作家なら目薬なんぞに頼ってんじゃねえ!!
「作家なら目薬なんぞに頼ってんじゃねえ!!」
……さて、この言葉にドキリとしましたか?
目がしぱしぱしてきたら目薬、これをやっている人いませんか? 私です。
スースーして「あー効いてる効いてる」とか言いながらPC画面に戻る。で、また2時間。で、また目薬。無限ループかな???
でも正直考えたことありませんか? 目薬を差すだけで本当に目を守れているのか?
そう思って調べたことをまとめたのがこのエッセイです。
我々WEB小説書きは、目を使い倒してなんぼの仕事をしている。
なのにその目を、目薬一本でごまかして延命してるって冷静に考えると割とホラーでは?
このエッセイではそんな“疲れたら目薬”という固定観念に警鐘を鳴らしつつ、
アメリカ眼科学会が提唱する「20・20・20ルール」などの目を守れる習慣を紹介していく。
読み終わる頃には、多分きっと恐らくあなたはちょっとだけ目に付いて分かった気がしている……はず。
正直に言うと私自身まだ眼精疲労に悩まされている。執筆に加えてオフィスワークなのでどうしても目を酷使してしまう。現代病ですね。
でも、ここで紹介する「20・20・20ルール」を始める前よりはマシになった。
目は大事な器官なのに結構無頓着にされがちで、調べても決定的に有益な情報は少ないという印象がある。私自身もっと情報が欲しいのです。
このエッセイをきっかけにあなた自身で色々と調べてくれると嬉しい。そして私にも情報連携して……して(迫真)
本音はさておき、本題に入りましょう。
◆
目がしんどい → 目薬さす → 一瞬スッキリ → よし、執筆続行。
──この流れ、あなたもやってるんじゃないですか。
私はやっていました。で、結果どうなったか?
目が治ったことは一度もない。
それはそう。目薬は基本的に“今ある症状を一時的に和らげる”ものであって、“根本的に目を回復させる薬”ではない。対症療法であって根治にはつながらない訳です。
眼精疲労ってのは要するに「目が使いすぎでバテてます」って状態。
症状としては、ピントが合いにくい・まぶしい・乾く・頭痛・肩こり・たまに殺意など、人によっていろいろ。
でもそんな不調を「スースー成分」で誤魔化してたのが昔のWEB作家だ。
目薬には“清涼感”があるので効いてる気がする。しかも結構クセになる。メントール中毒に似てる。
しかも目が痛い → スースー → 書ける → また痛い → スースー、の無限ループ。
つまり二日酔いに迎え酒を乱発してる人とメカニズムはだいたい同じ。この「スッキリ感で症状を押し込んでるだけ」っていうホラーからそろそろ脱出を提案したい。
ここまで読んで「(目薬さしながら)わかる〜」ってなってるあなた、
安心してください。このエッセイは目薬を全否定するわけじゃない。ただ、それだけじゃダメだという話をしています。
次のお話では、あなたの目を労わるためのシンプルだけど効果がある方法を紹介します。
アメリカの眼科学会が提唱しているシンプルな「20・20・20のルール」。少なくともそこらの怪しい民間療法ではないことだけは保証します。
◆
このエッセイを読んで目薬での誤魔化しに限界を感じ始めたそこのあなた、朗報です。
「眼精疲労、ぶっちゃけ目を使わなきゃいいんでしょ?」と思ってた人、正解です。
でも「じゃあ書けねぇだろ!!」という声も大正解です。わかってる。そこを解決する方法が、20・20・20ルールです。
これはアメリカ眼科学会(AAO:American Academy of Ophthalmology)が推奨している、極めてシンプルかつ効果的な目のセルフケア法。
■ 20・20・20ルールとは:
20分ごとに、20フィート(約6メートル)離れた場所を、20秒間見る。
たったこれだけ。でもこれが年がら年中酷使される目にとってはありがたい休息になる。
■なぜ効くのか?
