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「すいません、騒がしいようだけど、何かあったの?」
「え、なんだって!?勇者が村に来たって!?」
「へえ、伝説の剣を求めてやってきたと」
「この村に伝説の剣なんてあるの!?」
「実はあるの」
「ええ!?」
「私だって冒険者の頃、その噂を聞いてこの村にやってきたんだからね」
「そうだったんだ」
「でも、深く地に突き刺さった剣が抜けなくて、泣く泣く諦めたんだけどね」
「勇者は剣を抜けるかな」
「見に行こう」
「うん」
「伝説の剣は村奥に隠されているんだよ。ほら、あそこにあるのがそうだよ」
「あんなところに、伝説の剣が」
「間に合ったみたい。今から勇者が伝説の剣を抜こうとしているところだよ」
「どれどれ」
「あ、伝説の剣を握りしめた」
「僕も思わず拳を握りしめてるよ」
「そのまま一気に引き抜こうと、力を入れた」
「がんばれ」
「あれ、引き抜けなかったみたい。諦めの悪い勇者ね。何度も何度も引き抜こうと挑戦してるけど、どうやらダメなようね」
「がっかり」
「そういえば、あんたはまだ挑戦してなかったわね。やってみれば?」
「僕なんて無理だよ」
「無理でもいいの。面白そうだから、行ってきなさい」
「じゃあ1回だけ」
「がんばれ」
「勇者さん、ちょっとどいてくれるかな。僕も試してみたいんだ。・・・ありがとう。よし、せーのっと、え!?」
「嘘でしょ!?」
「抜けちゃった・・・」




