11 エリスの夢を叶えてみた
「エリスは俺と愛し合いたいの?」
「は、はい…」
エリスはこくりと頷く。
う~ん、エリスの愛し合いたいというのは恋人としてかな。
エリスには悪いけど俺は恋人をつくるつもりはないんだよなあ。
俺が皇帝を辞めたのはあくまでヤリたい女たちとヤリたいため。
特定の恋人が欲しいということではない。
「エリス。俺もエリスを抱いてあげたいけど俺は旅人だからエリスの恋人にはなれないんだ」
エリスみたいな純情そうな女性に嘘を吐くのも気が引けて俺は正直に伝える。
これでもしエリスが拒絶するならエリスには手を出さないでおとなしく寝ようと考えていた。
「いえ! それは分かっています! そ、それでも、ハリーさんに私の初めてをもらって欲しいんです」
え? エリスって男性経験がないの?
俺が初めての相手でもいいのかな?
「エリスの初めてを俺がもらっていいの? 俺はエリスと一緒に暮らせないよ?」
「は、はい……それでも、ハ、ハリーさんが、いいんです……」
エリスの声は小さい声だったがハッキリと俺が初めての相手がいいと言った。
う~ん、俺に抱かれるのがエリスの夢なんだよね。
それなら介護を頑張っているエリスに夢の一晩を与えてあげてもいいよね。
「分かったよ。それじゃあ、今夜だけのエリスの恋人になってエリスを愛してあげるね」
「あ、ありがとうございます……んんっ!」
俺はエリスに口づけをする。
処女を相手にするのは俺も初めてだ。
女の初めては痛いって言うし優しく丁寧に抱いてあげないとな。
俺はエリスになるべく痛みを与えないようにまずはエリスに快楽を与えることにした。
最初は恥ずかしがっていたエリスだったが快感を得るようになると甲高い声で啼き始める。
「う~ん、むにゃむにゃ」
その時エリスのおばあさんが唸りながら寝返りをうった。
俺はハッとしておばあさんの方を見た。
「むにゃむにゃ……そんなに鳴くんじゃない。ほれ、エサをあげるからたっぷりお食べ。子猫ちゃん……むにゃむにゃ」
そう言っておばあさんはまたいびきを掻いて寝てしまった。
ああ、驚いた。
おばあさんは何の夢を見てるのかなあ。
そして俺はエリスの初めての相手となった。
その体験は俺にとっても新鮮で感動的なものだった。
ああ、処女の女とヤルのも最高だ!
これはクセになりそう。
エリスの身体を十分に堪能した俺は疲れ果てて眠ってしまったエリスにチュッと口づけをする。
「う~ん…ありがとう……ハリー…さん……」
エリスは寝言のように俺にお礼を言った。
「今夜だけでも素敵な夢を見てね、エリス。俺の方こそありがとう」
「むにゃむにゃ……ミルクはいっぱい飲んだかい、子猫ちゃん……むにゃむにゃ」
おばあさんがまた寝返りをうって寝言を呟いた。
俺はエリスを抱き締めて毛布を被る。
ああ、さすがにリリアンを出るまでろくに寝てなかったから俺もゆっくり寝ようっと。
俺がエリスと仲良くベッドで眠りについた頃、ジルヴァニカ帝国の皇帝の部屋に再び三人の男が集まっていた。
「それでローゼン将軍。陛下が門を通過した形跡はないのか?」
「はい。ラッセンド宰相。一日中見張っていましたが陛下らしき人物は発見できませんでした」
「では陛下はまだリリアンにいるのか。とりあえず今日の誕生日の式典は陛下が急病になったということで中止にしたが病気だと誤魔化すにも限度がありますし」
皇帝は急病だと発表したがいつまでも病気だと誤魔化すのには無理がある。
だからといって皇帝は行方不明などとは口が裂けても言えない。
「陛下が病気となればお見舞いの者も来るでしょうしいつまで不在を隠せるか分かりません。いかがしましょうか、セルシオ殿下」
「ラッセンド宰相。兄上の病気は感染症としたらどうですか? そうすれば見舞いの者も断れます。感染症の中には長期間の療養が必要な病気もありますし」
「おお、なるほど、そうですな。さすがはセルシオ殿下。それは良いお考えです。ぜひそうしましょう」
「私は明日から兄上の代理で仕事をします。ローゼン将軍は引き続き門の監視をお願いします」
「承知しました。必ず陛下を見つけ出します」
三人の男たちは頷き合った。




