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「ねえねえ」
「何かしら?」
「あれから数ヶ月経ったね」
「そうね。あっという間だったわ」
「すっかり僕もこの村に馴染んだね」
「むしろ馴染みすぎだから。この村の人気者さん」
「へへっ、最初は上手くやっていけるか不安だったけど、飛び込んでみれば幸せが待っていたんだね」
「よかったわね。あんたが幸せなら、私も幸せだよ」
「・・・君と出会う前の僕に知らせてやりたいよ。こんな幸せな暮らしが待ってるよって」
「・・・」
「抱きしめてくれてありがとう。このぬくもり絶対に手放したくないな」
「私もよ」
「・・・」
「・・・」
「僕の寝室に行く?」
「ええ。ん、ちょっと待って。なんだか外が騒がしいわ」
「本当だ。なんだろう」
「見てくるわ」
「待って、僕も行く」