現代人の目は、近距離にピントを合わせっぱなしの“固定モード”になっている。同じ場所に座ってPCを見続けていれば自然とそうならざるを得ない。
ピントを調節する眼筋にとってはずーっと同じ姿勢のままでいるようなもんです。そりゃ疲労も溜まるでしょう。
これが筋肉の緊張、まばたき減少、涙の蒸発、ドライアイ、ピント調整力の劣化……など、地味に深刻なダメージを蓄積してくる。
でも6メートル先を見れば、ピント調整筋が「ふぅ〜」って力を抜ける。
さらに20秒間ぼーっとすることで、脳にもリラックス効果がある。つまり、目だけじゃなく脳のオーバーヒート防止にもなるってこと。
■実践:ポモドーロと組み合わせると最強
ここから私の話になるんですが、私は普段からポモドーロ・テクニック(25分作業+5分休憩)を使って執筆してます。
この「5分休憩」の中に「20秒間、遠くを見る」だけで、20・20・20ルールが自然に組み込まれる。お勧めです。
立ち上がって、窓がある部屋に行き、外を眺める。
ついでにスクワットでもすれば、身体の滞りまくった血流も流せて一石二鳥。かなりお勧め。
やはりポモドーロは執筆にて最強(確信)
まあ冗談はさておき、非常に応用が利くテクニックなのは確かです。是非一度お試しあれ。
続いて、「20・20・20ルール」以外のテクニックを幾つかご紹介します。
◆
私個人の意見ではシンプルかつ実践しやすい「20・20・20ルール」×「ポモドーロ・テクニック」が一番のお勧めなのだが、
それだけじゃ足りん! という人もいるかもしれない。
よって上記以外の、現実的に取り入れられる“目の守り方”をいくつか紹介する。
■モニターの高さ、合ってますか?
モニターが高すぎたり低すぎたりすると、首もそうだが目にもダメージが蓄積する。
理想は「画面の上端が目の高さより少し下」。
画面を見上げる構造は、首を締める拷問。見下ろしすぎるのもNG。首がやられて連動して目も死ぬ。人体ってめんどくせぇなぁ……。
ノートPC直置きは地獄なのでなるべくノートPCスタンドを使って高さ調整がお勧め。
Amazonや楽天あたりで「ノートPCスタンド」と検索すれば手頃な価格(2000~5000円)のものがたくさんでてくるのでどれか試してみるといいでしょう。
私個人の体験で言えば、とてもいい買い物でした。コスパで言えば文句なしに最強格。
■執筆環境を改善せよ
例えばパソコンの画面。ここの設定がイケてないと常時目にデバフがかかると思って頂きたい。
日光や室内灯がPC画面に反射して目が痛くなった経験、ありませんか?
「目に悪い光」の代名詞、ブルーライト。これはモニター設定で「ナイトモード」や「暖色寄り」に調整するだけでかなり違う。
ちなみにこのブルーライトやブルーライトをカットする眼鏡など、実際どれだけの影響があるかはまだよく分かっていない部分も多いそう。
でも執筆環境が目に優しいかどうかは間違いなく目の疲労に影響します。
画面が明るすぎれば、文字が小さすぎればそりゃ眼も疲れるだろうというお話です。
画面以外にも部屋の明るさ、姿勢、椅子の高さなどなど。執筆環境全体を考えると自然と目にいい状態を保てるのです。
まずは無料でできるところから試して、お財布などと相談しながら設備投資していくといいでしょう。
さっきの「ノートPCスタンド」もそうですが、金で健康が買えるなら躊躇なく買うべきです。
ただし、世の中には大仰な宣伝効果の割に効果が微妙なものもあるので見極めはご注意を。このエッセイも含めてね。
私は私なりに試して書いていますが、あくまでN=1の体験談に過ぎないのです。
◆
作家にとって「目」は脳みそと物語を繋ぐ唯一の光だ。サスケェ……。
その目がやられたら真っ先に止まるのは原稿です。もう物理的に書けない。
でも我々はつい「スースーするやつ1滴でOK!」ってノリで済ませがち。
目薬はあくまで応急処置であり絆創膏くらいの立ち位置と割り切って適切に使いましょう。使うな、ではなく期待し過ぎず適切に使おうというお話です。
本当に目を守るためにすべきは、目を労わってあげることです。
20・20・20ルールで少し遠くを見る。
フォントを少し大きくする。
スマホの光をちょっとだけ柔らかくする。
”目”という繊細な臓器に関心を持ち、情報を集め、実践してください。
だって我々は今日だけ書ければいいわけじゃない。明日も、来週も、1年後も、まだ書きたいはずだ。
目薬に頼る前に、目に優しくあれ。書き続けられる作家になるために。
それでは今日もよい執筆を!