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一期一会は突然に…

数日後 パワーストーン好きな私は以前から楽しみにしていた新宿で開催されているミネラルショーに足を運んだ


一緒に来る予定だったマミはツインレイの彼からお誘いがありドタキャン


「えぇぇ!! 初めてのミネラルショーで楽しみにしてたのにぃ~」


「ごめんね~チカたん。絶対埋め合わせするしお土産にパイシューたくさん買ってくるから。ねっ、ねっ」


食い意地のはった私はパイシューにつられ…


「ほんと? じゃあ…寂しいけど…ひとりで行くよ…」


「ごめん、ごめんね…イイ子イイ子」


抱きしめられナデナデされチョコレートのお土産もおねだりして許してあげた


うん♪ 私って寛大



ここが…会場…


な、なんて広いんだっ!!


生まれて初めて観るミネラルショー


壮大な広さにありとあらゆるショップが並びどこから見ればいいのか思わず放心…


すごい…マミから聞いていたけど…やっぱ一人じゃ無理かな…


でも、前から憧れていたミネラルショーだよ?


せっかくここまで来たんだよ?


素敵な一期一会があるかもしれないじゃん


と、自分を奮い立たせる


それにしても本当に広いな…


私のお目当てはハーキーマーダイヤ


以前、伝説に詳しいマミから運命の相手と巡り合わせてくれると聞いて乙女チックな私は胸をときめかせやって来たのだ


でも…こんなに広いとどこにあるのかわからないよ~


やっぱお店の人に聞くのがいいのかな


黒髪ショートの長身の男性が佇んでいるショップが気になったので思いきって近づいてみる


でも…高い石とかおススメされたらどうしょう…5千円以上出したくないし…


などとせこい事を思いつつ…ええい、ままよ!


せっかく来たんだ。聞くんだ、私


「あのぉ…ハーキーマーダイヤ探しているんですけど…」


「ハーキーマーですか?ございますよ」


優しく微笑んで応えてくれた


感じのいい店員さんでよかった~


「こちらになります」


う、うわっ!! これは…


ダイヤモンドをしのぐほどの眩い光を放つ輝きに言葉を失ってしまう


「綺麗……」


あまりの美しさに感動してじいっと見入っていると…


「ミネラルショーは初めて?」


店員さんに質問され


「は、はいっ、実は今日がミネラルデビューです」と応える私


「あっはは。可愛い人だね、きみ」


え? いま、可愛いって言った?

いや、私はお客さまだよ?

お世辞を言って高い石を売りつけようとか??


「あ~いま、僕のこと、不審者みたいに思ってるでしょ」


「何、こいつ、お世辞言って高い石を買わせようとしてるわ的な~くっくっく…」


いかにも愉快そうに笑う店員…


な、なによっ。ちょっとばかりかっこいいからってバカにして…


「かっこいいかい? そりゃ嬉しいねぇ」


えっ!! えーー!! 何で? 何で私の考えていることわかっちゃうわけ??


予期せぬ現実にうろたえていると長身で面長な男性が突然、その店員の肩をポンと叩いた


ん? どこかで見たような…


「店番、さんきゅ」


「おお、安藤、遅いよ」


「悪い。彼女とちょっと会っててさ…」


そうだ、マミが見せてくれたツインレイの彼だっ!


「あ、あの…」


話しかけようとする私に向かって安藤さんはにっこり慈悲深い微笑みを返しながら


「はじめまして。安藤です。チカちゃんだよね? マミから聞いていますよ」


「は、はじめまして。中村チカです。やっぱり何処かでお見かけしたと思いました~」


「おい、山田。お前、チカちゃんをからかったんじゃないだろうな? ごめんね。こいつ、俺の親友で幼馴染の山田ひろ。店員じゃないんだよ。

今日マミちゃんと会うから13時まで店番頼んでたんだ」


「マミと?そうだったんですか」


「からかってごめんね。お詫びに何かプレゼントするよ。ハーキーマが欲しいんだっけ」


「ほぉ、夢を叶えるハーキーマーダイヤに目を付けるとはなかなかお目が高いですね」


何故か安藤さんに褒められる。マミの言った通り優しい人だな…って…え?プレゼントって??


「こいつにからかわれたんでしょう。チカちゃん、遠慮なく買ってもらいなよ」


「え、そんなっ…申し訳ないし…」


気付くとひろさんは真剣な目つきでハーキーマーを選んでいる…なかなか横顔もイケメンだな…


暫くすると…手の平に直径5cmほどのハーキーマーダイヤをのせて見せてくれる


わわ…キラキラして美しい…なんだかずっと眺めていたくなっちゃう


「これがいい! きみと波動が合うよ。プレゼントさせて」


ウインクしながら手際よく箱に入れて梱包すると小さな手提げ袋に入れて渡してくれる


「ごめんね。僕、女嫌いなんだけどきみ、可愛いからからかいたくなって…」


「いいえ。私のほうこそ素敵なハーキーマーを頂いてしまって…」


「チカちゃんだっけ。メアドと携帯教えてくれる?」


プレゼントしてもらって断るわけにもいかず…かっこいいし…私は何の違和感もなくその場でメアド交換した


「雪が降るな…」


ニヤニヤしながら安藤さんがポソリ


「じゃあね。チカちゃん。今度、遊びに行くね~。山田、家まで送ってあげて」


「OK。じゃ、いこっかチカたん♪」


「チカたん?」


「うん、そのほうがきみらしいよ。方向音痴でしょ?大丈夫。ナビあるから」


えー!! どうして私が方向音痴って知ってるの??




