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勇者様ってなんですか!?  作者: 洋梨
第2章 自然都市と守護者の宴
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第47話 桁の外れた強さ

(ネイチャルエデン)「『また会えるでしょう』と言いながら、こちらから来てしまいました。お変わりないようで」


(エイン)「え?あ、はい」



 ネイチャルエデンは私の方に身体を向けて話しかけて来た。一つ不思議なのは、昨日の今日でそんなに変わる事もないと思うのだけれど。まぁ、神様らしいから何とも言えない。



(ガイド)「ネイチャルエデン?確かに銅像と瓜二つ……一体何者です?」


(ネイチャルエデン)「……、それは私が本物のネイチャルエデンか怪しいという意味なのか、それともネイチャルエデンは何者だという意味なのかで答えが変わって来ます。どちらの回答がお好みですか?」


(ガイド)「……!……、後の方……、ネイチャルエデン、貴方は一体何者です?勇者インカの話では……貴方は自分が守護者であるという話しかしないと……守護者とは一体何なのですか?」



 一気に核心をついた話をしていくガイドさん。正直、もう少しゆっくりと話を進めていくものだと思っていたので吃驚だ。



(ネイチャルエデン)「……、その話の通りですよ。私は守護者……それ以外の何者でもありません」


(ビリカ)「その【守護者】が何かって聞いてるのよ……!」



 ビリカさんがネイチャルエデンに近づいていき、息と息があたるほどの距離まで近づいた。ビリカさんの顔はかなり悪い顔をしている。相当怒っているようだ。怒る内容があったかどうかはさておき。



(ガイド)「ビリカ、やめなさい」


(ビリカ)「ガイド様!!この守護者ってのはインカが大事にしてたやつでしょ?!!私!!!まだインカに白旗を挙げた事許してないから!!!インカが大事にしてたコイツだって!!私の敵だもん!!!!」


(ガイド)「ビリカ……」



 修羅場ってる。



(ビリカ)「それに!!!私とガイド様で勝てないヤツなんていないでしょ!!!!」



 ビリカさんはネイチャルエデンに向かい拳を振り抜いた。ネイチャルエデンはそれを軽く躱す。ビリカさんはネイチャルエデンに対して猛攻を仕掛けるが、全て避けるか捌いて何一つ擦りもしない様子だ。擦りもしないどころか、その場から動いてすらもいない。

 ビリカさんの攻撃は私では、目でやっと追える速さだ。おそらくルースちゃんでも全く歯が立たないだろう。ここに居るオークを倒した3人が同時に戦っても敵う感じは全くしない。

 それでも、ネイチャルエデンには擦りもしていないのだ。


(ガイド)「ビリカ!!やめなさい!!あれは私の独断で!!この方とは何も関係がありません!!!」



 ガイドさんがビリカさんの手首を掴みビリカさんの動きを止めた。



(ビリカ)「……は?ま、また……裏切るの……?また……?」


(ガイド)「ビリカ……、……」



 修羅場ってる!



(ビリカ)「やだ……やだやだやだ!!!!裏切らないでよガイド様!!!!!」



 ビリカさんは子どもみたいに喚いている。それほど、ガイドさんが勇者インカに負けを認めた事が受け入れられなかったのだろう。大粒の涙を流しながら俯いている。

 しかし、そんな事を何一つ知らないネイチャルエデンは固まっている。そもそも顔の前に布が掛かっているので表情など見えないのだが、分かる。あれは固まっている。



(ガイド)「ビリカ……、私は……、……、……あの時は負けを認めた方が良かったんです」


(ビリカ)「嘘だ!!!どうせ!!!魔王が支配する世界より、人々が自由に生きられる世界の方が可愛い女の子が増えるとか言われて、それも良いなとか思ったんでしょ?!!」


(ガイド)「……うーん……」



 ないって言いなよ。ないって言ってよ。そんな事ないってさ。



(ビリカ)「そこはそんな事ないって言ってよ!!!!」



 全くもって同感だ。



(ガイド)「……、だけど一番の理由は……あの時が頃合いだったんです」


(ビリカ)「頃合いって何?!!私たちを捨てることに丁度良かったってこと?!!そんなに私達が嫌いだったの?!!!」



 ビリカさんって、チャラそうに見えたんだけどかなり重い人なんだな。人は見かけによらない。



(ガイド)「嫌い……そう思われても仕方ないかも知れませんね」



 話がややこしい。一体何を見せられているんだ?私たちは一体何をすれば良いんだ?



