表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生能力  作者: ミツキ
1/4

転生

 俺は、自分で言うのもなんだが、努力家だ。だから今日も遅くまで図書館でテスト勉強をして、ランニングをしていた。

 腕に巻いた時計を見れば、八時だった。コンビニに行って、チキンを買っていたら、八時だった。

 幸い一人暮らしだ。家族に心配をかけることはない。

 チキンの入ったレジ袋を手に持ちながら、横断歩道を渡る。レジ袋はチキンの温かさが伝わっていた。冬だから、さらに温かく感じる。

「あ…」

 道路に積もった少量の雪。そこに足を突っ込んだ。身体が浮遊する。体温が、無くなった。身体の芯に、ツンとした冷たさがある。

 待ってましたと言わんばかりに、トラックが向かってくる。身体は宙に浮いて、身動きが取れなかった。

 眼前にトラックが現れる。運転手の人と目が合った。次の瞬間、ぶつかる。レジ袋を持っている右腕が痛い。少しして、痛みが全身に伝わった。寒さのせいで感覚が鈍くなったのだろう。

「痛い」

 身体が、動かない。こういう時、野次馬が集まったり、誰かが救急車を呼んでくれるものだと思っていた。

 段々視界がぼやけていく。母さん、父さん、おじいちゃん、おばあちゃん。これが、走馬灯というやつか。

「ごめん」

 俺は、この世界を去った。



 俺は目覚めた。死ぬのは、眠るようで、案外怖くなかった。ただ、目覚めるとは思わなかったし、申し訳なさも感じている。

 あたりを見渡すと、人がいる。

『あのぉ』

 声を出すつもりが、出ない。目は見えている。手も動かせる。

「え?あ?」

 手が小さい。指がうまく動かせない。一つ、嫌なことを思いついてしまった。近くに鏡はないか。

 近くの窓に映る自分の顔。それは、自分の顔ではなかった。小さく、髪がない。

「あうあ?あうああぁ!」

 俺は、赤ちゃんになった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