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勇者様ってなんですか!?  作者: 洋梨
第1章 勇者様の基礎
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第10話 関係性

 その日の夜、私はヘトヘトになって宿に帰ってきた。すぐに横になろうかとも思ったけど、汗でベタベタになっているから気持ち悪いし、お風呂屋さんに行く事にした。ガイドさんも宿に戻って来ていたけど、何やら本を読んでいるし、私の事は気にしていないみたいだ。

 なので私は1人でお風呂屋さんに行く事にする。



「エイン、待ちなさい」



 用意も済んでそそくさと部屋から出て行こうとする私をガイドさんは止めた。



「何ですか?」


「かなり疲れていますよね?やめておいた方がいいのでは?」


「嫌です。汗かいて気持ち悪いし、気持ちよく眠れません」


「汗なら拭いてあげますよ。どうしても行きたいなら私も行きます」


「……、ドスケベ」


「いや!!違います!!!今日は違いますから!!!」


「……まぁ、約束ですし。いいですよ、一緒に行きましょう」


「はい。私も用意するので少し待ってください」


「はーい」



 その後、私とガイドさんは一緒にお風呂屋まで歩いている。明日からルースちゃんと特訓するという話をしたら嬉しそうにして「それは良かったですね」と言ってくれた。その間何するか訊いたら、その辺でも歩いていると言ってた。

 

 お風呂屋さんに着いた後は、まず身体を洗ってから湯船に浸かる。ここではそういう風にするというマナーらしい。お風呂の香りは木の香りで心地が良い。

 はぁ……気持ちいぃ………………………、



「エイン、エイン、もう上がりましょうか?」



 ガイドさんは私を揺さぶっている。



「???ふぁ……あれ……寝てました?」


「はい。もう10分は浸かっていますし身体も十分温まったでしょう。今日はもう帰ってすぐに寝なさい」


「……はい」



 その後すぐにお風呂から上がって私はフラフラと夜道を歩く。横にはガイドさんがいる。



「エイン、おんぶしてあげます」



 ガイドさんが少し前に行き、しゃがみ込んで背中を見せて来た。私は遠慮なくガイドさんに体重をかける。



「お願い……します……」


「……明日からはおそらくもっと厳しくなりますよ。ルース・ノルヴァルタス、あの子は……本物の勇者様候補です」


「本物……?候補……?」



 ダメだ……眠たくて頭が回らない……あぁ……ごめんなさい……ガイドさん……おやすみなさい…………



……………


…………、もう朝だ。身体中がバキバキに痛い。これが筋肉痛というやつか。ふ、私もついに限界を超えたか。



「ほら、エイン。起きなさい」



 ガイドさんが部屋のカーテンを開け、私に日差しが差し込む。かわいい私にとって、これは神の演出とも言える。それはそうと、私は言われるがまま起きようとするが、軽くは起き上がれない。



「うおぉ……!!!」



 やっとのことで身体を持ち上げた。よろよろとその辺を歩いてみるが身体が痛い。

 痛い……


「……、意外、音を上げませんね」


「え?ね?」


「私の見ていた1ヶ月くらいは事あるごとに『もうやだぁ!!!今日はお休みする!!!』って言ってましたよ。今日もてっきり今日は休むとすぐに言うかと思ってましたが……杞憂でしたね」


「……、ちゃんと頑張ります。弱音は吐かないと決めたんです」



 ガイドさんはその時私を優しく抱きしめて来た。そして頭を撫でてくる。

 ふあああああああ!!!!!!!



「ななななななな、なにするんですか!?」


「何そんなに驚いているんですか?……、弱音くらい吐きなさい。受け止めてあげますから」


「……、うぅ……、悔しいです……勇者様を目指して……まだ……1ヶ月ちょっと……しか……経ってないけど…………ルースちゃんに…………手も足も出なくて…………」


「それは当然ですね。あの子には才能もあれば、冒険者としても先輩で、実戦経験も豊富でしょう。まだまだ、あなたに足りない『経験の力』があの子にはたくさんあるという事です。でもね、エイン。そんなあの子と一緒に特訓できるんです。色々と胸を貸してもらいなさい。絶対に強くなれます」


「……はい!頑張ります!!」


……………


 私は朝に訓練場まで来た。特に早朝とか昼近くとかでもなく、朝の時間帯だ。結構早く来たつもりだったけど、ルースちゃんは既に汗だくになっていた。



「あ、エイン。すみません、そういえば時間決めていませんでしたね」


「いつからいたの?」



 私は柔軟を始める。まずは腕の柔軟だ。



「そうですねぇ……おおよそ、2時間前ほどから」


「2時間?!」


「あ、すみません。そう驚くほどのものでは……今日は朝早くから会議がありまして……、それが終わった時間が2時間前なのです。ものはついでにと」


「ふーん、大変なんだ」


「えぇ、いつもはエインと同じこのくらいの時間から始めてます」



 ルースちゃんは剣を鞘に収めて私のそばまで来る。



「……本当?」


「本当ですよ。ギルドがそもそも開いてませんからね。街中で剣を振るうのは御法度ですから」



 ギルドが開いてないのは少し語弊がある。ギルドの訓練場が空いてないだけで、ギルド自体は昼夜問わずずっと開いてる。でも、夜にギルドに来る人は稀であるとガイドさんに聞いた。本当かどうかは分からないけど。夜の街は彷徨かないようにしてるから。



「街中で……、街から出たら大丈夫?」


「お勧めしませんね。夜はただでさえ目が効かない為に情報が限られます。その上、何やら昼には出ないと言われている魔物が現れるらしいですよ」


「やっぱり危ないんだ?」


「ええ。それでも何かしたいのであれば、街中で走ったり筋力トレーニングをしたりと、体力および身体づくりに励んでください」


「……分かった。頑張る」


「良い返事です。では今日も柔軟から始めましょうか。目標は足180°を軽々出来るようになる事です」

 


 私はその場に座り、足を開く。ルースちゃんは私の後ろから足を引っ張り、足をさらに開いていく。



「痛いぃ……!!」


「……、あと少し頑張りましょう」

お疲れ様です。

洋梨です。


見切り発射も甚だしく始めたこの物語、早くも話のストックがありません。


なので、更新を1日に1回から、2日に1回くらいに落とそうかなと思います。すみません。1日1回を目指して頑張ろうとは思います。


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