
「ふふ、ラゼルのご主人様になれるなんて光栄だよ」
俺の調教はラゼルのサーカスの出番の時間まで続いた。
「ラゼル。俺は旅を続けないといけないからもう行くね。ラゼルがサーカスで活躍するところはまた今度会った時に見せてもらうから」
俺は簡易ベッドの上でぐったりとしているラゼルにチュッと口づけをした。
「ひゃい……ごしゅじんしゃま……」
「ラゼルも元気でね。またどこかで会おうね」
「ひゃい……ごしゅじんしゃま…わしゅれません……」
「俺もラゼルのこと忘れないよ。それじゃあ、またね」
俺はラゼルのテントを出た。
う~ん、ちょっと調教し過ぎたかなあ。
ラゼルが可愛い猛獣だから仕方ないよね。
さて、そろそろローゼン将軍たちにも俺がリリアンを脱出したことはバレてると思うしアイデ帝国に急がないと。
俺はハールデンの町を出て西を目指して歩き始めた。
その頃、旅支度を整えたローゼン将軍は馬に乗りリリアンを出発して俺と同じように西へと馬を走らせていた。
そして分かれ道でローゼン将軍は考える。
「陛下であれば私をかく乱させるためにもまっすぐに道を進むことはないな。ということはこっちの細い道の方か」
ローゼン将軍は大きな通りを外れて細い道を進んで行った。




