夏のとある日
特に意味もなく外を見る。
暑くて暑くて仕方がなくて。
集中する気すら起きないので。
なんでもなく、外を見る。
雲がふりかけられた青空は綺麗で。
流れていく雲を惜しんで眺める。
もう、先生の声は聞こえていない。
窓際の、肌をなでる風と、膨らむカーテンが好きだ。
窓際は涼しげな顔をした縦列。
廊下へ列が伸びるほど、その顔は曇りゆく。
この空間がたまらなく好きだった。
夏の教室を、象徴するものだった。
ああ、また風が来た。
全部吹き飛ばしてしまえ。
吹き飛んで、ここまで来ておくれ。
私の頭にある風景です。
私の夏はずっと風が吹いています。
あなたの夏を教えてください。