閑話3 レインと母
これはレインがまだ小さかった頃のお話。
(レイン)「僕はレインヴァースの人間を【母】とは認めない」
(ヴィーナス)「そっか。じゃあ、認められるように頑張りますね!」
これがレインと彼の母となったヴィーナスが交わした最初の言葉だった。
……………
とある日にレインとルインの母は亡くなった。若くして亡くなった彼女には最愛の2人の息子たちがいて、その子達には寂しい思いをさせる結果になってしまったのだ。レイン達に母がいない日が少しだけ続いた後、突如として王つまりレイン達の父はヴィーナスとの婚約を発表した。
レインが6歳、ルインが4歳の頃である。
この時、ルインは母のいない寂しさからかかなり喜んだ反応を見せていたが、レインはその反応とは真逆の拒絶した反応を示した。王は王で思惑があり、それに加えてレインが拒絶する事も予想の範疇を超えなかった。故に婚儀は予定通り行われ、ヴィーナスは王妃、そしてレイン達の母となった。しかし、レインはそれを良しとせず、ヴィーナスが王妃となった後も拒絶した反応を続けていた。
しかし何故、齢わずか6の子どもにそこまでの拒否反応が起こるのか、それはレインがノルヴァルタスに血筋という事が大きい。
ノルヴァルタスは『力そして強さこそ全ての完全実力主義』の血筋。周りのノルヴァルタスがそうであるように、幼きレインもまた【強さこそが正義】だと思っていた。だから、非力で弱いレインヴァースの血筋が自分の中に入る事が許せなかったのだ。
(レイン)「ルイン、ヴィーナス様はレインヴァースの人間だ。心を許したら弱くなる。いくら形の上で僕らの母親になろうと、心だけは許すな」
レインとルインが城の廊下で壁にもたれながら会話をしている。
(ルイン)「あ、兄上……!で、でも……ヴィーナス様はとてもいい人で……」
甘えたい盛りのルインだ。ノルヴァルタスの血筋と考えはある程度は持っていたとしても、母がやってきてくれた事の喜びの方が大きい。ルインはヴィーナスが母になると決まった時点でヴィーナスに心を開いていた。
(レイン)「……、良い人なんて何の価値もない。この世は強さが全てだぞ」
(ルイン)「兄上……、兄上はヴィーナス様が嫌いなの?」
(レイン)「……あぁ、その通りだ」
(ルイン)「そ、そんな……強さが全てなのは僕も分かるよ……でも……」
(ヴィーナス)「あら?レイン、ルイン、こんなところでどうしたんですか?」
レインとルインの前にヴィーナスが現れた。優しい笑顔でレイン達の名前を呼ぶ。今この瞬間までは【顔は知っているが話した事はない】、お互いにその程度の関係性だった。
しかしヴィーナスは敢えて、幼い彼らに対し最初から母親らしく振る舞う事にした。
(ルイン)「は、母上様!!!」
(ヴィーナス)「ふふ、はい。母上です。此処で何していたんです?お話?」
その時レインはその場から離れていく。不思議に思ったヴィーナスは「レイン」と一言だけ声をかけた。
(レイン)「僕はレインヴァースの人間を【母】とは認めない」
(ヴィーナス)「そっか。じゃあ、認められるように頑張りますね!」
(レイン)「……、下らない」
レインは歩みを止める事なくヴィーナスの前から姿を消した。ヴィーナスは少しだけ悲しそうな目をしながら、少しだけ首が前に倒れる。
(ルイン)「は、母上様?」
(ヴィーナス)「あ、ごめんなさい。……、ルインは私のこと母上様って言ってくれるんですか?」
ヴィーナスは両膝を地面につけてルインと同じくらいかそれよりも少し目線を下げたところまで持ってきた。そしてにこやかにルインに言葉をかける。
(ルイン)「う、うん。僕は母上様って覚えてないし……ヴィーナス様が悪い人とも思えないから……母上様が来てくれてすごく嬉しいよ!」
(ヴィーナス)「……、そっか!ありがとう!!」
それからというもの、ヴィーナスはレインに話しかけては無視され、話しかけては無視されての生活を毎日のように続けた。
その他、ヴィーナスは茂みの陰から急に現れたり、庭の池から突如顔を出したりと奇抜な事を延々とやり続けたが、レインは全く反応しなかった。ルインはヴィーナスが何かする度に驚いたのだが。
