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勇者様ってなんですか!?  作者: 洋梨
第2章 自然都市と守護者の宴
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第40話 オークにもある知性

 ガイドさんが転移門を構築し終わった時にはもう日は暮れていて祭りの明かりも消えていた。何故か私もつけられたのだけど。

 その間にシェーラルカさんはかなり落ち着き、眠りにつく事ができているみたいで、かなりの時間を眠る事ができている。ルースちゃんも英気を養う為に眠っていた。その代わりに私が起きている。



(ガイド)「ふぅ……完成しました。これで完璧です」


(エイン)「お疲れ様!」


(ガイド)「時間がかかりました。やはり生き物に転移門をくっ付けると少しばかり大変ですね……」


(エイン)「生き物にくっつける?」


(ガイド)「はい。転移門を構築する場合は場所を指定するのですが、この部屋の扉の様にその場から動かない物に構築する事は簡単なんです」



 そう言いながら、ガイドさんは扉をコンコンと叩く。そして話を続けた。



(ガイド)「しかし、それが動くものつまりは生き物は難しいんですよ。生き物にくっ付ける場合は必ずその生き物の魔力に転移門をくっ付ける事になります。ただ魔力の流れは止まる事がないので、ただくっ付けるだけなら永遠と流れ続けてしまって、繋げたい時に繋げにくいんですよ。その為に転移門が動かないように場所を指定するのですが、これが骨で……」



 何やらよくわからないけど、とにかく難しいのだろう。私はともかく、ルースちゃんと比較してもガイドさんの魔法は優れている。そのガイドさんがここまで言うのだから、相当だ。私には想像も付かない。



(エイン)「でも出来たんだよね?なら早く行かないと」


(ガイド)「そうですね。少し嫌な予感もしますし……エインもついて来ていただけますか?」


(エイン)「え?私も?」


(ガイド)「はい。でも街からは出なくて大丈夫です。街中で何かあれば対処してもらいたいだけなので」


(エイン)「分かった!」


(シェーラルカ)「なら、早く行きたい……」



 シェーラルカさんが起き上がってきた。少し目が澱んでいる。あまり良くない夢でも見てしまったのだろうか。



(ルース)「私も準備万端なのですぐに出発可能です」


(エイン)「おわ!いつの間に?!」



 さっきまで眠っていたのに!!



(ガイド)「では早速いきましょうか」



………


 私はガイドさんたちからなるべく離されないように全力疾走で街を駆けているが、それでもどんどん距離を離されている。ただそれでも私がガイドさん達を見失わない様にある程度の速度は守ってくれているようだ。不甲斐ない。


 私が『今度夜に出る時は皆んなで星を観るために出たいな』なんて考えていると、微かに声が聞こえた。今にも事切れそうな声が。私は立ち止まり『ちょっと待って』と合図を送ってから、声がした方に向かって歩みを進める。走ってしまうと足音でかき消されそうな程のか細い息の音。静かに歩みを進めて、声のする方へどんどん近づいていく。


(エイン)「この辺かな?一体誰だろ……ツァービさん?!!」



 私は街灯の下で倒れているツァービさんを見つけた。慌ててツァービさんに駆け寄る。ツァービさんは全身アザだらけで、身包みが剥がされている。それより何よりも、近づいて余計に感ずる今にも死んでしまいそうな息の弱さ。

 


(エイン)「ガイドさん!!!!ガイドさーん!!!!!」


(ガイド)「エイン!!!……」



 ガイドさんが急に後ろから現れて、ツァービさんの首に手を当てる。そして少し目が光った。



(ガイド)「……まだ助けられます……!間に合います!」


(シェーラルカ)「おーい!!何やってんだ?!早くしな……ツァービ!!!???!」


(ガイド)「揺らさないで!!!」



 シェーラルカさんも慌てて駆け寄ってきた。勢い余ってツァービさんの肩を持とうとしたところをガイドさんに止められる。シェーラルカは少しビクッとしてその場で正座した。



(シェーラルカ)「なん」


(ガイド)「今は【死んでいないだけマシ】だと思いなさい。必ず助かりますから……!」


(シェーラルカ)「……!……分かった……」



 何か微かに気配がする。私たち以外の気配が。

 私が少し当たりを探るように頭を傾けていると、ルースちゃんが隣まで来て小声で話しかけてきた。



(ルース)「……、魔力探知に引っ掛かりました。半径50メートル以内に10体、魔族の気配です」


(エイン)「オーク?」


(ルース)「おそらく。しかし断言は出来ません」


(エイン)「ガイドさんは手が離せないから、私たちが応戦するしかないけど……シェーラルカさんを今ここから離すのは得策じゃない気がする。2人で何とかしたいけど、出来ると思う?」


