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Fantasy of Dreams 〜夢と幻想の世界〜  作者: 金髪モン吉
2/17

村までの道のり

「ミミ少しは落ち着いた?」


 神社に戻ると興奮したミミが出迎えてくれる。

 ウルフ退治より、ミミを落ち着かせる方が大変だった。


「はぁ、はぁ、ごめんなさい。落ち着きました」

「それで、話しを戻すね。確かに見てみないと、わたしにもわかんないけど、多分村の事はなんとかなると思うよ」

「まいお姉ちゃんが強いのは、わかりました。けど…村の大人達が信じてくれるかどうかが……」


 わたしだって、簡単に信じてもらえるとは思っていない。

 17歳の女が1人で村を襲うモンスターを『倒すから任して』と言われても、わたしなら信じない。


「まぁ、それは行って話してみないとわかんないし、ミミを1人でこの場所に残すのは、わたし的に論外だよ」


 最悪、ミミと一緒に村を出ればいいしね。


「嬉しいです。……ありがとうございます」

「いいのいいの。じゃあ、早速村に連れてってよ」

「はい!」


 村に行くには、1度水汲み場の川を経由して村に行くみたい。

 わたしのペットで飛んで行ってもいいけど、村の人が驚くといけないので、歩いて行くことになった。


「綺麗だね」


 少し歩くと目の前に川が広がっている。


「はい。暑い時は水汲みの間に、孤児院の皆で水遊びしたしりすんですよ」

「気持ちよさそうだね。今度孤児院のみんなと遊びにこうね」


 子供達とBBQとかもいいね。


「ところで、村まではあとどれぐらい?」

「ここまで来たので、あと少しです」

「了解。じゃあ、パパっと行っちゃおう」


 ミミが言うには、この辺りはモンスターもあまり出ないらしい。

 ただ、たまにウルフやオークが襲ってくるみたい。

 ミミのお父さんもお母さんも、悲しい事に水汲みをしてる時にモンスターに襲われてこの世を去ったみたいだ。

 水汲みに命をかけるって……終わりの村だっけ?わたしには聞いた事のない村だ。


「ねーミミ、村には井戸とかないの?」


「あるにはあったみたいなのですが、最初の魔物の襲撃で、埋まってしまったみたいです」


「そんな前からなの!治したりはしないの?」

「村に直せる人がいないので……」


 近くの街とから直せる人を呼べばいいのに。

 まあ、詳しいことは村長に会って聞けばいいか。


「まいお姉ちゃん!あれがわたしの村です」


 ミミが指さす方を見ると、村の周りをわたしと同じくらいの塀に囲まれた、小さくはないが、大きくもない村があった。


「やっと着いたね。とりあえず、村長さんの所に行こうか。ミミ案内してくれる?」


 一応、最悪の時の事もミミに言っておかないといけないか。


「ミミ聞いて、もし村長さんがわたしの話しを聞いてくれなくて、またミミを生け贄にするって決まった場合は、わたしがミミを連れて村を出ようと思うの、ダメかな?」


「……1つ聞いていいですか?なんで、まいお姉ちゃんは、そこまでミミに優しくしてくれるんですか?」

「うーん、色々知っちゃったし、ミミと出会ったから……かな」


 別に正義の味方の真似をするつもりもないけど、目の前の女の子が、意味の無い事で死んじゃうかもしれないのに、それを無視して通り過ぎる事は、わたしにはできない。


「でも、まいお姉ちゃんはミミと、さっき会ったばかりで村とも関係ないじゃないですか!」


「そうだなぁ………わたしが思うのはね、多分ミミと会うのは運命だったんだよ。わたしが迷子になったのも、そのお陰でミミに会ったのも、それで村の問題を解決できるか分からないけど、それも全部ね」


「運命ですか………」


 わたしがログアウトした城じゃなくて、この森に来たのが、ただの偶然なのか運命なのかは、わからない。

 もしかしたら、これはゲームのイベントなのかもしれないし、ミミはNPCの1人なのかもしれない。

 でも、このままにしていい訳がない。わたしは、この世界で生きていこうと決めたんだ。目の前に救える(ミミ)があるなら、わたしはやれる事をやるだけ。


「そうだよ。わたしにミミを見捨てる事はできないし、したくない!だから、わたしを信じてくれると嬉しいな」


「ミミは……信じるもなにも、まいお姉ちゃんが来てくれなかったら、ウルフに食べられてたと思います。だから、まいお姉ちゃんは、ミミの命の恩人です。でも………ミミのせいで村の人達が死んじゃうのは嫌なんです」


「うん。ミミの気持ちはわかったよ。ミミも守るし村も守る。村の人達には、どうにかして分かってもらえるように努力するよ」


 ミミは凄いね。

 わたしが逆の立場なら、ミミみたいな事は言えなかったと思う。逃げ出してただろう。

 わたしは、ゲームのなかにもう1つの自分の世界作って、現実から目を背け、そこに逃げていたのだから。


「わがまま言って、ごめんなさい」


「気にしないで。わたしは自分勝手に、ミミを助けたいだけだから。あと、もう私たち友達でしょ?友達に敬語はいらないよ」


「はい!あっ……うん!まいお姉ちゃん、ありがとう」

「よし!じゃあ、村長さんの所に行こう」

まい「まだまだ物語は始まったばっかりだよ」

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