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非日常高校  作者: IK_N
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第一章

 とりあえず有彦はこの学校に転入する事を薦めた父を呪った。一体父はこの学校のどこを見て転入させようと思ったのだろうか? 今、自分の隣に座っている康成がいなければ一日で我慢の限界に達していただろう。


 何しろ魔女、亡霊、ヒットマン、発明家、エトセトラである。完全に常軌を逸している。そんな奴らが同じ教室で普通に授業を受けているのだ。常人なら気が狂ってしまう(特にヒットマンには三度ほど照準調整の目標にされた)。


「どうしたんだ有彦、次、体育の授業だぞ」

 隣で座っていたはずの康成がいつの間にかこちらを見下ろしていた。考え込んでいるうちに授業が終わっていたらしい。

 話す相手が康成しかいなかったせいか二人は半日で名前で呼び合うようになっていた。


「あ、そうだった」

 五時間目の授業は体育、それを思い出して有彦は慌てて立ち上がった。


 女子はもう教室から出て行っている。同じ階にある美術室で着替えているはずだ。


 テキパキと服を着替えていく。なんとこの高校では転入生に教科書、体操服、ジャージ、運動靴が即日配給されるようになっているらしい(制服は二日前に自分で買ってきた)。おかげで教科書を康成に見せてもらわずに済んだ。


「宇都木先生結構キツイからな、遅刻するとグランド十周走らされて評価を下げられるぞ」

「うげぇ……」

 やはりと言うべきか体育の先生は担任の宇都木先生らしい。


「分かったら早く行くぞ、有彦」

「オッケー」

 今日配給されたばかりの体操服を着終わって康成の後についていった。


 授業を受けている生徒の九割は変人だが授業自体は普通だ。それよりも普通に授業を進められる先生方に敬意を表すべきだろう。


「よーし、全員集まったな」

 その尊敬すべき先生の一人であろう宇都木は大声を張り上げてグランドに集まった生徒を確認した。服装は朝のまま、この先生の場合一番似合った服装だろう。


「いつも通り今日も陸上だ。男子は最初にグランド五周、女子はハードルの準備をしろ」

『はーい』

 男女合わせて三十八人が返事をした。この高校には一年から三年までがA~Fまでのクラスに分かれていて、一クラスは四十人前後で形成されている(康成から聞いた)。


 この高校では体育を男女混合でするらしい。五日前まで通っていた高校では別々で行なっていたのでびっくりだ。


 それはともかく、有彦たち男子はグランド五周というノルマを懸命に達成しようと走っていた

(スタートから十秒経たないうちに息切れをしだした奴もいた)。


「陸上って嫌なんだよな……」

 理由は疲れるから、陸上が嫌いな奴に理由を尋ねると八十%はこう言うはずだ。


「まあ、俺もあんまり好きじゃないな」

 隣を走っていた康成が口を開いた。


「デスクワーク派だからな、俺」

「パソコンとかやってるの?」

「ああ、家に何台あってな」

「何台も? 俺ん家一台しかないよ」

「そうなのか……。っとパソコンで思い出した」

 康成は走った状態で手を合わせた。はたから見れば滑稽な格好に違いない。


「放課後に教室に残っててくれないか? 暇だったらでいいけど」

「? 別にいいよ。何かあるの?」

「それは来てからのお楽しみだ」

 康成はにっこり笑ってから何事も無かったように走り続けた。


 そして放課後……。

教室には有彦と康成、他にも数人の生徒が残っていた。その中に魔女と亡霊とヒットマンと発明家がいたが気にする事でもないので無視していた。


「それで話って?」

「もうちょっと待ってくれ」

 康成が耳打ちをした。どうやらまだ都合が悪いらしい。


 そんなやり取りをしていると牛乳瓶の底のようなメガネをかけた絶滅寸前の眼鏡っ子が教室から出て行った(制服を着ている数少ない人物だった)。


「よしっ!」

 それを見届けると康成は小さくガッツポーズをした。


「話というのは部活の事だ。もうどこかの部に入るか決めたのか?」

「いや、まだだけど……」

 決めていないどころかどんな部活があるのかさえ知らない。


「じゃあ、俺たちの同好会に入らないか?」

「同好会? なんて同好会なんだ?」

「非現実的事態と状態の原因を追究し理解、もしくは破壊する同好会兼凶悪事件専属特殊戦闘部隊同好会」

「……は?」

 長くて良く分からなかった。


「俗称、『ひびつね同好会』だ」

 困惑する有彦を無視して康成は堂々と宣言した。


「そっ、それには入れと……?」

 ハッキリ言ってお断りだ。いくら友達からの誘いでもそんな訳の分からない同好会には入れない。このごろ十年近く会っていない友達から電話がかかってきて商品を売りつける悪徳商法も流行ってるし(この場合関係ないか……)。


