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「おはよう」
「おはよう」
「昨日はよく眠れた?」
「眠れる訳ないよ」
「あら、どうして?」
「知り合ったばかりの男とベッドを一緒にする趣味はないので」
「私は冒険者の頃、宿泊費を浮かす為によく女とベッドを一緒にしたけど?」
「それって仲間とだよね?」
「まあ、知り合ったばかりの女とは、一緒のベッドには眠らなかったけど」
「僕も知り合ったばかりの男とは、一緒のベッドで眠りたくないの。仲間でも嫌だけどね」
「そうなの?あんたって意外と潔癖性なのね。いつも野宿していたくせに」
「潔癖性じゃないよ。男と一緒のベッドは嫌なだけだから」
「ずっと、椅子に座ってたの?」
「泣きついて離れない勇者をなんとか宥めすかして、ベッドで眠らせた後、やっと椅子に座れたんだよ」
「お疲れ様」
「本当に疲れたよ」
「あ、おはよう」
「おはよう。あれから眠れた?」
「そう、久しぶりに眠れたのね。あれだけ泣けば夢も見ずにグッスリよ。え、それは言わないでくれって?わかったわ。さあ、席に着いて。急いで朝食を作るから」
「急がなくていいよ」
「ありがとう」
「勇者さん、席に着いたら?なに、顔を洗ってくるって?いってらっしゃい。僕も?僕はいいよ」
「あんたも行ってきなさい。朝食はまだできていないんだから」
「えー・・・、べ、別に嫌じゃないよ。そんな気分にならないだけだから」
「・・・」
「・・・」
「いいから、行ってきなさい。勇者、泣きそうな顔であんたを見てるから」
「いってきます」