すすめられるまま助手席に乗り運転するひろみさんとの会話がはずむ



不思議だ…私、初対面の男性となんて警戒心バリバリで絶対に打ち解けないのに…


「僕に聞きたいこと…ない?」


「聞きたいこと? あっ、ありますあります! あの…」


「くっくっ…」


彼はまた愉快そうに笑って応えた


「どうしてこの人、私の考えていることや話していない方向音痴のことまで知ってるの?でしょ」


ビンゴ過ぎて唖然…


「小さい頃からね…その人を見るとわかるんだよ。考えている事や、性格とか見えるんだ。だから子供の頃は電車乗っても学校にいても他人の声が聞こえて

うるさくてさ…

ノイローゼになって安藤にコツ教わって力を制御してシャットアウト出来るようになってね…自分で意識しない限り聞こえないようにしてスルー出来るようになったけど…」


「じゃあ、何故私のこと…」


「気に入ったから…興味あるんだ。きみに…」


「ええっ!」


「さっきも言ったけど僕は女が嫌いでね…でもきみはあまり女くさくないっていうか…純粋なのがわかるからうちの弟もきっときみを気に入ると思うよ」


「弟さん?」


「そ。双子の弟。条っていうんだ。それに愛犬のゴールデンレトリバーのジョン万次郎とヨークシャテリアのチポとポチが家族ってわけ」


「わんちゃん好きです♪可愛いなぁ」


「知ってるよ。じゃ今度安藤がお宅にお邪魔する時にチポとポチ、連れて行くよ。ジョン万次郎はデカいから条とお留守番だな…」


ふと気づくとカーナビなんて使っていない


この人、本物だ!


霊感というか、超能力者!!


「くっくっくっ…」


あ、また


「超能力者じゃないよ。霊感は強すぎるけどね…さて、着いた」


ホントだ…気付けばうちの真ん前に止めてくれてる


「あの、お茶でも飲んでいきませんか?」


私ってば! 会ったばかりの人になんつー大胆なことを!!



「嬉しいな。そうしたいとこだけど条が腹空かして待ってるから夕飯買ってってやらないと…」


「そうですか、あ、ちょっと待ってて」


私は急いで家に入ると夜食用にと今朝方大量に作っておいたおかかチーズの特大おにぎりを6個ほどアルミホイルで包んでセブンイレブンの冷凍たこやきと一緒に紙袋に入れた


「よかったらどうぞ。味は保証します」


料理にはちょっと自信があったのでついデカい口を叩いてしまった


「うわっ、手作りのおにぎりなんて嬉しいな♪ありがとう。遠慮なくごちそうになるよ」


ひろさんは瞳を輝かせて満面の笑みで喜んでくれた


「喜んでもらえて嬉しいです。じゃあ今度、いらした時はちゃんとご馳走作りますね」


「ねえ、敬語やめてよ。手作りのおにぎりももらったことだし。ひろって呼んで。ね、チカたん」


「あ…うんっ。わかった。ひろちゃん」


「あっはは…ひろちゃんか~ちゃんづけされたの初めて~」


彼は嬉しそうにウケている


「じゃまたな。チカたん」


車は走り去り暫くの間、私はぼぉーっとしていた





「…で? どうして楽しみにしていたおにぎりが4個しかないの??」


ピザと大量のパイシューとビックサイズの板チョコを買って帰って来たマミが悲しそうに呟く


「おにぎり…怪談観ながら食べるの楽しみにしてたのに…」


「ごめん。いまからご飯炊くから待ってて」


慌ててキッチンに行こうとする私の袖をマミが掴んだ


「待ちなさいって。冗談だよ。もとはと言えば、私が今日ドタキャンしたんだし…」


そう言いながら冷凍庫を開け冷凍ごはんの山を取り出す


「よっしゃ、これで焼きおにぎり作ろう♪」


「賛成~手伝うよ」


痩せの大食いならぬ宇宙の胃袋の私達はキッチンに並んで和気あいあい


「でもアンと会ったなんて嬉しいわ~。ね、優しいでしょ?」


「うん、うん。マミの言うとおりだった。すっごく優しくて大人だったよ」


「思うに前世の前世、ツインレイの前は私がママでアンはパパだったかもね。チカの」


「あ~それわかるぅ。だってすごく安心感あったし初めて会った気がしなかったもん。ほんと生まれ変わりかも」


「ちょっとちょっと…それより詳しく聞かせてよ。あなたの運命の相手、山田ひろくんのこと♪」


「うん。聞いて聞いて、私もびっくりの連続でね…」


焼きおにぎりを作り夜食に舌鼓を打ちながら私は今日あった不思議な出来事をマミに語り始めた





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