「いや、もう入る事になってるんだ。契約もしたしな」

 その言葉を聞いて有彦は呆気に取られた。入る事になってる? しかも契約した? 全然身に覚えがない。


「握手しただろ、朝に」

 次の瞬間、有彦の頭に朝の光景がフラッシュバックした。



『俺の名前は川本康成。宜しく』

 川本康成、と名乗った男子が握手を求めて右手を出してきた。有彦もそれに答えるように右手を出す。

『こちらこそ、宜しく』

 ガッチリと手を組んで握手を交わした。背景が夕日ならさぞ絵になっていた事だろう。



「なっ……ちょっと待てって康成! あんなのが契約? 詐欺じゃないか!」

「そう言うと思ったよ」

 慌てた有彦の顔を見て康成は笑った。その笑みが放課後に教室で待っていろと言われた時の笑みと同質のものだと分かる。


「そこで、有彦にもチャンスを与えようと思ってな」

 パチンッ、と康成の指パッチンが鳴った。それと同時にまだ教室に残っていた五人の男女が申し合わせたように立ち上がる。


「うわ!?」

 かなりビビッた。


 その中には勿論、魔女と亡霊とヒットマンと発明家もいる。最後の一人は普通の格好をした女子だった。


 そして、その五人がこちらの席に向かって歩いて来たのだ。その状態は第三者から見ると『哀れな子羊が生贄に捧げられている』といったものに違いない(魔女と亡霊がいればなおの事だ)。


「うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」

 今度は本気でビビッた。有彦の席は窓際の後ろに位置している。そこに向かって五人の男女が一糸乱れぬスピードで迫ってくるのだ。ビビらない方がおかしい。


「鬼ごっこをしよう」

 その状態で口を開いた康成の声はその内容も相まってひどく陽気に聞こえた。


「……は?」

「鬼ごっこさ、範囲はこの学校の校舎内。普通の鬼ごっことは違って有彦以外は全員鬼だ」

 唐突な提案に有彦は頭がついて行かなかった。


「それはどうゆう……?」

「分からないか? 鬼ごっこをして有彦が捕まったら同好会に入ってもらうし、逆に捕まらずに五時を過ぎれば……その時は潔く諦めよう」

 つまりは鬼ごっこをして逃げ切ったら入らなくていいよ、ということだ。


「五時になるまでは校舎の中にいてもらう。もし校舎外に逃げたら強制的に入らせるから悪しからず」

 そう言い終わると康成は席を立った。


「有彦を捕まえようとするのは同好会のメンバーだ。一応紹介はしておこう」

 康成は有彦からメンバー全員が見渡せるように身を引いた。


「右から、加成魔耶」

「魔耶で~す」

 一番右にいたのは間違い無く魔女だった。金髪で良く目立つ。


「坂之上早苗」

「宜しくお願いします」

 その次は亡霊。あの長く垂れ下がった髪はどうにか出来ないものなのか。本気で井戸から出てきそうだ。


「鈴城英志」

「……宜しく」

 ヒットマン。とりあえず鬼ごっこに銃器は使わないよなぁ?


「江冶村光一」

「はじめまして」

 発明家。『えじそん』なんて珍しい苗字だな……なんて事を有彦はそこはかとなく思った。朝のホームルームどころか、体育を含めた全ての授業中寝ていた発明家にとって有彦に会うのはこれが初めてになる。


「富士原七海」

「宜しくね」

 その女子だけ有彦は知らなかった。別にその女子の影が薄い訳ではなく、他の奴らの存在感が強すぎるだけだ。


「そして俺、川本康成」

 その笑顔が今は悪魔の笑みに見える。いや、まさにそれは有彦にとって悪魔の笑みだった。


「ちょっちょっと待てよ! いくらなんでも六人がかりは卑怯だろ? それに俺はまだこの高校を全部見て回った訳じゃないんだぞ?」


「人数に関しては妥当さ、この広い校舎内を逃げ回られるんだ。これくらいいないと対等じゃない」

「う……」

 康成の発言は的を射ていた。この広い校舎の中一対一で鬼ごっこをしようものなら追う側が一番疲労する。何しろどこにいるのか分からない目標を時間内に探し回らなければならないのだ。


