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「そろそろ眠くなってきたかな」
「あんたの寝室はこっちだよ。好きに使っていいからね」
「ありがとう。あれ、一緒の寝室じゃないんだね」
「あ、当たり前でしょ!」
「そっか。残念だな」
「残念がられても困るんですけど」
「アハハ、ごめん。言ってみただけだから」
「まったくもう。あんたって無害そうに見えて、たまにドキリとした事言うわね」
「そうかな?」
「そうよ」
「僕だって、男だからね。でも、君の嫌がる事はしないから、心配しないでね」
「心配なんてしないよ。あんたがそんな事しないって分かってるから」
「でも僕が男だってこと、覚えていてね」
「忘れないよ。何言ってんの?」
「安心されすぎるのも、手を出しにくいってこと。ちゃんと僕の事、意識していてね」
「バッ!バカ!」
「ちょっ、殴らないでよ。君の拳は痛いんだから」
「もう知らない!私、先に寝るからね!」
「おやすみなさい」
「おやすみ!」