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出逢い 雪視点8★

 僕達の食べっぷりに、あっけにとられてる感じの樹里(じゅり)さん。本当に美味しくて、つい食べすぎてしまったみたい。


「にんにくと生姜の唐揚げ、幸せの味でした~」


 なんて僕はどれほど幸せの味なのかを、力説しようとして僕自身の語彙力のなさに失望する。


「食器のあと片付けくらいは、僕らにさせてください!」


 そう僕が食い気味に立候補する。


詩紋(しもん)もお手伝いする!」

 詩紋(しもん)も珍しく片付けにも食いつく。


 ★★★


「二人共ありがとうね~。あ、後で車で買い出しに行くけど、一緒に来る??それとも人前に出ちゃ駄目とかルールあるのかな?」


「特にはありませんけど…。あ、来客時には子供が住み着いてるって、噂になったらまずいでしょうし、買った方ががいいかな?ケージ…ねぇ詩紋(しもん)どう思う?」


 思わず樹里(じゅり)さんに迷惑かけたくなくて、守りの体制に入る。

 樹里(じゅり)さんが大好きだけど、家族との恋人との交流や友人との交流があるかもしれない。

 そんなところに僕らがいるのは、多分迷惑をかけてしまう。



「確かに、文鳥飼い始めたって方が自然だねぇ。みんなで二人のおうちと食材買いに行こう!」


「え?食材ならたくさん出てくるのに……」


「それはそうなんだけど……。外から見たら大きな畑もないのに、食料品買わないのもおかしく見えちゃうでしょ?だからメイン以外は材料買うとかした方がいいのかなって思って。勘ぐった人達が出てきて、君達を危険な目に合わせたくもないから」


「ありがとう!」


 確かにそんな危険もあるのか。僕らを利用するだけの人達なら、きっとそんな事は関係ないからと考えてくれやしないだろう。


 ★★★


 あまりに嬉しくて、文鳥姿になって樹里(じゅり)さんの肩まで飛んでいき、樹里(じゅり)さんの首にすり寄る。


『あ!なんで詩紋(しもん)まで!』

 不満は少しあったけど飲み込んだ。


樹里(じゅり)さん、こっちの姿も可愛がってくれそうだから!ご飯作ってくれてありがとうのスリスリ~!」


 シナモン文鳥のフォルムで懐く詩紋(しもん)。ちょっとずるくないか?


 頬のあたりにある耳を撫でられると、眠くなってしまう……。遊んでくれたり撫でてくれたり、幸せな気分を味わった。


 ★★★


 樹里(じゅり)さんが人差指を差し出してるから軽くジャンプして指に止まる。


『なんでお前まで、来てるんだよ詩紋(しもん)…』


 たまにお互いを突っつきながら、お腹を指にピッタリつけて休ませてもらう。


「なんだか、小鳥さんを触ってたり握ると眠くなるよね。なんでかな……」



 そんな事言いつつ、頭をなでてくれる指が気持ちいいけど物足りない。


 なんて樹里(じゅり)さんも、ほわほわしたお顔でウトウトしてる。


 ★★★


樹里(じゅり)さん!背中まで撫でてください~!物足りないです~」


 うっとりしつつ、僕はねだる。


「怪我は?!あ、治ったって言ってたね。あと背中撫でて発情したりしないの??」


「なっ!?僕たちはあやかしだからそこまで単純じゃないですよ!」


 焦ったように僕は言う。

 詩紋(しもん)もけらけらと笑ってる。


「小鳥はそういうので寿命縮んだり、卵詰まりの危険があるって聞いたことあって。そうなったら可哀想だから…、確認したんだけど…なんかごめんね」


「そんな事まで心配してくれるなんて!樹里(じゅり)さん好き!」


「私もこれで心置きなくモフれます!」


 樹里(じゅり)さんてば、テクニシャン……。

 僕たちは、今きっとすごくだらしない顔をしているに違いない。

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