「まあ、それでもこちらが地理的に有利なのは認めよう。ほら受け取れ」

 康成は机から一枚の紙を取り出した。受け取って見ると、それはこの高校の見取り図だった。第一教室棟二階の2‐Bの教室がマーカーで強調されている。


「それがあれば地理の知識も同等。これで文句ないだろ?」

 そう言われると反論のしようがない。


「でっ、でも……」

「もうすぐ四時だな……」

 有彦の言葉を遮り、康成はホワイトボードの上にある時計を見て呟いた(もはや黒板など過去の産物だ)。正確には一分前といったところだろう。


「よし、俺たちは四時に有彦を捕まえるための作戦を開始する。有彦は今から逃げろ」

「ええっ? ちょっと待って……」

「逃げなくていいのか? 四時になった途端に囲まれて捕まえられるぞ」

 確かにこの場に留まっていては捕まる。四時まで残り四十五秒、四の五の言っている暇はないようだ。


「くっそ~~~~!」

 そう吐き捨ててから有彦は一目散に逃げ出した。そんな自分を傍観しているもう一人の自分が情けないと嘆いた気がする。


 そして第一教室棟二階の廊下を猛然と走りながら有彦は神に祈った。これまでに前例がないほど純粋に。

(神様……やっぱり俺は父を呪います)



「あと三十秒か……。こっちも準備しないとな」

 走り去る有彦を見届けた康成が口を開いた。そしてヒットマン……鈴城英志の方を向く。


「英志、今回は銃の使用は禁止だ。フェアにいきたい」

「……分かった」

 英志は素直に返事をして持っていたライフルを机の上においた。さらにベルトに付けてあった左右のホルスターから拳銃を一丁ずつ取り出す。合計三丁の銃器が机に置かれる。


「へぇ、今日は控えめなんだな」

 隣で見ていた発明家……江冶村光一が驚いた声をあげる。


「ああ、転入生が来ると聞いていたから控えめにしておいたんだ。怖がらせちゃまずいからな」

 そんな気配りが全く無意味だったことに、英志は気づいていなかった。


「銃は駄目だが各種ナイフの装備は許そう」

「ありがたい」

 康成の言葉を聞くと英志はどこからともなくナイフを取り出し、眺め始めた。


「それと魔耶ちゃん」

「言われなくても学校で古代魔法と禁呪文は使わないわよ?」

「よろしい」

 康成は頷くと改めて時計を見た。もう四時は過ぎて、時計の針は十秒ほど先を行っていた。


「よし! 沖田有彦捕獲作戦開始だ」

『おー!』

 五人の男女が声と手をあげる。


「全員通信機は持ったか? もし見つけたら全員に現在地を知らせろ。なお、実戦も兼ねて以後はコードネームだけでの呼びかけにする」

『イエス・サー』

 これまた一糸乱れずに声を合わせる。


「諸君らの健闘を祈る。スタート!」

 合図と共に六人の男女が一斉に教室から出撃、散開した。


「地図があるって言ってもどこに隠れればいいんだ……」

 走りながら有彦は苦悶苦闘を繰り返していた。一時間という長い時間ずっと逃げ回っている訳にはいかない。どこかでひっそり身を隠すのが常套手段だ。


 男子トイレに隠れようとしたが、女子の三人は入ってこれないとしても男子にはあのヒットマンがいる。それにトイレでは出入り口が一つなので見つかった時に逃げ場所がない。


「どうすりゃいいんだ……」

 頭を掻き毟りながら辺りを見回す。すると、ちょうど誰もいない教室があった。


(ちょうどいいや、あそこに隠れとこう)

 見取り図で確認した所、現在地は第一教室棟の一階3‐Cの教室。入る前から確認していたが、教室の中にはだれもいなかった。


「それにしても、何で人がいないんだ……?」

 2‐Bの教室を出てからここに来るまで先生は勿論、生徒にさえ会っていない。放課後といっても部活のない奴らはまだまだたむろっている時間帯だ。

 実はこれも全て康成の根回しのせいだったのだが有彦はそんな事知る由もない。


「とりあえず十分ごとに場所を変えて隠れてるか……」

 教室の時計を確認、四時三分だ。

(残り五十七分か)

