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勇者様ってなんですか!?  作者: 洋梨
第1章 勇者様の基礎
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第5話 少し勇気を出してみた

 初めて見る街は凄かった。まず家同士の感覚がかなり近い!私の村なんて家と家の間は30メートルは離れていたのに、この街の家と家の間は1メートルもなさそうだ!それに高い建物もいっぱいある。発展していると聞いていたけど、ここまでなんて!!すごい!すごい街だ!!

 私が街の様子を見てはしゃいでいると、街の人たちは怪訝そうな顔で私を見てきた。何か顔についているのだろうかと思ったけど、ガイドさんは特に何も言ってこないし、別にいいのかな?


……………


 私が街を一通り見た後、陽が落ちかけていたのでガイドさんと私はお風呂屋さんに来た。宿屋とは別のところにあるお風呂さんで、珍しいとの事だ。普通の宿にはお風呂が併設してあるらしい。今度の街はその併設しているところにしようかなと思う。

 

 湯船に浸かると、ギンギンな目をしたガイドさんが私の胸をめちゃめちゃ見てくる。それはもう盛大に見てくる。目玉が飛び出るんじゃないかというくらい見てくる。こういう人は出禁にして欲しい。



「……、す、少しだけです……よ?」


「え、え、え?何がです?」


「……、少しくらいなら、触っても今回は良いです……」


 勇気を振り絞ってそう言った。命の恩人だ。少しくらいの褒美をあげないといけない。私だって良いことしたらご褒美もらいたいもん。



「少しとは!!ぐ、具体的には?!どのくらいですか?!」



 そこまでは何も考えてなかった。どのくらいが良いんだろ?とりあえず10回くらいにしておこうかな?



「じゃあ、10回で」


「10回!10回とは!10回揉んでも良いということですか?!」


「え?えぇ、まぁ」


「や!!っっった!!!で、では!!失礼します!!」



 ガイドさんは私の後ろに周り胸に手を当ててきた。それよりも気になるのはその鼻息だ。ものすごい荒々しい息をしている。たくさん女を抱いてきたと言ってたけど嘘なんじゃないかと思えるほど。まぁ、別にそれは良いか。



「1……、あぁ♡いい♡この弾力♡スベスベモチモチそれでいて」


「え?!待って?!やめてやめて!!実況やめて?!恥ずかしいから!!」


「……、2……、あぁ♡あはぁ♡」



 あ、やめてくれた。続けるかと思ったのに。それは良かったけど。本当にスケベな人だな。後ろにいるから見えないけど、どう考えても恍惚の表情してるだろ。声と鼻息から絶対そうだ。


 ガイドさんはふと頭を背中にピタッとつけてきた。特に意味はないのだろう。「あはぁ♡」と言いながらまた揉んできたのだから。それでも私は少しドキッとした。いや違う違う!ドキッとなんかしてないはず!


 結局、10回揉まれるまでに20分くらいかかった。なので少しのぼせた。ただでさえ風呂上がりはポケ〜ってして頭が少し回らないのに、20分も浸かっていれば、その頭の回転の遅さは尋常ではない。私は、街にあったその辺の長い椅子に寝転がった。



「無理ぃ……死ぬぅ……」


「エインって、お風呂弱かったんですね」


「…‥、そうかも」


「あら素直。いいですね、素直なのは」


「否定しても何もならないですぅ……」



 私がずっとグッタリしていると、ガイドさんは何も言わずにずっと近くにいてくれた。夜風が気持ちいい。もうずっとこうしてたい。



「何か飲み物でも買ってきましょうか。その方が、落ち着きますかね?」


「リンゴジュースでおなしゃす……」


「もう……、そこ動かないでくださいね」


「はーい……」



 あぁ、夜空がなんて汚いんだ。星なんて5個くらいしか見えないぞ。少しこの街にいて分かったけど、この街は歪だ。何か悪い空気がする。父が気をつけろと言ったのはこういうことなのかな?

 

 とはいえ、悪い空気といっても村の空気が綺麗すぎてここの空気が悪く感じるだけかもしれないし。特別何が起きているわけでもないので、杞憂なのかな?



「離して!!離してください!!」



 ふと、誰かの悲鳴のような声が聞こえる。何があったのか気になって、身体を起こす。私の目に入ってきたのは、男の人が女の人の鞄を盗もうとしている所だった。


 私は咄嗟に剣を持ち、駆け寄ろうとする。しかしガイドさんに言われた事を一瞬だけ思い出し、足が止まった。


……………

 街に着いてすぐ


「良いですか?エイン、この街で無闇矢鱈に剣など振り回してはいけません。暴力も御法度です」


「え?ダメなんですか?」


「はい、あなたは驚くほどの世間知らずですからね。簡単に説明します。この先幾度と街に行く機会があるので、これからもその縛りがあると思って聞いてください」


「は、はい」


「国や街には法といった規律が存在します。あなたの村にもそれはありましたよね?」


「法……禁止事項みたいなものですか?それならありましたよ」


「平たくいえばそうですかね?まぁ、あなたの村は小さかったのでそれほど問題にはならなかったのでしょうが、本来この国では無意味な暴力は禁止されています。もちろんあなたの村もです」


