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「鍵を持っているあたいが先に家のドアを開けるニャ。よし、開いたニャ。勇者ー!いるかニャー!」
「こちらに近づいてくる足音が聞こえる。勇者なのか?」
「勇者ニャー!やっぱりここにいたのニャー!」
「勇者!彼女を返せ!」
「嫌だって?なんでそんなこと言うニャ?返してあげるニャ」
「お前は人間じゃなく魔族だったんだなって?そうだよ。この事は彼女も知ってる。知っていて僕の恋人になってくれたんだ。だから、僕の大切な人を返してくれ」
「彼女はどこニャ?寝室で眠ってるって?じゃあ、そこに行くニャ」
「何故僕の前に立ち塞がるんだ?魔族の僕に彼女は渡せないって?ふざけるな!僕の恋人を勝手にさらっておいてなんて言い草だ!」
「勇者、彼女を彼に渡すニャ。人さらいはよくないニャ。自分のした事、分かってるかニャ」
「ここを通せ、勇者」
「通すニャ」
「!?剣を抜くって事は、僕と戦うって事?」
「やめるニャ!」
「なら、力づくでも通らせてもらうよ」
「2人とも落ち着くニャ!」
「うおおおお!」
「ああ、戦闘が始まってしまったニャ・・・」
「うおおおお!」
「悲しいほど劣勢ニャ。力の差がありすぎるニャ。一方的ニャ。勇者、手加減するニャ」
「うおおおお!」
「見ているのが辛いニャ。もう立ち上がるニャ。痛々しいニャ」
「うおおおお!」
『あんたって、優しすぎるよ。だから、ザコなのかもね』
「なら、優しさを捨てる!僕の中にある魔力よ!力を貸せ!」
「ニャ!?一回り身体が大きくなったニャ!?」
「うおおおお!」
「つ、強いニャ!?」
「うおおおお!」
「勇者が劣勢になったニャ!?」
「うおおおお!」
「もうやめるニャ!このままだと勇者が死んでしまうニャ!」
「・・・そこをどいて、踊り子さん」
「どかないニャ」
「なら、2人とも死ね!」