 まだ勝負は始まったばかり、有彦は気を静めるように深呼吸した。


「あ」

 小さな呟きを聞いた気がして有彦は声が聞こえた方を向いた。

 そこにいたのは教室の後ろ側のドアから入ってきた亡霊……坂之上早苗だった。


「!」

 有彦は脊髄反射で教室から飛び出し、早苗がいる方とは反対の廊下を走り出した。

 このまま行けば第二教室棟へ行けるはずだ。



「『サダコ』から皆へ、目標は第一教室棟一階廊下を逃走中。第二教室棟へ向かうと思われます」

 有彦の後姿を追って坂之上早苗は走っていた。オペレーターが付けるような通信機で全員に連絡を回す。


「こちら『情報通』、了解。可能な限り追跡して、見失ったらその場所を再び皆に報告してくれ」

 『情報通』は川本康成のコードネームだ。

「『魔女っ子』了解」

 加成魔耶。

「『武器マニア』了解」

 鈴城英志。

「『エジソン』了解」

 江冶村光一。

「『格闘少女』了解」

 富士原七海。

 全員の返事を聞いてから改めて逃走中の有彦を見た。向こうの方が速く、どんどん離されていく。


(撒かれる……。もっと速く走らなきゃ)

 無理に速度を上げようとした早苗は第一教室棟と第二教室棟をつなぐ渡り廊下の段差に足を取られて転んでしまった。


「きゃ!」

 こんな時は自分の運動神経の悪さを呪う(彼女の足の速さはクラスの女子二十人中二十位だ)。

 必死に起き上がったが、その時にはもう視界から有彦の姿は消えていた。



(どうやら撒いたみたいだな……)

 有彦は第二教室棟の三階、1‐Dの教室に身を潜めていた。早苗を撒いてから三階まで上がってきたのだ。


(向こうに俺が第二教室棟にいるってばれただろうな)

 ここでゆっくりしてはいられない。早めにこの教室棟から脱出しなければ捕まえられるだろう。

 活路を求めて教室のドアを少し開け、渡り廊下の方を見る。……そこには魔女……加成魔耶がこちらへ向かっているところだった。


「!」

 慌てて頭を引っ込める。気付かれてはいないはずだ。そう思いたい。


(どうする?)

 今から飛び出して逆方向に逃げるか、それともここに隠れてやり過ごすか。

 前者なら今の状態を打破できるが、敵に位置が知れる。後者だとかなり危険だが、今後の行動が楽になるだろう。


(隠れるって言っても隠れれそうな場所は……)

 さすが教室、掃除道具入れの中か教卓の下くらいなものだった。そんな事ばかり考えていると自分が犯罪者になったかと錯覚してしまう。


(位置が分かっちゃうけど……。どうにか振り切る事が出来れば……)

「有彦くん、見っけ」

 突然、教室に響いた声に有彦は背筋が凍った。恐る恐る声の聞こえてきた方に首を曲げる。


「こんな所にいたんだ」

 その声の主は間違いなくさっき渡り廊下を歩いていた加成魔耶だった。そして彼女は予想外の場所から有彦に声をかけていたのだ。有彦がいるドアとは反対側の窓際で箒を手に持ち、彼女は立っていた。


 ありえない事だった。現実的に考えれば彼女は堂々と有彦の横にあるドアから教室の中に入り、わざわざ有彦を素通りして窓際まで行き、それから話しかけた事になる。勿論、有彦には一切気付かせずに。


「嘘だろ!?」

 人間技じゃない、完全に異常だ。

 そして有彦は一目散にその場から逃げ出した。



「『魔女っ子』から皆へ、目標を発見。第二教室棟三階東階段を下りています」

 有彦を追いながら魔耶は口元にあるマイクに状況を報告する。


「こちら『情報通』、了解。そのまま追跡してくれ」

「は~い」

 陽気な声で返事をしてから魔耶は通信機を切った。

 ドタドタドタ……、と有彦の足音が聞こえる。階段の手すりに阻まれていつの間にか目標の姿が見えなくなっていた。


 階段をいちいち下りるのが面倒になり、魔耶は両手を手すりに突いて障害物を飛び越えた。このきわどい格好でそんな大胆な動きをすれば下からパンツが丸見えになってしまうが誰もいないのでたいした問題ではない(蛇足だが、魔耶のきわどいスカートはそれはそれは高度な設計の上に成り立っており、こんな大胆な動きをしない限りパンツは見えない)。

