柔らかい枕
「ん、ん~ん?!」
なんだ?この感覚は、凄く柔らかくて癖になりそうだ…。枕も同じ感覚がする、きっと高級な枕なんだろうな。いや!待て!待て!俺の家に高級な枕なんて置いてないぞ?!
「あ!起きましたか?優雅さん。私の膝枕がそんなに気持ちよかったですか?」
え?!今、膝枕って言わなかったか?と、とにかく起きないとまずい気がする!
目を開ける。一人の女性が真上から俺の顔を覗いてきているのが分かると。
「やっと起きてくれました。もう私と先輩以外は、帰っちゃいましたよ?」
彼女は、日向。俺の可愛い可愛い後輩だ。
「ここは、居酒屋??」
「優雅さん!寝ぼけていないで帰りますよ?!店の人に迷惑がかかっちゃいますから。」
「その前に、一つだけ聞かせてくれないか?」
「いいですよ?一つだけですからね?」
「どういう経緯が有って膝枕してもらっていたんだ?寝る前のことが、あまり、思い出せなくて...」
「あれ?忘れてしまったのですか?しょうがないですね~。」
そして、俺が寝るまでの事を教えてくれた。
A先輩が会社を辞めるとのことで居酒屋で送別会が開かれ、酔っ払ったA先輩のノリが私のところに来てしまい、酔っ払った私と先輩が寝てしまい。このような状況になったということを説明してくれた。
なんだろ、聞いてる最中に顔が熱くなるし、頭を抱えたくなる。幸い次の日は、仕事が無いけど、仕事場に行くときどんな顔をしていけばいいんだろうか...。
「質問に答えたので店を出ますよ?お店の人に迷惑がかかっちゃいますから。」
「嗚呼、すまない。店を出るとするか...料金は、先輩が払ってくれたんだよな?」
「はい!間違いないかと。」
店を出てから、腕時計を見ると時間が8時を回っていた。