エピローグ
エピローグ
僕、柊誠が恋人というものに憧れをもったのは小学五年生の時だ。たまたま姉さんの部屋にあった恋愛漫画を見たところそのカップルの在り方に憧れたのだ。
そこからは早かった。中学校で恋人をつくるために6年生の時間は自分磨きに使った。そして意気揚々と中学校に入学した。ここから僕の恋愛物語が始まるとそう信じて。
だが現実は甘くなかった。まず、自己紹介でやらかした。6年生の時自分磨きに全身全霊をかけていた僕は人の前で喋るということをしてこなかった。なんなら友達も居なかった。そんな僕が人前でちゃんと喋れるはずもなく緊張しすぎて「ぁ、ぁの、えっと、、ひいらぎ、、まこと、、です、、」といった感じになってしまった。というわけで友達ゼロ人からスタートになりました。
でも僕はめげなかった。カップルへの憧れはその程度無くなるはずがないからだ。こっから挽回していくぞ、と気合いを入れ直した。
「大丈夫、僕みたいなちょっとイケてる系の子をみんな見落とすはずがない」
という謎の自信を持ちながら。
1年後中二になったが状況は全く変わってなかった。何故か?簡単だ。コミュニケーション能力を鍛えることを後回しにしたかだ。あの謎の自信を掲げていた俺はその辺のの能力を鍛えなかった。
確かに女の子達に声をかけた貰ったこともあった。でもその時の反応は「ぇ、ぁ、その、、」
みたいな反応だった。こんな陰キャみたい反応していたらそりゃ女子も離れていくだろう。
だが、女子に喋りかけられたということに喜び、やはり大丈夫だと思ってしまったのだ。
さすがにやばいと感じたのか中二ではコミュニケーション能力を鍛えようとした。そう鍛えようとしたのである。結果、全くダメであった。
何故か話しかけると目をそらされるし、逃げられたり、女子達がこっちを見ながらヒソヒソ話していたりで全然ダメであった。1度これは照れているが故にしているだけではないのかと考え、1人の女子に「俺のこと好きなの?」と聞いた事がある。そしたら
「バ、バっかじゃないの!?あ、あんたのことがす、すきだなんて、そ、そそそんなことあるわけないないでしょ!?」
と顔を真っ赤にして怒られてしまった。そのためワンチャン好きなんじゃねという僕の勝手な妄想は打ち砕かれた。
そんなこんなで中学校生活はながれていった。そして僕は一つに結論を出した。
「僕に恋愛は向いてない」
きっと向いていないのだ。話しかけることも許されない僕はどれだけモテるための努力をしてもダメなのだ。そして僕は恋人への憧れをそっと胸の奥にしまった。
高校からひっそりと過ごそうとそう決めて。
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