そんなこんなで時が進み、レインとヴィーナスの関係が何一つとして縮まっていない最中、レインが齢7つの時にヴィーナスは新たな命を身籠った。
身籠ったにも関わらず、ヴィーナスからレインへのアプローチは止まなかった。無茶な事はしなくなったが、レインに付き纏う姿はもはやストーカーと言っても良いくらいのものだった。レインはそんなヴィーナスを見て引いていた。7つのレインですら困惑するほど、ヴィーナスは異常な振る舞いを見せていたのだ。
そんなある日
(ヴィーナス)「レイン!おはようございます!」
ヴィーナスは一階にあるレインの部屋の小窓から顔を出して挨拶をした。
(レイン)「ヴィーナス様、おはようございます」
本を読んでいたレインはヴィーナスを一瞥する事なく、返事を返す。
そんなレインをヴィーナスは静かに見ていた。流石に気不味くなったのか、レインは立ち上がり部屋から出て行こうとする。
(ヴィーナス)「あ!待って!」
(レイン)「……、ヴィーナス様。僕は貴方を『別の意味では尊敬しています』。それが僕の思う強さには当てはまらなかった。ただそれだけの事です。それに貴方は現在新しい命を守る義務があるでしょう。僕に付きまとうのはやめて頂きたい」
そう言ってすぐにレインは部屋から出ていった。
(ヴィーナス)「しっかりした子……さすが……あなたの子ね。'ガーネット'」
レインは部屋から出た後、廊下を真っ直ぐに進み、歩いていた。特にどこに向かうわけでもなくただひたすらに真っ直ぐに歩いていた。
ある程度進んだ先の交差している廊下で急にルインが飛び出して来た。レインはぶつかりそうになるが何とか避ける。ルインも避けようとしたが故にその反動で身体が傾き転んでしまった。
(レイン)「何をやっているんだ……ルイン」
レインはルインのそばにより、膝を地面に落とす。弟を見る優しい目がルインの無邪気な目と交差した。
(ルイン)「あ、兄上!聞いてよ!'ミルバート'がさ!」
(レイン)「またか」
(ルイン)「違うんだよ!今回はグルエルも一緒に遊んでたんだ!」
(レイン)「いつもの事じゃないか……、ところでその2人は何処にいるんだ?」
(ルイン)「……あれ?どこ行ったんだろ?探してくるね!」
(レイン)「……、走り回ると危ないから程々にしておけよ」
(ルイン)「うん!」
レインは走っていくルインを見て、少し息を落とした後、立ち上がった。その後ろからヴィーナスが『わ!』と言ってレインを驚かそうとするが、その企みに気がついていたレインは何一つ驚かなかった。
(ヴィーナス)「レインは遊んでこなくて良いんですか?」
(レイン)「僕は鍛錬がありますから」
(ヴィーナス)「鍛錬……、いつも頑張ってますね」
(レイン)「えぇまぁ。【ノルヴァルタス】なので」
(ヴィーナス)「……、ねぇ、レイン。お散歩しませんか?」
(レイン)「……?僕は今鍛錬があると」
(ヴィーナス)「私はレインヴァースだし身重だし、もし誰かに襲われたら抵抗出来ないかも。『ノルヴァルタスは強くて逞しい』から守って欲しいな。なんて言ってみたりして!」
(レイン)「……、少しだけですよ」
(ヴィーナス)「!ありがとう!」
そうしてレインとヴィーナスは一緒に散歩していた。とは言っても王宮内の庭で特に危険もない平和な世界だ。足の近くに咲く花やレインを愛おしそうに見つめるヴィーナスに対し、少し不満げなレイン。
ただ、心の底から嫌がっているわけでもないような振る舞いだった。
(ヴィーナス)「ふぅ。少し疲れましたね。この辺に座りませんか?」
(レイン)「(ここには危険もないしいいか)……、分かりました」
レインとヴィーナスはその場に腰を落ち着けた。
(ヴィーナス)「レイン、……レインヴァースは嫌いですか?」
唐突になんて事を言い出すんだと言わんばかりの顔をしたレインだったが、ヴィーナスの目があまりに真剣だったので、レインは嘘をつかないように話し始めた。
