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そこは○○のせかい

作者:

真っ白な、汚れ1つない雲を抱えて、真っ青な、明るい光の透ける蒼い綺麗な空が、どこまでも、どこまでも、広がっている。空に抱えられた雲はゆっくりと、形を変えてのんびりどこかへ進んでいる。


心地の良い風が吹いていた。細やかな風の吹く音と、その風に吹かれて揺れる、踝辺りまで伸びた緑がたてる小さな音だけが、周囲に響く。


日の光に当てられて柔らかな碧をした大地は、空ほどではなくとも果てなく広がっている。ずっと、ずっと遠くに、大きな山があるのがぎりぎり視認できた。


とても静かで、綺麗な世界だった。



私はただそこに在れば良かった。見惚れる世界をただ目に映し、綺麗な世界に心を奪われていれば良かった。


何も起こらない、平穏な世界だった。



ある日、黒い靄が現れた。それはとても汚ならしく、醜いモノだった。不快感を全面に押し出しながら、私はそれを目に映した。


ただただ穢いモノだった。


それはしばらくの間私の周りをうろうろしていたが、私の周りを彷徨くのをやめて少しして、風と共に流され消えていった。


綺麗な世界だけが、残った。


私はまた、とても静かで綺麗な世界に見惚れた。何も起こらない平穏な世界に在り続けた。


ここは楽園(しあわせ)のせかい。


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