 魔耶が降り立った第二教室棟二階の階段付近には誰もいなかった。


「あれぇ?」

 足音はもう聞こえない。この場合、敵の選択肢は三つほどある。


(あのまま一階まで下りた……にしては足音が聞こえないし、第一教室棟へ行ったか第二教室棟の奥に行ったかね)

 魔耶は少し考え込んでから第二教室棟の奥を捜してみる事にした。



魔耶が第二教室棟の奥に狙いを定めたころ。有彦は第一教室棟の2‐Cの教室に隠れていた。追ってこないところを見るとどうやら撒けたようだ。


(何だったんだあれ……)

 何の気配も無しに突然窓際に現れた加成魔耶。どんな方法を使ったのか全く分からないがあんな技を何度も連発されてはこちらの精神力がもたない。なにせ自分は普通の高校生であり、日常茶飯事のように『ワープ!』とか言って瞬間移動を繰り返すRPGの住人ではない。


(そんな事はおいといて、どこに行こう……)

 見取り図を開くと最初にマーカーで強調された2‐Bの教室が目に入った。この教室のすぐ隣だ。

 パッ、と名案が有彦の頭の中に浮かんだ。


(灯台下暗し作戦だ)

 思ったと同時に教室を出る。右を見て左を見てまた右を見て渡りましょう、と幼稚園のころ教わった忍びのテクニックを用いて辺りを確認(関係ないけど、幼稚園の学園長はむさいオジサンだった)。


(可能性低いけど……いないでくれよ)

 足音を立てずに2‐Bの教室まで近づき、恐る恐る教室の中を覗き込んで見た。


「……」

 教室の中には誰もいなかった。まあ、さっきまで第二教室棟を逃げ回っていたのだから当たり前だろう。

 ふう、とため息をついて教室の中へ入ろうとした。が、


「あ! 目標発見!」

「!」

 後方から聞こえた女子の声にギョッとして有彦は振り返った。

 そこにはこちらを指差した富士原七海がいた。どうやら第二教室棟からやってきたらしい。


(やばい!)

 とっさに教室の中に逃げ込む。しかし、有彦のその判断が事態を最悪な方向へと向かわせてしまった。


「待ちくたびれたぞ」

 教室に入り込んだ直後に第三者の声。驚いて振り向くと教室の壁際に一人の男子がたたずんでいた。ヒットマン……鈴城英志だった。

 教室の外からでは死角になっていて気付けなかった。ゆっくりと、もたれていた壁から離れて有彦へ一歩近づく。


「犯人が犯行現場に戻ると言うのは本当らしいな」

 それとこれとは根本的に違うだろ、と悠長にツッコんでいる暇はない。


「うわ、あんたここにずっといたの?」

「ずっとじゃない、五分ほど前からだ」

 廊下にいた七海が教室の中に入ってくる。一対二だ。しかも敵にはあのヒットマンもいる。七海がどんな人間かは知らないが、ヒットマンほどヤバくはないだろう。


「さて、早苗ちゃんと魔耶ちゃんを振り切ったのはすごいけど、ここら辺で年貢の納め時ね」

 七海が意地悪な笑みを浮かべる。二人してじりじりと有彦を窓際に責めたてている。

 危機一髪、絶体絶命、万事休す、四面楚歌、北都神剣(?)、などの言葉が有彦の頭を駆け巡った。ちなみに北都神剣は昨日読んでいた格闘マンガに出てきた武術の流派のひとつだ。もちろんそんな事はこの状況に何の関わりもない。


(神は我を見放したのか……)

 と、なんとなく名台詞を心の中で叫ぶ。


「じゃあ、鬼ごっこもここで終わり! さっさとあんたを同好会に入れて、帰って連ドラ見るんだから」

 実際、こんな時間に連ドラなんてやっている訳ないのだが(やってたら再放送か何かだ)、そんなちっぽけな事に反論する余裕は今の有彦は持ち合わせていない。どうにかして相手の隙をつく方法を探していた。


(相手の隙を……)

 突然、有彦の頭に父の言葉が甦った。遠い昔に、格闘技に興味を持っていた頃に父に隙について質問したのだ(あの頃の俺は若かった……)。


『隙をつく? そんなの知ってどうする? ……まあ、いいか。教えてやろう。隙をつくといえば……』

 隙をつくといえば……。


『寝込みを襲うに決まってるじゃないか。そりゃあもう若い頃の母さんは寝ている時が無防備で無防備で仕方が無かったなあ……。だが! 一人前の男は正面から行くものだぞ。真正面から相手の目を見つめ、さりげなく近づき、そして……』


(って何考えてんだ俺は!? そんなの今の状況にぜんぜん関係ないじゃないか! それよりもあの親父は息子に何を教えてるんだ!?)


