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宿屋その1

1日目がまだ終わりません。結構長くなっていますが多分途中は日にちが経つのが速くなると思います。

魔法の確認を終えて闘技場を出ると結構な時間が経って居たらしく店には灯りが付いていた。

‘本日の勤務時間は終了しました。作業中の場合は自動で残業になります’といきなり手首辺りから声が聞こえた。

(あ!あの腕輪がタイムカードの代わりか!)

そんな事を考えてるといきなり腹が鳴った。そう言えば今日は朝飯だけでこの時間まで何も食べて居ないことに気が付いた。

でも転移前は午前中で転移後は午後だったから、丁度昼の時間を避ける様な事になったので仕方ない。

「さて異世界で初めて食べる食事か!無難に宿で取るかな・・・やっぱりいきなり外食は不安だし。」

俺は外食より家飯が好きなので速やかに宿に戻って扉を開けた。

既に夕飯を食べる人でテーブルやカウンターはほぼ一杯になって居た。

俺がキョロキョロ席を探していると一人のドワーフが声を掛けて来た。

「ルロドースさんこっちこっち!」

そうこの世界の担当で宿の主人(後でギルマスだと言う事を知る)のメルゼックさんが声を掛けてくれたのだ。

呼ばれたテーブルに行きメルゼックさんの前を見ると俺の頭が入る位のジョッキとプレートが置かれて居た。

プレートの上には肉に魚、サラダにフルーツとどれも美味そうな物が乗っていた。

「お疲れ様でした。初日はどうでしたか?」

「お疲れ様です。魔法のテストに時間が掛かって街を見て回れなかったです。」

「そうでしたか。でも大丈夫ですよ明後日迄は研修期間ですから。」

「研修期間ですか?」

「で3日後は休みになります。4日後にメンバーを紹介しますのでそこからが本番ですね。」

「分かりました。さてと食事を頼まないと!」

そう言いながら係りの人を探そうとすると獣人の女の子がプレートを持ってやって来た。

「え?俺まだ頼んで無いのですが?」

「え?宿の食事は日替わりのみですよ?」

「あ!彼は他所から今日来た人なのでこの国の事は知らないんだ。」

「あ!そうでしたか!で飲み物は何にします?」

「エールで。ジョッキはアレと同じで!」

隣の獣人が呑んでいたジョッキを指差して注文した。

流石にドワーフが呑む馬鹿でかいジョッキ無理なので中ジョッキ位の大きさにしてもらった。

獣人の女の子が厨房の方に行ったので早速料理を食べてみた。

「美味い!この肉柔らかでコクが有り口の中で溶けるようだ!何の肉なんですか?」

「その肉はキングカウって言う魔物の肉で結構評判良いです。」

「魔物の肉ですか?」

「定番のゴブリンやオーガも食べられますが、味がイマイチなので宿では出して無いです。」

「あ!ダンジョン探索や討伐の時の携帯食料なんかには安いので良く持って行きますよ。」

「燻製とかにしてですか?」

「いえいえ。普通に料理して魔法バックに入れて行きます。バックの中では状態が変わらないので何時迄も出来立てで食べられます。」

「それは凄く良いですね。でもそんなに量が入るのですか?」

「ダンジョン討伐でも1ヶ月以上は中に居ないので十分の量は入れられます。」

「それとルロドースさんは6日毎に街に戻って休みを取って貰うので大丈夫ですよ。」

「え?ダンジョン攻略中でも休みを取れるのですか?」

「はい。あくまでも派遣の仕事ですので他の人みたいに戦う執拗は無いです。」

「でも他のメンバーが攻略してるのに抜けるのは不味いのでは?」

「今回のダンジョン攻略はギルドの公式依頼としてなのでその辺は大丈夫ですよ。」

「取り敢えず料理が冷めるともったいないので先に食べましょ。」

「確かにそうですね!」

そう答えて再び料理を食べ出した。兎に角料理には満足でエールもビールと変わらないくらい美味かった。

量も多く野菜や果物もみずみずしく地球では食べた事がない程の美味しさだった。

「あ〜美味しかった。こんなに美味しい料理食べたの初めてでしたよ。この料理が食べれただけでも来たかいがありましたよ。」

そう感想を言いながらエールを飲み干してジョッキをテーブルの上置いた。

「食後に何か飲みますか?」

「あ!そう言えば今日の仕事は終わったんでしたね?」

「はい。なので部屋に戻って貰っても良いですし、出かけても此処で呑んでも大丈夫ですよ。」

「ただし食事代は宿屋代に含まれますが他は自腹です。食事の時に飲むエールと果物水、お茶は無料です。」

「エールも無料ですか?それって飲み屋さんお客が減って大変なのでは?」

「飲み屋でエールを頼む人ってヒューマン位だし売上からしたらたかが知れてるので気にしてないみたいですよ。」

「そうなんですか。じゃ火酒でも呑んで見ます。」

「お〜いフローラン火酒を1つ頼む。あ!客さんのな!」

「お客さんに火酒ですね!今持って行きます!ちょっと待ってね!」

元気な返事を聞いて待っているとちょっと大きめなグラスを持ってフローランさんがテクテクと来た。

そして開口一番

「マスター何時迄も休憩してないでさっさと仕事をして下さいよ!今忙しいの見れば分かるでしょ!」

(え?メルゼックさん仕事中なのにあんなデカイジョッキで呑んでたの?酔って仕事にならないじゃ?)

そんな俺の心配を嘲笑うようにすくって立ち上がり首をコキコキ鳴らしながら

「この程度一人でこなせなくってどうする!ガハハ」

と豪快に笑い厨房に向かって行った。

美味しい料理に美味しい酒・・・良いなぁ

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