(ネイチャルエデン)「コホン……、お二人とも。少し落ち着いて下さい」


(ビリカ)「うるさい!!!死ね!!!!」



 ビリカさんがネイチャルエデンに視線を移した瞬間、ネイチャルエデンが爆発した。もう少し正確な表現をすると、ネイチャルエデンの立っていた地面が爆発して、その爆発にネイチャルエデンが巻き込まれた。

 辺り一面が飛び散った瓦礫や煙に包まれる。それはまだ良かったが、ある程度狭い空間で爆発が起こった。そのせいで一気に空気が薄くなり、息苦しくなった。



(ルース)「エイン、大丈夫ですか?」



 ルースちゃんは私の背中を摩り魔法をかけてくれた。どうやら呼吸補助の魔法のようだ。息苦しさが無くなる。



(エイン)「ありがとう……」



 私の息が整った事を確認してから、次はシェーラルカさんに魔法をかけ始めた。シェーラルカさんの息も落ち着き始めた時、いきなり突風が吹き荒れた。

 私は目を瞑りその風に身体が攫われないように全力で踏ん張る。風が止み、目を開けるとネイチャルエデンが爆発した場所から一歩も動く事なく、突っ立っていた。



(エイン)「ネイチャルエデン……」


(ビリカ)「……!!この……!」



 ビリカさんがガイドさんの手を振り切ってネイチャルエデンに向かい、一歩踏み出したところでビリカさんは気を失ったみたいだ。一体何が起こったか分からない。ただ目の前にある光景として、ネイチャルエデンが片手でビリカさんを抱き抱え、ガイドさんの前に立っている姿だ。



(ガイド)「……!?……、ビリカに一体何を……」



 ガイドさんですら何が起こった分かっていない様子だった。



(ネイチャルエデン)「……、この娘には真実を話してあげなさい。勇者インカより魔王の話は聞いています。……抉られ刺された傷口には破片が突き刺さり一生癒えることはない。しかし……、たとえ全てを取り除いてあげられなくとも、たった一欠片でも破片を取り除いてあげなさい」



 そう言ってネイチャルエデンは足元にゆっくりとビリカさんを降ろした。そして頭を撫でる。

 ネイチャルエデンからは敵対したいわけではないようだ。ただつっかかってきたから、お仕置きした程度だろう。たぶん。



(ガイド)「……、ビリカ」


(ネイチャルエデン)「……そしてお詫びに答えを。守護者とは……言葉通り、この世界の守護者です。神が創造せし世界の役割を持った稀有な生き物の1つ。それが守護者。とはいえ世界の役割を持った生き物など【破滅の王】と【守護者】しかいません。破滅を導く王に対抗する力として生まれた守護者が私という事です」


(ガイド)「破滅の王に対抗……?そんな事が可能なのですか?」



 ガイドさんは目を丸くしてネイチャルエデンを見つめる。2人の会話はよく分からないけど、とりあえず大事そうだから聴くことにする。



(ガイド)「……いえそれより世界の役割とはなんなのですか?勇者や魔王、それに神の伝道者は関係ないのですか?」


(ネイチャルエデン)「……、答えかねます」


(ガイド)「……、あの!もし本当に対抗し得る力なのなら!!ドラドロイを私たちと共に討伐して下さりませんか?!」


(ネイチャルエデン)「出来かねます」


(ガイド)「そ、それはなぜ?」


(ネイチャルエデン)「破滅の王が封印されているからです。守護者はあくまで対抗勢力。破滅の王が世界を滅ぼそうとしない限り、この世界の他の器に任せる事が通りだからです」


(ガイド)「い、言っている意味が……そ、それに破滅の王の封印は……」



 ガイドさんが無意識なのか、ネイチャルエデンの手首を掴んだ。その瞬間、ガイドさんは壁まで吹き飛ばされそのまま気を失い地面に横たわってしまった。

 あの強さしか取り柄のないガイドさんが何も出来ずに倒された。ネイチャルエデン、この人の強さは桁が外れている。



(エイン)「……!これ以上手は出さないでくれませんか?!」



 たとえ桁が外れた強さの相手でも仲間は守らなければいけない。だから、私はネイチャルエデンとガイドさんの間に入り、腕を広げた。



(ネイチャルエデン)「……、すみません。全くそういうつもりではなかったのですが……怖がらせてしまいましたか?」


(エイン)「うぃ……」



 私は急に頭を撫でられた。とても優しい撫で方だ。心地良い気分になる程の暖かさを感じる。



(ネイチャルエデン)「……ここに来たのは、ここらの秩序を乱すオークの気配が消えたので確認しに来ただけです。貴方達に危害を加えたかった訳ではありません。では、失礼いたします」



 ネイチャルエデンはいつの間にか武器を取り戦闘体勢に入っていたルースちゃんとシェーラルカさんにお辞儀してからこの場を後にした。

 ネイチャルエデンがいなくなってから緊張の糸が解け、私たちはまた地面に座り込む。



(エイン)「怒涛の展開すぎるぅ……」


お疲れ様です。

洋梨です。


ネイチャルエデンは本当に様子を見に来ただけです。オークがいたところで、(生きとるねぇ)くらいにしか思いません。

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