(ルース)「出来ると思います。魔力探知で捉えた限りでは、エインでも勝てるほどのオークです。あ、……少しずつではありますが……こちらへ近づいてきています。なるべく早く対処した方が良いですね。手分けをして攻撃しましょうか?」


(エイン)「……真っ向から対峙する人と後ろから奇襲をかける人に分けよう。2対1で早く早くで対処したい。出来るかな?」


(ルース)「……、半分は出来ます。残り半分は寄り合っているので難しそうですね。最初の5対だけエインの言う通りに対処しましょう」


(エイン)「分かった。なら私が前から行くからルースちゃんが後ろから行ってね」


(ルース)「承知しました」



 そんなこんなでとりあえず5体のオークは倒した。



(エイン)「ふぃー……何とか……」


(ルース)「後5体……、まだ寄り合っていますが……全く動く気配がありませんね」


(エイン)「気付かれていないって事だよね?騒がしくしなかったのが良かったのかな?」


(ルース)「そうだと思います。うーむ……」


(エイン)「どうしたの?」


(ルース)「何のためにここにいるのかと思いまして……」


(エイン)「オークがって事?確かに」


(ルース)「とりあえず他の5体の所にいきましょうか」


(エイン)「うん」



 私とルースちゃんは建物の上に登り、屋根傳にオークの固まっているところまで来た。上から覗くと確かにオークが5体で身を寄せ合っている。5体のオークは全員向かい合い、腕を組みながら胡座をかいていた。



(エイン)「何あれ?」


(ルース)「何でしょう?ん、何か聞こえますね?」



 私とルースちゃんは聞き耳を立てる。



(オーク1)「いやぁ、アレを餌に他のメスを攫って来いって無茶なこと言うよなぁ。こんな時間におかしいじゃん。それにさ、きたのアレじゃん、無理じゃん」


(オーク2)「確かに無理だな」


(オーク3)「帰ろうか」


(オーク4)「だな」


(オーク5)「だが、そうなるとボスに俺らが殺されちまう。何としても土産は手に入れねば」


(オーク3)「とは言ってもな。全員無駄死にだけは避けたいだろう?他の奴らも呼んだ方がいいか?」


(オーク2)「そうだな。てかさ、最初に来たあのちっこいのどこいった?アイツなら攫っていけそうなのにな」


(オーク1)「おぉう。確かに。アイツを土産にするか!」



 オークが好き勝手ばっかり言っているので、私は魔力を使い剣に風を纏わせる。そして剣を振る構えをとり、屋根から飛び降り、オークの前に立った。



(エイン)「鳶玉(とびだま)檸檬(れもん)!!!!」


(オーク達)「どぅわはぁ!!!!」



 オークは奇怪な声を上げながら少しだけ後ろに飛ばされる。



(ルース)「エイン!!後先考えて行動して下さい!!風切風見鶏(エオリアンアクロバット)!!!」



 ルースちゃんがオーク達の後ろから猛スピードで突っ込んできた。軽く跳んで空中で身体を巧みに動かして全てのオークの首を跳ね飛ばし、カッコよくポーズを決める。



(エイン)「おぉ!カッコいい!!」



 私は思わず拍手をした。



(ルース)「え?そ、そうですか?えへへ、そんな……えへへ」


(エイン)「……、戻ろっか」


(ルース)「あ、はい」


お疲れ様です。

洋梨です。


この世界では種族値としては鬼人>オークなんです。

ちなみに、この作品の序盤で魔力を持つ生物は魔力が流れていて、その魔力の流れの中に魔力の源泉がある。そしてその源泉も流れているから見つける事はほぼ不可能。という設定が出ています。

ガイドさんはそんな魔力の源泉と骨を魔力で結びつけて、その骨と自分の魔力を結びつける事で、転移門を開く時に魔力の源泉を辿り、魔力の源泉から開くようにしています。つまり、すごい事を回りくどい感じで行ってます。

別に骨にだけくっつけても転移門は発動するのですが……、その場合はその骨の部分、足なら足に転移門が発動するので使い勝手が少し悪いんです。はい。

追伸

普通に設定間違ってました。魔力の厳選は流れていません。まぁ、どの道魔力の流れに流されないように別の流れのない場所に魔力をつなげるので結果は変わらない

という事にします

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