 あの後、続きを言おうとした父が母に殴り倒されたのを記憶している。今思い出して見れば当然だ。まだ小学校三年くらいの自分にそんな事を教えようとしていたのだから……。

 そして有彦は自分の父の変態さを改めて確認した(再確認しても空しくなるだけだった)。


「どうしたの?」

 七海が眉をひそめてこちらを見ていた。そりゃあ、いきなり頭を抱えて悩み始めたのだから当たり前の反応だ。


「そんなにこの同好会イヤ? 結構いい所だよ? 会費も多いし」

 自分の悩む姿が同好会に入りたくないためだと彼女の目には映ったらしい。こちらを説得しようと同好会の説明を始めた。

 そして、結構抜け目のない有彦はその隙を見逃さなかった。


 ダンッ!

 教室のフローリングを勢いよく蹴って後側の席へ移動する。そこに有彦の窮地を救うマジックアイテムがあった。それはどんな悪そうなお兄さんたちに囲まれても確実に震え上がらせる事が出来る……。


(ライフル……!)

 なぜかは知らないが康成の机の上にライフルと拳銃二丁が置いてあった。それを素早く手に持ち、英志と七海に銃口を向ける!


「てっ手を上げろ!」

 そんな言葉しか思い浮かばない自分にそこはかとなく悲しくなった(しかも二人とも手を上げていない……)。

 勿論、有彦は撃つ気なんてさらさらないのだが。


「ねえ英志、ちゃんと安全装置掛けといた?」

 七海が英志に耳打ちをした。有彦には聞こえていない。


「ああ、机に置くときに全て掛けた」

「それならいいけど……」

「解除されればそれまでだがな」

 本人にその気はないのだが、その言葉は七海をひどく怖がらせた。


「うっそ! 安全装置ってそんなに簡単に外せるもんなの!?」

「ああ、あの安全装置が解除されれば終わりだ。よほど下手でない限り、この距離で仕留めそこなう訳がない。普通は体を狙うものだが素人はよく頭を狙うことが多いな。プロでも『脳漿が飛び散るさまが好きだ』なんて言う奴もいるが」

「おえ……」

 七海が英志のいやな表現に口を押さえた。

 そして、またもや抜け目のない有彦はその隙を見事についた。


 ダッ!

「あ!」

 七海の驚いた声が聞こえたときには、有彦は2‐Bの教室から全速力で離脱していた。



「『格闘少女』から皆へ、目標は2‐Bの教室から脱走! 現在一階に向かって降下中!」

「こちら『情報通』、了解。追跡はせずに階段を見張っていてくれ」

「え?」

 すでに追跡の準備万端だった七海は驚いた。ここで追跡せずに何をするつもりなのか。


「好奇心だ。最終兵器を使ってみたくなった」

「最終兵器?」

 七海は首をかしげた。そんなものがあるなんで初耳だ。


「まあ、その時になったらおのずとわかるさ」

 意味深な言葉を残して、康成からの通信は切れた。


「ねえ英志、最終兵器って何だと思う?」

 自分が知らないのに英志が知っているはずはないが、『兵器』と呼ばれるものならこの男の管轄だ。


「知っているぞ」

 自信たっぷりな英志のまなざしが七海の顔を見つめる。


「光一の家に行ったときに読んだことがある。からだを最終兵器に改造された女とそのつがいの話だ」

 ――しばしの硬直と沈黙。


「……あんたのために言っとくけどそれ、絶対違う」

「いや、当たっているはずだ。なにせそのマンガの題名が最終兵器……」

「それ以上言ったらいろいろ面倒だからやめてね」

「……分かった」

 二人のそっけない話はここで終わった。



「はぁ、はぁ……」

 有彦は第一教室棟の一階にいた。3‐Aの教室の中で息を整えているところだ。ふと思いついてしばらく見ていなかった時計を見る。四時三十分。その結果に有彦はゲッソリした。


(あ、あんな繰り返しをもう一回やらなきゃ駄目なのか……)

 地獄だ。五時限目の体育でもこれほど疲れることはなかったのに、体中汗だくだ(学生服で走り回っていたせいでもある)。

 体が疲れると精神まで弱ってくるものだ。


(素直に『入ります』って言えばこんなに疲れることないよな……)

 そんな弱気な思いが心を支配しようとする。だんだんやる気も失せてきた。こうなるとあとは降る一方になってしまう。


(って、ちょっと待て!)

