脇役な俺は主役を紹介します
主人公とは何なのか?
あなたはそう聞かれたらなんて答えますか?
物語のメイン人物?それともその物語を語るには欠かせない重要な人物?
え? 俺ならなんて答えるかだって?
そうだな、俺なら二度となりたくない職業ナンバー1と答えるかな・・・
さて、とりあえずはこの物語の語り部で決して主人公ではない俺、遠山 涼の説明をしよう。
外見は普通の高校生で顔は良くもなければ悪くもない。
ただ、異世界で勇者をした経験があるただの高校生です。
・・・・あれ、『普通じゃない』って。どこが?
ああ、勇者のところね?
まあ、あの時は中2の時だったし、丁度誰しもが掛かる禁断の病『中二病』に感染していたしね(笑)
それでも、もし戻れるなら俺は・・・・・。
とりあえず、この話はまたいつかするとして、今は俺の周りにいる主役の話をしようと思う。
俺はいつもどおりの光景を溜息をつきながら眺めていた。
それは一人の男に群がり火花を散らしている数名の女たちを見てだ。
「おい、お前ら道の邪魔になるから立ち止まらずに歩け」
俺はとりあえず、火花を飛ばしているハーレム共とそれに囲まれて動けなくなっている哀れな幼馴染に声をかけた。
すると、ハーレムどもは俺のことを睨んでくるが、俺の言っていることは正論だと分かっているので何も言わずに歩き出した。
そして、ハーレムに囲まれて動けなくなっていた俺の幼馴染が話しかけてきた。
「おい、涼。今のは少し言いすぎだぞ」
「道を塞いでいたのは事実だし、あのままだったら俺が遅刻していたからな」
「それでも、もう少し言い方を考えろよ」
「ハァ~、まあ、一旦それは置いといてなんであんな状況になっていたのかを説明しろ」
「実は俺もよくわからないんだ」
そう言いながら、俺の小学校時代からの親友、西山 健吾は頭を首をかしげた。
ここで、健吾とこいつのハーレムメンバーについて紹介しておこう。
まず、健吾は外見内面共にイケメンで、身長も180以上あり運動も勉強も平均以上の成績を誇る超人だ。
もう少し詳しい説明は追々するとして、次にこいつの3人のハーレムメンバーについて説明する。
まず一人目は健吾と共に小学校で知り合った健吾の幼馴染の島原 亜里沙だ。
見た目は童顔で小動物のような感じの美少女だ。
性格は健吾や女友達以外にはだいぶキツイ。
二人目は健吾のもう一人の幼馴染で大和撫子苑崎 京。
亜里沙とは外見が正反対といえるクールな美少女。
性格は外見そのまま厳しいが正義感が強い。
三人目は中学で知り合った茶髪の不良系美少女荒木 美鈴。
見た目は周りから少し敬遠されがちだが、根は優しく、三人の中では一番俺との会話が多い人。
と、この三人が主なハーレムメンバーです。
ほかにも、健吾に好意を抱いている女子は多いらしいが俺は知らん。
とりあえず、言える事はリア充爆ぜろ!!
と、説明が終わった所でとりあえず俺はこれ以上係わるのも面倒だし話題を変えた。
「そんなことより、健吾。お前って彼女作らないのか?」
俺がそう聞くと、健吾は急に咳き込んだ。
「大丈夫か?」
「大丈夫なわけ無いだろ?ケハッ、てか、急になんだよ」
俺はとりあえず、前のほうで聞き耳を立てているハーレムどもを確認すると、話を続けた。
「いや、お前ってもてるだろ?だから、彼女の一人や二人ぐらい作ったのかなと」
「おい、俺がもてるわけ無いだろ。それに彼女が出来たらお前たちとは登校しないぞ」
「そうか・・・。それじゃあ、質問を変えよう。お前はどんなタイプが好きなんだ」
「う~ん。やっぱり年上の人かな・・・」
健吾の発言に聞き耳を立てていたハーレムたちは肩を落とした。
「そうか・・・」
「てか、そういうお前は彼女できたのか?」
「う~ん、内緒と言うことで」
「おい、どっちなんだよ」
「さあ、どっちだろうな?まあ、俺とりあえず時間がまずいんで先にいく。じゃあな」
俺はそう言うと、肩を落としているハーレムメンバーの横をすり抜け走って学校に向かった。
健吾もスマフォで時間を確認して顔を青ざめさせ、ハーレムメンバーたちと共に学校に向かって走り出した。
そう、これが今の俺たちの日常だ。
だが、この時の俺たちはまだ知らない。
この日常が崩れていくことになるなんて。
とか、言ってみたけどそう簡単に変わる事なんてあるわけがない。
・・・あれ、これってフラグじゃね。
まあ、いいか。とりあえず、これから脇役の俺が主役である健吾の日常を紹介していくんでよろしく。