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トイレのネズミと食糧庫のネズミ

ボブゴブリンとゴブリンってどう違うんやろ?教えてウィキ先生!

ホブゴブリン…( ^ω^)


田舎を馬鹿にしているわけではなく、私が住んでいたのが田舎で最低雇用賃金の700円くらいで働いていたんです(本当にこんな仕事しかない)が都会に出ると時給2000円を超えるわけで。正社員だと手取り額は減りますがやはり都会に出るのはいいですね。ぼけーと田舎で猫と戯れているときが一番幸せな時間でしたが、猫死んだのでどうでもよくなりました。


まだ学生の方は手取り額はあんま変わりませんが正社員になると時給にすると2000円、3000円と会社は負担するわけでバイトはほどほどにしたほうがいいかもしれません。わたしは結構バイトに精を出して後悔してます。それより勉強していい大学に行っていい企業に入るのがよろしいかと。


わたしという人間は変わらないのですが田舎から都会に来ていただくお金は2倍から3倍になりました。もちろん仕事内容はきつく拘束時間も長くはなりましたけど。子供のころから都会できちんと勉強してたらどれだけ待遇良くなってたんやろ?!ってのが趣旨です。


携帯ポチポチで更新していましたがパソコンで更新するとやっぱ量かけますね。わたしにしてはですが……

昨日行った王都の冒険者ギルドは建物自体がでかかった。でかいだけでなく希少なガラスに職人が金属を彩らせている。ドアを開けるまでもなく期待からラインハルトの顔は紅潮し息が少し荒くなる。しばらく建物を眺め息を整えると意を決しラインハルトはドアに手をかけた。


「いらっしゃいませー」

中に入ると3人の受付嬢と客の冒険者の視線が自分に集まった。

若く、顔立ちの整った受付嬢に目を奪われる。

田舎の小さな冒険者ギルドは自分より年上の若ければ口説きたくなるような美人だったという女が若作りをして受付をしていた。ここでは若い女がやっている。出世の道があるか、結婚して家庭に入るのかどちらにせよ受付嬢を続けるよりも待遇の良い別の何かになれるということだ。


田舎の冒険者ギルドのEランクの冒険者証を提示して仕事を紹介してもらう。Eランクの冒険者証を見せた時、あきれに近い空気をラインハルトは感じた。40歳に近い冒険者など本来はもう引退してなければおかしい。田舎で稼いだ金で小さい畑を買い、山で山菜やキノコといった恵みを手に入れて50歳くらいで死ぬ。そんな人生を歩まずに王都に来たなにか勘違いでもした中年のおっさんを憐みの目で一瞬受付嬢は見たのだ。しかしプロであり、その空気は一瞬で消えてEランクでもできる簡単な仕事を紹介してくれた。若いとはいえプロの受付嬢ですら隠し切れないあきれの空気、その事実がラインハルトの肩を重くさせた。


いくつか紹介された中でラインハルトが選んだのは薬草づみの仕事だった。一番手馴れているし、なにより栽培薬草がまだ王都にはなかった。保存の技術がまだないのか?と一瞬よぎったがないならないでいいとラインハルトは受けたのであった。


さっそく薬草づみでおすすめの山に入り、しばらく進むとゴブリンがいた。はじめての山でこいつに出会うとまず逃走ルートを確認する、次に剣を身構える。戦闘はできるだけ避けるのだが逃げ出すと魔物の習性なのか獲物と判断して追いかけてくるのだ。逃げ出すのは本当にヤバイ最後の手段だ。


ゴブリンは好戦的ではない。回復魔法も、薬草による傷の回復を促進させる方法のない彼らはひたすら弱者を襲う。逃げ出すという弱者がとる行動をしなければ逃げ出すのだ。隠れて強者を襲うということはしない。ひたすら弱者を襲うのが彼らの生存本能によるものなのだろう。


だから胸を張り、身構えて、石を投げてゴブリンに気づかせる。ゴブリンに強者を襲う習性がないといっても近くを通れば驚いて襲ってくるかもしれない。驚いた顔でゴブリンがこちらを向く、あまり美味そうではない。薄汚れた顔にいくつか傷跡が見れる、歳はまあまあいっている。若いゴブリンなら経験のなさから襲ってくるかもしれないがこいつは違う。年齢をある程度いったゴブリンは強いから生き残ったのではない慎重だったから生き延びたのだ。


