初めての戦闘1
誤字脱字の報告お願いします。
また評価とブックマークをしていただければ幸いです。
しばらくしたら二人は落ち着いたようで、表面上は喧嘩をやめた。
「今に見てろよ」
「こっちのセリフよ」
「はいはい、二人とも喧嘩はやめろよ。それにしてもデメテルは初めの時と印象変わったな。初めはすごく気が強そうだったのに」
「あの時はすみませんでした。あれはわざとですよ。お母さんに初めの印象で上下関係が決まると教わったので……。どんな召喚主でも負けないようにと思って」
「何に負けないようにしてたんだよ……。まあ、今の方がかわいいと思うぞ」
「本当ですか!」
デメテルは幸せそうに笑った。
「ねえ、私は?私もかわいい?」
デメテルにかわいいといったことに反応したのか、ジャックも身を乗り出して聞いてくる。
「かわいいよ、かわいい」
「なんだかテキトー」
かわいいと言ったのにジャックは納得してないみたいだ。
「さて、いつまでもここにいたらヴァルカンの邪魔になるだろう。俺らはもう行く。世話になったな」
「別に構わんが、お前は二人から刺されないようにがんばれよ」
「はっはっは……はぁ」
乾いた笑いしか出なかった。
その後何か事件に巻き込まれることもなく、クロコとの約束の場所にたどり着いた。どうやらクロコはまだ来ていないらしい。だが……
「お兄さんと一緒。うれしい」
「主様の隣は安心します」
「あの、二人とも離れてくれない?」
「「いや」です!」
二人がくっついてくるせいで周りからの視線と陰口がひどい。
(ねえ、あれって犯罪じゃない?)
(あんなかわいい子を二人も!ずるい!)
(リア充死すべし)
(今ほど殺意で人を殺せればいいと思ったことはない)
「いやー、NPC相手でもGMって動いてくれるんですかねえ」
周りから言われ放題だ。特にGMに動かれたら神人さん経由でお嬢様にばれる!
「って、最後のクロコだろ!さっさと出てこい!」
「あっちゃー、ばれちゃいましたか」
比較的近くからクロコが現れた。なぜか彼女は少年を連れていた。
「いやー、さっきぶりですね。ところでお二人はどなたですかねぇ?」
そういうとクロコは二人をみた。
「初めまして。私はジャック。お兄さんの実質的な嫁」
「違うからな!そんなこと言ったら問題になるだろ!」
(やっぱり通報したほうが)
(なんで俺の隣には誰もいないんだ!さっきから女プレイヤーに話しかけてるのに!)
(これが、殺意?)
「私はデメテルです。お兄さんの召喚獣です。まあ、私とご主人様の関係はそれだけじゃあないですけど」
「いや、召喚主と召喚獣の関係でしかないからな!そんな誤解されること言うな!」
(GMコールってどこだっけ)
(俺、召喚士になってくるわ)
(信者絵、信者絵、リア充信者絵)
(お前なんか壊れ始めてるぞ!そのナイフを下ろせ!)
「なるほどなるほど。なら、さしずめ私は恋人ってポジションですかね?」
「……コイビト?」
「お姉さん、死にたいんですか?」
「お前ら、物騒なこと言ってないでここから離れるぞ!」
周りが騒がしくなってきたため、俺はジャックを背負い二人の手を引いて走った。
「ここなら落ち着いて話せるだろう」
俺たちは南門に近い場所にある宿屋に入った。ここはヴァルカンから教えてもらった宿で、値段が安いがサービスがいいらしい。
「ジャックはずるい!私もご主人様におんぶしてほしかった!」
「お兄さんの背中サイコー」
「ほら二人も落ち着け。デメテルは後でやってやるから」
「絶対ですよ!」
「はいはい、それでクロコそっちはなにかあったか?」
「そうですね、見た感じ西側は戦闘ギルドが集まってましたね。あとは大きな商店が集まってました」
「なるほど。こっちは職人街だったな。あとはスラムみたいなのがあったぞ」
スラムっといったとき、ジャックは軽く反応をした。まだ自分を裏切ったやつらに思うところがあるのだろう。
「なるほど。それでお二人は一体誰なんですか?」
「ああ、こっちのケモミミ少女がジャック。さっき言ったスラムの入り口で出会ったんだが、俺についていくって言ってきかなくて一緒に行動している」
「へぇ、そちらの子は?」
「こっちの緑髪はデメテル。俺の召喚獣の一体だな。それでそっちの男の子は?」
「この子はアーサーですよ。さっき言った商店で拾ったんです。なんでも強くなりたいみたいで」
「初めまして、私はアーサーと言います。この高天原とは違う町から来ました」
「……お前、飛んでもねえ奴拾ってきたな。英雄中の英雄じゃねえかよ。お前どうやって騙したんだ?一応言っとくが、誘拐は犯罪だぞ?」
「あなたこそ、世界最悪の殺人鬼拾った上に惚れさせてるじゃないですか。洗脳ですか?催眠ですか?それとも脅迫ですか?」
「「……」」
「上等だてめぇ!表出ろや!ぼこぼこにしてやるよ!」
「それはこっちのセリフです!泣かせてやりますよ!」
「やってみろや不審者が!」
「やってやりますよロリコン!」
「ショタコン!」
「友達0人!」
「陰キャ!」
「童貞!」
「どっどど童貞ちゃうわ!」
そうして俺とクロコは部屋から出た。残された三人は二人のやり取りにあっけにとられていたが、二人が部屋を出ると慌てて二人の後を追った。
前回言ったように、ジャックとデメテルのステータスです。
ベルセポネ (星人種)
Lv1
HP 15
MP 45(+5)(+5)
STR 10(+5)
VIT 10 (+5)
AGI 15(+5)
DEX 15 (+5)
INT 25(+5)
所持スキル
【聖魔法Lv1】【星魔法Lv1】【魔力増幅Lv1】【詠唱短縮Lv1】【杖Lv1】【鷹の目Lv1】【冥府の女王Lv1】【空き】【空き】【空き】
ジャック(獣人族 白虎種)
Lv1
HP 40
MP 10
STR 15
VIT 3
AGI 25
DEX 2
INT 5
【疾風Lv1】【迅雷Lv1】【片手剣Lv1】【暗殺術Lv1】【立体行動Lv1】【投擲Lv1】【気配察知Lv1】【柔軟Lv1】【武術Lv1】【血覚醒Lv1】
スキルに関してはまた作中かあとがきで説明します。