(レイン)「……、嫌いというわけではありません。同じ王族として誇りにすら思います。回復魔法を自在に操り人や魔物を癒す。……僕たちノルヴァルタスには出来ない魔法の境地……それなのに……」
(ヴィーナス)「それなのに?」
(レイン)「……、強さに屈していつも怯えている。そんなノルヴァルタスよりも非力で心までも弱いレインヴァースが……、僕は気に入らない」
(ヴィーナス)「レイン……、でもね、レインヴァースには」
ヴィーナスが口を開き始めた直後、茂みからガサガサと音が聞こえた。レインはすかさず剣を取りヴィーナスと音の主の間に入る。ヴィーナスとレインは茂みの方を見続けた。すると、その茂みの中からゆっくりと大きな熊みたいな魔物が現れる。
(レイン)「町熊!?」
町熊、魔物の中でも大した強さの位置付けにはいない。相応の者が居れば身の安全も簡単に保障される程度の魔物である。しかし、今この場にはレインとヴィーナスしかいなかった。庭で2人で話したいと、近衛兵をヴィーナスが遠ざけたのだ。近衛兵も庭なら安心だろうとヴィーナスの命に従う事にした。
故の2人だ。いくらレインが強さこそ正義のノルヴァルタスの血筋で、日々鍛錬を積んでいたとしても、たかが7つの子ども。高く見積もったところで城にいる近衛兵の足元程度の強さしかない。町熊に対応出来るようになるまでには後、1年はかかるであろう程度だ。
つまるところ、ピンチである。
(レイン)「(ここには僕とヴィーナス様だけ……!それにヴィーナス様のお腹には新しい命が……!!ここは僕が立ち向かうしかない……!!)」
レインは町熊に剣を向けたまま、ジリジリと近づいていく。町熊も警戒してレインに対し威嚇をした。
その威嚇に対し、レインは怖気付く。足が震え、手も震えている。大人でも逃げたくなるような威嚇だ。この世に生まれてからわずかな時しか流れていないレインに怖がるなという方が無理な話である。
しかし恐怖して尚、レインはその場から離れなかった。だが、離れないだけで剣を持つ手も、機動力である足も、身体全てが硬直してしまっていた。つまるところ、離れないというよりも離れられないと言った方が正しいのかもしれない。
(レイン)「(怖い……怖い……!……でも……!!)」
ガタガタ震える身体を前に押し出し、町熊に対し剣を向け続ける。町熊も依然警戒態勢を解かない。
双方とも警戒態勢、少し時間を置いてから町熊は唸りそして大きく鳴いた。幼きレインに耐え切れるようなものではない威圧感。それが空気に響いた音と共にレインを動けなくする。
(レイン)「(ダ、ダメだ……僕は……僕は……)」
町熊が振りかぶった後、右腕をレイン目掛けて振った。レインは何も出来ずに目を瞑ってしまった。
ドサッという音に目を開け、辺りを見渡すとレインの直ぐ近くにヴィーナスが倒れていた。右の肩から腕にかけての深い爪痕。幼きレインですらひと目見てわかる。自分を庇ってヴィーナスが怪我を負わされたのだと。
(レイン)「ヴィーナス様……!!ヴィーナス様!!!」
(ヴィーナス)「……、大丈夫ですよ……、こんなのは擦り傷です……」
抉られた肩から流れ出る大量の血が、ヴィーナスの言う事を否定する。ただそれでも、ヴィーナスの瞳から輝きが消える事はない。
されど、そんな事は町熊には関係のない事。急に間に入ってきたヴィーナスに対し、少し警戒はしているものの今にも襲いかかってきそうな空気だった。
(レイン)「(ぼ、僕のせいだ……僕が……僕が……僕が頑張らなきゃいけないのに……!また僕は……!!)」
レインが思い出すのは過去の事。ある日母に言われたその言葉。思い出される微かな記憶の断片。
レイン回想ーーー
(ガーネット)「毎日欠かさず鍛錬か、レインは偉いな。お母さん誇りに思うよ」
(レイン)「父上が言ってたんだ!ノルヴァルタスは強くないといけないって!強くある為にノルヴァルタスはいるんだって!」
(ガーネット)「……、なぁ、レイン。強さってなんだと思う?」
(レイン)「……、誰にも負けない事?」
(ガーネット)「確かにそれも強さだ。負けない事は強い事の証左でもある。でもね、レイン。強さには種類がある」