わずかな静寂のあとゴブリンはゆっくりと俺から離れる。すぐに逃げ出せば襲われると警戒しているのだろう。バキバキッと枯れた枝がゴブリンの足と一緒に音を出す。ラインハルトは動かない。


ゴブリンは耳が良い。臆病な弱者の彼らは自分の身を守るために耳を多用し、発達してきた。足音が自分だけでラインハルトが動かないとわかると脱兎のごとく逃げ出した。ラインハルトは身構えていた剣をおろす。


ラインハルトは頭に巻いた布で顔の汗をぬぐう。冒険者はおでこを中心に布を巻くことが多い。でないと塩分を含む汗が目に入り戦いのときに致命傷を負いかねない。そして数多い冒険者は知らないだろう。40近くなると髪の毛の量が減り、汗がしたたり落ちる量が多くなることを。


ラインハルトから乾いた笑いが漏れる。これだ、わずか一匹のゴブリンを倒すことすらできないのが自分だ。体力のあり余った20代の自分なら、Eより上のDランク冒険者だった自分なら、倒せた。過去の自分なら倒せたのだ!若者は知らないだろう、年齢が上がるってことが弱くなるということを。


なんで俺は王都なんかに来たんだろう、みじめになる思いで額ではなく目から流れた塩分を含む水を布でふき、ラインハルトは足を進めた。薬草を田舎より高値で買い取ってもらえることはわかったが家賃が高いのでその分働かないといけないからだ。悲しむ暇などないのだ。


薬草を見つけた、田舎のものと同じで、大きさも、色も、形も……同じで。でもここ王都では田舎の1.3倍から1.5倍で買い取ってもらえる。新鮮なほど効能が高い種類の薬草が多いから田舎のものを持ってきてもそれほど高値にはならない。なんで自分はもっと早く王都に来なかったのだろうか?自分はこの薬草と同じだ。大きさも色も形も同じでも王都なら高く評価してもらえる。自分の才覚や能力など関係なく場所で自分の価値は決まるのだ。家賃だってそうだ、田舎では評価が低くても都会なら評価される。


自分を最も評価してくれる場所へ移動することが能力を高めるより、成績を上げるよりも大事なことなのだ。もっと若い時に気づいていたら。


王都の冒険者ギルドの建物。巨大でもがっしりとして崩壊しない確かな技術。希少なガラスを使用し、見栄え良くただ金属を使うのではなく、植物のような凝った形にすることで価値を高めている。中にいた受付嬢もそう、美しい髪を高価な宝石の装備品でさらに価値を高め、化粧をし、高価そうな服を身にまとい自分の価値を高めている。冒険者もそうだ。田舎にはない、田舎の鍛冶屋には作れない、作るのに技術が必要な武器、防具を身に着けている。


手に持つ薬草に力が入る。自分は人間だ。自然のままの薬草を田舎ではなく都会に持っていくだけで1.3倍。自分が都会に行けば1.3倍の価値になる、それに武器、防具と価値を高めていれば?自分はもっと評価されていたのではないか?なんで自分は20代の頃に勇気を持つことができなかったんだ。


バキッて音がした。ラインハルトはでかい。ゴブリンと同じくらいの背格好だ。

近づく動物なんかいやしない。

ならなにが?


振り向くと巨大なゴブリンがそこにはいた。ホブゴブリン?なんてでかさだ。手には木で作ったのだろう巨大な棍棒を持っている。鼻息は荒く興奮している。

なぜ?俺を襲おうとしているのだ!身構えながらラインハルトは考察する。

肉が少ない?痩せている?あの巨大さに、食糧が足りてないのか。


自分という巨大なエサに興奮しているのか、なら戦闘は避けられない。久々に美味そうな獲物だ。きっちり殺してやる。ラインハルトの刃こぼれの多い、応急処置だけしてあと何回獲物を殺せるかわからない剣が煌めいた。

ラインハルトの性格が変わりだしはじめてます

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