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俺は皇帝を辞めました~皇帝を辞めた俺は欲望のまま気の向くまま女とヤリながら生きていきます~  作者: エデンの園の魔界蛇


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22 移動サーカスを覗いてみた



 皇帝の部屋には三人の男が集まっていた。



「この名前の筆跡は陛下に間違いない。では陛下はもうリリアンにはいないのか」


「そうです。ラッセンド宰相。おそらくこの手紙に書いてある警備の不備を利用して陛下は三日前に門を通過したと思われます」


「兄上の手紙に書いてある「内部者の協力があれば検査をしないで通行できてしまう」というのはどうやって内部者に協力を頼んだのでしょうか? ローゼン将軍」


「セルシオ殿下。人間は欲望に弱いものです。おそらくお金を渡して陛下は協力者を得たということでしょう」


「なるほど。そういうことですか。でもさすがは兄上ですね。人間が持つ欲望を巧みに利用して門を突破するなんて」


「セルシオ殿下。陛下は天才的頭脳を持つ御方ですがこういうところは見習ってはいけません」


「それで陛下がどこに向かったかは分からんのか? ローゼン将軍」


「はい。ラッセンド宰相。門の女を問い詰めたところ、その若い男の旅人は西へ向かったとのことです」


「西? では陛下はアイデ帝国を目指しているのか?」


「そうとは言い切れません。まっすぐに西を目指せば確かにアイデ帝国ですが途中で北に進路を変えればアイデ帝国の北のユフラーナ王国に行くことも可能です」


「な、なるほど。ユフラーナ王国も我が国と国境を接しているからな。ではまだ陛下がどこを目指してるかは分からんのか……」


「ラッセンド宰相。私はこれから陛下を追って行くことにしたいと思います」


「ローゼン将軍が? しかし陛下に追いつけるのか?」


「その旅人は馬を連れていなかったことまでは分かっています。陛下が徒歩で移動しているなら馬で追えば陛下との距離を縮められます」


「おお、そうだな。それがいい」


「それに徒歩であればまだアイデ帝国やユフラーナ王国との国境には達してはいないはず。なるべくなら国内にいるうちに陛下を捕まえた方がいいでしょう」


「そ、そうだな。その方が穏便に済む。だが兵士を出して捜索することはできんのか?」


「陛下の顔を一般兵は知りません。それに多くの兵士で探したら陛下が病気療養中ではないとバレる恐れもあります。ここは私が一人で追った方が良いかと」


「ローゼン将軍の言う通りだと私も思います。それに兄上の剣術の腕前は並みの兵士が束になっても勝つことはできませんし一般兵が兄上を捕まえるのは難しいと思います」


「そうですな。セルシオ殿下のおっしゃる通りですな」


「それにもし陛下が国境を越えて他国へ行ったら私もその後を追います。将軍の仕事は私の腹心の部下に任せれば大丈夫ですので」


「そ、そうか、陛下が他国に行く最悪のことも考えねばな」


「はい。その場合は定期的にラッセンド宰相に私の現在地や陛下の足跡について手紙でお知らせしますのでラッセンド宰相とセルシオ殿下は陛下が不在の間の政務をお願いします」


「分かった。その方法でいこう。それでよろしいでしょうか? セルシオ殿下」


「はい。私も兄上の代理として兄上がお帰りになるまで政務を頑張ります」



 三人の男たちは頷きあった。







「それじゃあ、サーシャもルルグも元気でね」


「うん! お兄ちゃんも気を付けてね!」


「ハリーさんもお気を付けて」



 俺はサーシャたちと別れてハールデンの町を歩く。

 サーシャが言ってたように今日はハールデンの町は「花祭り」で賑わっている。



 少しだけお祭りを見物して行こうかな。



 俺は人が多い通りを歩き大きな広場にやって来た。



「さあさあ、皆さん! この移動サーカスでは猛獣たちがいろんな芸をするよ! 見ていってちょうだい!」



 大きな移動サーカスのテントの前で男が通行人に声をかけている。



 移動サーカスかあ。

 リリアンでも一度見たことあるけどちょっと見てみようかな。



 俺は広場に入りサーカスのテントに近付く。

 すると女の声が聞こえた。



「もう! ちゃんと世話しなきゃダメじゃない! 動物たちは繊細なのよ!」



 俺はその声のするテントの裏側にそっと回り込んだ。

 そこには黒髪に褐色の肌をした20代前半だと思われる女とその女に頭を下げている俺と同じ年齢ぐらいの男がいた。



「す、すみません! ラゼルさん。すぐに動物にやる水を新しく汲んできます!」


「あなたも私と同じ猛獣使いになりたいならまずは動物の世話をきちんとできないとダメよ!」


「は、はい! 分かりました」



 男はそう言って慌てて桶を持ってどこかへ走って行く。



 へえ、このラゼルって女は猛獣使いなのか。

 女が猛獣使いなんて驚いたな。



「グルルルル」


「よしよし、もうちょっと待っててね。新鮮なお水をあげるからね」



 ラゼルは檻に入っている猛獣たちに声をかけていた。

 俺は猛獣を間近に見たことはない。



 ちょっとだけ猛獣を見させてもらおうかな。



 俺はラゼルに近付いて声をかけてみた。



「こんにちは。お姉さん」


「きゃっ!」



 ラゼルは驚いて俺の方に振り返った。




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