(レイン)「種類?強さはたくさんあるって事?」
(ガーネット)「その通り!……力が強い事だけが全てじゃないんだよ。レイン、君にもいつか分かる時が来る。だからそれまではお母さんが守ってあげるよ。約束する」
それから数日、
(レイン)「母上!!母上!!!」
(ガーネット)「……、まさか城の近くに'屍蜘蛛'がいたとはね……」
(レイン)「……ごめんなさい!!僕のせいだ……!!僕のせいで……!!」
(ガーネット)「レイン、気にしなくていい……子を守るのは親の務めだ……私は君を守れて幸せだよ……君が、君たちが生きてくれる事が何より幸せだ……」
(レイン)「母上……!」
(ガーネット)「……、約束守ってあげられなくてごめんね……、最後に一つ……レイン……、いつかきっと……、今よりずっと強い人になってね……」
(レイン)「母上……!!母上……!!うぅ……!!」
(ガーネット)「すみません……、先立つ事をお許しください……あなた……」
(王)「あぁ……、いつかまた会おう……」
ルインの泣く声が聞こえる。
(レイン)「(僕は……!!僕は……!!僕は強くならないといけない……!!!!!)」
レイン回想終了―――
(レイン)「(また……!あの時とまた同じ……!僕は強くならないといけないのに……!!強くなったはずなのに……!!)」
(ヴィーナス)「……レイン、怖い事は恥で有りません」
肩の傷を癒しながらヴィーナスはレインに声を掛ける。ヴィーナスの傷が治っていく様子に町熊は警戒して後退る。ヴィーナスと町熊、双方とも相手の出方を伺っている。
(レイン)「ヴィーナス様……」
(ヴィーナス)「誰だって……自分より強いものには畏怖し身を竦ませる。それでも尚、立ち上がって見せる。それが出来ているのなら……一人前です……でも……、あなたはまだ子ども。一人前になる必要はまだありません……」
ヴィーナスは立ち上がり、拳を作り前に構える。ヴィーナス、いやそもそもレインヴァースの人間に武術の心得など無い。それでも、ヴィーナスは町熊に対して挑むような構えをとった。
(ヴィーナス)「だってそれは、【大人の仕事】」
(レイン)「……!ダメです……!ヴィーナス様!!無謀です……!勝てるわけがない……!!それに何故あなたが僕なんかのために!!」
(ヴィーナス)「なぜあなたを?……、それは……私があなた達の母だからです……!!」
(レイン)「……!!」
町熊はここで威嚇して来た。ヴィーナスは怯む事なくその場から離れない。町熊はヴィーナスに向かい飛びかかる。当然ヴィーナスは町熊の攻撃に対して反応が遅れる。しかしヴィーナスに町熊の爪は届かなかった。町熊の爪をレインが剣で受け止めたのだ。だが、力及ばず。レインは町熊にふっ飛ばされる。
(レイン)「(違う……!違うんだ……!!僕が欲しいのは……!!レインヴァースを見下す為でも!!ノルヴァルタスに誇りを持つ為でも!!そんなものはいらないんだ……!!僕が……!僕が欲しかったのは……!!誰かを守ってあげられるような強さ……!!母上を守れるような強さだ……!!!)……今ここで……!!やらなきゃいけないんだ……!!!」
レインは深呼吸してから立ち上がり急いでヴィーナスと町熊の間に入る。町熊は攻撃しても立ち上がってくるこの二人に対して、少しだけだが腰が引けている様子だった。
(レイン)「僕は……!僕は二度と!!家族は失わない!!!」
(ヴィーナス)「……!!、レイン……」
キンッと甲高い音がした。その音の方から聞こえてくるのは近衛兵達の足音複数。町熊は近衛兵達が走ってくる様子を見て逃亡。レインは安堵し、膝を地面につけた。それはヴィーナスも同様で、二人して近衛兵に御ぶられながら城の中に入っていた。
そんな事があってからというもの、レインはヴィーナスに対して少し接し方が変わったようで。
(レイン)「は、ははぁ、今日はいい天気ですねヴィーナス様」
(レイン)「は、はー、今日も素晴らしい一日ですねヴィーナス様」