「え?!殴ったりしたらダメだったんですか?!お父さんとかよく他人のこと殴ってた……」


「……、それは置いておいて。この国の法にはまず、『無闇に人間に危害を加えるべからず』という法があります。例外はあるみたいですが。その国の法の拘束力は村、街といった人の密集度合いが高くなるにつれ、高くなっていきます。仮に村で良かったことでも街では許されない事もあるのです。なので、街のことが分かるまでは大人しくしていてくださいね」


「なるほど、了解です!」


……………

そして現在


 つまり、剣を振るって男の人を傷つけようもんなら私の身が危ない可能性がある。されど、女の人を見捨てたら女の人が危ない。なら答えは出ている!


「ちょっと!そういうのはダメだよ!!」


 私が女の人の元へ駆け寄ろうとした時に向こうからもの凄い速さで誰かが走ってくる。誰か……すぐに分かった。ガイドさんだ。鬼の形相で走ってくる。何をするつもりなんだろ?



「可憐で美しい女性を傷つける人は許しません!!!」



 ガイドさんは大声を上げながら男の人に飛び蹴りをかました。男の人はビックリするくらいの勢いで私のところに飛んでくる。私はそれをギリギリかわせた。本当にギリギリだ。何考えてるんだあのドスケベはぁああ!!!


 私は一応男の人のところに安否確認しに行く。一応生きている。大丈夫そうだ。とりあえず病院に連れて行こうと思い、私は男の人を背負う。思ったより軽いんだなと感じた。


 私がガイドさん達のところまで戻ると、ガイドさんは女の人の手を取って、顔をこれでもかというくらいに近づけていた。



「どうですか?!私!!今晩空いてます!!」


「えぇっと?」


「もしかしたら傷があるかもですし!私こう見えて呪術師なので治してあげられます!!どうですか?!今宵は一緒に宿に?!」


「えぇっと、怪我は病院の方が……」


「私回復魔法得意です!!!!昔はお医者さんにも負けず劣らずの使い手だと言われていました!!」



あれはあれだな。多分、口説いているんだと思う。でも、女の人めちゃめちゃ顔ひきつってるし、欲望丸出しでまーったく成功する気配はないな。なんだ、ガイドさん下手なんだ。誘うの。ドスケベのくせに。マヌケ、バーカ。



「ガイドさん、相手の方困惑してますよ?」



とはいえ、女の人が困っているので私はすぐに声をかけることにした。



「あら、エイン。もう大丈夫ですか?まだ休んでいていいですよ?」


「いえ、もう宿に戻りましょう。疲れました」


「……そうですね。今日は大変でしたし……、どうですか?お姉さん、私とあの子と一緒に宿に」


「それはやめてください。お姉さん、気にしなくていいですよ。後はこっちでなんとかします」


「え、あぁ、すみません。では、私はこれで……」



 女の人はすぐさま何処かにかけていった。それが気に入らなかったのだろう。ガイドさんはジト目で私のことをずっと見てくる。ものすごいプレッシャーを感じる。なんで?



「あ、エイン。その人も助けたんですね」


「え?あぁ、まぁ。一応、人助けって勇者様もやっていたと書いてありましたし」


「なるほど。偉いですね」


「……ん、ありがとうございます」


「あら?今日はとことん素直ですね?」


「なんででしょうね?」



 自分でも何故か分からない。多分、普通に悪態はつける。でも、ガイドさんに褒められると心がくすぐられる。心底嬉しくなってしまう。助けられたからなのだろうか?命の恩人だからなのだろうか?



「エイン、ほら。リンゴジュースです。今日はこれを飲んでもう休みましょうか。明日からは仕事ですよ」


「仕事って何するんですか?」


 

 もらったリンゴジュースを一口だけ飲み、私はガイドさんに話しかける。ガイドさんは口元に指を1本立ててニヤニヤ笑った。



「それは明日のお楽しみです。その方は私が屯所にでも連れていきましょう。あなたは宿に戻って早く眠りなさい」



 男の人をガイドさんに渡し、私は宿に戻ってきた。明日から仕事か。何するんだろ?とりあえず、もう寝よう。

お疲れ様です。

洋梨です。


エインは意外とガイドのことを、

『まぁ、ドスケベだけど悪い人じゃないしな』くらいには思っています。


つまりそこまで嫌いじゃありません。

『気に入らないな』くらいです。


ギャグにしたいのに、考えている話がどう考えてもギャグの方向に行きません。メインの合間にギャグを入れるような形になりますが、ギャグにしようとすると性格悪くなるので、困ってます。


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