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“情けは人の為ならず” 私は彼の為にした事は彼の為にはなっていなかった?

作者: 七瀬







私は元カレにストーカ行為をされている。

3週間前に、彼とはちゃんと話し合って別れたはずだ!

でも? 気が付けば彼は私をいつも監視している。

私の一人暮らしのマンション前に、3週間前に別れた元彼が

現れるようになった。

合鍵は別れた時に返してもらい、用心の為にドアのカギごと変えた。

だから元カレも部屋には勝手に入って来れない!

私はマンションの管理人にも、元彼の写真を見せてこの人がこのマンション

の中に入ってきたら? 警察に通報してほしいと伝えていた。

当然だが、マンションの中に入る事はなかったが待ち伏せはしょっちゅう

ありいい加減、別れたのだから付き纏わないでほしいと何度も元カレに言う

のだがやめてくれない!






・・・元彼とは? 元々友達で、彼の方から私と付き合いたいと言われ

付き合いはじめる。

最初の1年は、私と彼はラブラブで何処にいくにしても一緒に行動する

仲で、ふたりの共通の友達も呆れていたぐらい仲が良かった。



でも? 2年目になると、お互い一緒に居る事が嫌になり各々の友達と

遊ぶようになり二人の時間が減っていく。

正直、この時私は彼に別れ話をするつもりだった。

完全に彼への気持ちも冷めて、彼に会う時間も嫌になっていたからだ。



ただ彼は私と同じではなかったのかもしれない。

私と少し距離を置いて、またお互いあの時の様に“ラブラブ”の関係に

戻れると信じていたのかな......。

私が彼に別れ話を少ししただけで、彼は急に怒り出した!




『なんで急に、“別れ話になるんだよ!” 俺は納得できない!』

『納得できないかなんて聞いてないよ、もうお互い気持ちも冷めて、』

『“俺は今でも侑依が好きだよ、侑依の方が俺に気持ちが冷めたんだろう!』

『・・・取りあえず、それはどっちでもいいわ! もう私と別れて!』

『だから俺はイヤだって言ってるじゃないか! 俺は侑依と絶対に別れない

からな! 俺は別れない!』

『じゃあ、取り合えず私の部屋の合鍵を返してくれる!』

『なんでだよ、侑依が俺にくれたんだろう! なんで俺がその鍵を返さなきゃ

いけないんだよ!』

『話が進まない! もういい加減、私の事は忘れてよ!』

『・・・そ、そんなの無理だよ、二人の想い出がたくさん残ってるし!

そんな簡単に俺は侑依を好きになったんじゃない!』

『私は春希の事、直ぐにでも忘れるわ!』

『・・・お、おい! そんな言い方すんなよ、』

『お願いだから! 私ともう別れて!』

『・・・わ、分かったよ、そんなに侑依が言うなら、もう別れよう!

部屋の鍵も返すよ、これでいいいんだよな。』

『・・・うん、ありがとう! それとサヨウナラ。』

『・・・・・・』








私は彼が私の話を聞いて、納得して別れてくれたんだと思っていた。

まさか!? こんなことになるなんて、、、!?

彼が私の部屋までよじ登って、部屋の窓を割り勝手に入って来るとは

想像もしてなかったわ!



【ガシャーン】



『えぇ!?』

『侑依が俺と会ってくれないからだよ、ここまでしないともう俺と

会ってくれないのかよ!』

『・・・は、春希?』

『頼む! もい一度! 俺達やり直さないか?』

『無理よ、私達別れたじゃない!』


【ピッピッピッ】


『なんで! 俺は侑依と別れないって言ったじゃないか!』

『でも、納得してくれたんでしょ!』

『してないよ! 侑依が勝手に俺を丸め込もうとしたんじゃないか!』

『“私が別れてほしいって言って、別れたじゃない!”もう私達、

終わってるのよ。』

『終わってなんかないよ、なんでそんな酷いことが言えるんだよ!』




【ドン】



『誰か呼んだのか?』

『・・・・・・』

『大丈夫ですか?』

『・・・あぁ、はい。』

『侑依、なんで警備員がココに、、、?』

『“この男が不審者ですか?”』

『ごめんなさい、間違って呼んでしまって、、、!

この男性ひとは私の知り合いなんです。』

『・・・そ、そうなんですか、どうやら間違いで通報されたみたいですね!

では、我々は仕事に戻りますので。』

『ありがとうございます、』

『・・・よ、呼んだのか? 侑依が警備員を呼んだんだな!』

『もう出て行って! 二度と私に会いに来ないで!』

『・・・わ、分かったよ、出て行くよ。』

『・・・・・・』






・・・あの時の私は? 完全に彼に同情したの。

捕まったら? 可哀想と思ってしまった私がバカだった。



“情けは人の為ならず” まさに彼がそうだった!

私に対して、今まで以上に執着し付き纏うようになったからだ。

いつか私は“元彼に殺されるのかもしれない”という恐怖がこの時、

芽生えたのが分かったわ。

“私は彼から逃げきれない!”

私は死ぬまで、元彼と別れられないのだろうか、、、?


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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