と言った感じで、ヴィーナスの名前を呼ぶ前に『は』という文字を入れるようになったのだ。意図も意味も、誰も彼もに筒抜けで早く読んでしまえば良いその言葉を、レインはなかなか呼べずにいた。それがおかしかったのか、嬉しいのか、ヴィーナスは良くクスクスと笑いながらレインと話している。
中々呼べずにいたそんなある日、ヴィーナスと王の子ども、レインとルインの妹が生まれた。名をルース・ノルヴァルタス。桃色の髪をした子だった。
(ルイン)「ルース!こんにちは!!」
(レイン)「ルイン、ルースはまだ眠っているのだから静かにしなさい」
(ヴィーナス)「ふふ」
ヴィーナスの腕に抱かれた小さな小さな新たな命。かけがえの無い自分たちの新しい家族。レインとルインはあまり表には出さなかったもののかなり喜んでいた。その喜びもヴィーナスの前だけでは爆発させている。
(ルイン)「小さいなぁ、ぷにぷに」
ルインがルースの頬っぺたを優しくつつく。ルースは少しだけぐずったがまた直ぐに眠ってしまった。
(ヴィーナス)「……レインも触ってあげて?」
(レイン)「僕が?」
(ヴィーナス)「うん、お兄ちゃんでしょ?ルインはいっぱい触ってくれるのにねー?ルース?」
(ルイン)「そうだよ!兄上!ルースはぷにぷにでかわいいから!」
(レイン)「……なら少しだけ」
レインは今この時初めてルースの指先に自身の指先を触れさせた。今まであまりに小さく少し触れただけで壊れてしまいそうな儚い存在を、自分が触れてしまっては壊れてしまうかもしれないと思っていた。
(レイン)「おぉ……!確かにかわいい……!」
指先と指先を触れ合わせた瞬間、ルースの手がレインの指を掴んだ。ただただ弱く儚く、簡単に振り解けてしまえる小さな力がそれでも目一杯強くレインの指を握り締めた。
(レイン)「(本当に……小さくて……弱い……、この子は強くなれ……いやそうか、そうだな……この子はきっと強くなる……僕はこの子の兄だから……それまでは……)」
レインがヴィーナスを見て口を開く。
(レイン)「【母上】、この子はきっと強くなる。貴方の子どもだ、間違いない。でも、きっと強くなれる時までは僕が兄として守ってみせるよ。こんな弱い僕でもきっと、守ってみせる。約束する」
(ルイン)「あ!僕も!!僕も守る!!兄上!!!」
(ヴィーナス)「そう……そう……!!良かったねルース!!お兄ちゃんたち!!守ってくれるって!!安心だね!!!私もきちんと母としてあなたたちを支えてみせるから!!お互い頑張ろう!」
……………
時は進み現在
レインは自室で本を読んでいた。少し疲れて本を顔の上に載せて目を瞑りながら休んでいる。そこにヴィーナスがお茶を入れてやって来た。
(ヴィーナス)「お疲れですか?」
(レイン)「母上……、いえ……、少し昔の夢を見ていまして……」
(ヴィーナス)「昔の?」
(レイン)「……、貴方と会った時の夢を」
(ヴィーナス)「まぁ!ふふ、あの時はレインもまだ所謂クソガキ?でしたね」
(レイン)「その様な乱暴な言葉はお控え下さいと何度も……」
(ヴィーナス)「あら!すみません!ルインの持っている本が読み易くて面白いのでつい、言葉って影響されやすいですね」
(レイン)「……、本当に。……、言葉とは不思議なもので……母ガーネットから頂いた言葉の情景は忘れているのに……言葉だけは鮮明に憶えていて……」
(ヴィーナス)「……そんなものですよ」
(レイン)「……、私は約束を果たせましたか?」
(ヴィーナス)「……、立派に」
(レイン)「なら……良かったです……」
二人の会話の途中に喧騒が聞こえてきた。ミルバートとルインの声だ。
(ルイン)「止まれつってんだろ!!ミルバート!!」
(ミルバート)「誰が止まるものか!!」
(レイン)「またあいつらは……止めてきます」
(ヴィーナス)「ほどほどにね?」
(レイン)「はい」
お疲れ様です。
洋梨です。
歌詞を考えるとか言いながら更新を止めてはや半年以上、何一つ思いつかないので、歌詞がある体で物語を書き溜めてます。歌詞がある事が重要で歌詞の中身はさほど大して意味はない感じにしています。
近々更新するかも?