 奇跡的にもそこで歯止めがかかった。


(奴ら『非現実的凶悪事件専属破壊掃討部隊』とか言ってたよな?)

 ごちゃ混ぜになっているがあんな長い名前を一回聞いただけで覚えろというほうが無茶だ。

 有彦は頭の中から鬼ごっこのことを脳内ハードディスクドライブにしまってから。整理をし始めた。


(非現実的……つまりオカルトってことかな。凶悪事件……まあ、殺人とか麻薬とかかな。専属……専用ってことだよな。破壊……壊す。掃討……一掃する)

 それらのキーワードを有彦は結びつけた結果。


(オカルトが関わった殺人事件などが専門の殺戮部隊……?)

 つまりは……。


(殺人集団っ!?)

 落ち着け! いくらなんでも殺人集団はないだろう。たんぶん捕まえた犯人を軽くフクロにする程度のはずだ(それでも十分怖いが)。


 これはまずい。いつの間にやら危ない世界に足を突っ込んでしまった(突っ込まされたと言ったほうが正しい)。


(とにかくこの鬼ごっこ……。逃げ切らなければ犯罪者確定!? そんでもって捕まって豚箱行き!? そして刑務所の中で『シャバの空気がすいてぇなあ』なんて言わなきゃらならないのか!?)

 こうしてはいられない。あと三十分、何をやっても逃げ切らねばならない。


(近場で隠れれそうなところは……)

 それはちょうどこの教室の隣にあった。


(保健室!)

 ちょうどいい。保健室にあるベッドの下に潜りこんで時間を費やそう。


(よし! 早速行動開始だ!)

 有彦は教室のドアを開け、頭を廊下に出した。左右確認、生体反応なし。これよりミッションSIを実行する(SI……School Infirmary、保健室)。


 有彦はさながらどこかのゲリラ部隊の一員にでもなったかのように動き出した。すぐさま保健室の前まで進み、なかに人の気配がしないことを確認してから流れるような動作で中に侵入する。


 そこは普通の保健室だった。先生はいない。カーテンに阻まれてベッドは見えないが、そこにあるのは確実だ。


(案の定だな)

 カーテンを除くと、ベッドが三つ並んでいた。ベッドのあいだを遮るカーテンもあるが、今は張られていない。


(出入り口に近いベッドにしとこう)

 理由は逃げやすいようにだが、ベッドの下という狭い空間で発見されて逃げられる確率はゼロに等しい。


(ほんとに犯罪者みたいになってきたな……)

 ベッドのひとつに潜りこみながら、有彦は自嘲気味に思った。


 数分後……。


(だれか来たか……?)

 保健室のベッドの下で息を殺していた有彦の耳に、ドアが開いた音が聞こえた。きちんとカーテンを閉めてから潜ったために、出入り口の方が見えない(見えたとしても上履きだけだろうが)。

 パンパン、と人が歩く音とは違う音が聞こえてきた。


(これは……)

 有彦は以前こんな音を聞いたことがあった。思い出そうと記憶の糸をたぐり寄せてみる。


(! そうだ! あれはスリッパと足の裏が勢いよくぶつかる事によって生じるあの音だ!)

 そう、それはコツをつかめば誰にでもできる技だ。実際有彦も音を鳴らしながら歩いた事もある。


(ということはやはり人か……。絶対あのメンバーの一人だな)

 これは単に有彦の推測だが、すでにこの学校には自分とあの殺戮部隊のメンバー以外はいないのではないか、と思っていた。実際その通りであることは今の有彦は知らない。

 とにかく、足音が過ぎ去ってくれるようにベッドの下で祈った。


 バサッ!


 ベッドを隠していたカーテンが開いた。戦戦恐恐としながら敵の上履きを確認する。


(青! やっぱりあいつらだ!)

 この非日常高校は学年ごとに上履きの色が変わる。青は二年生。いまこの保健室に訪れた人物があのメンバーだということはほぼ確定した。


 パンパンパンパンパンパンパンパン……。


 あの音が聞こえる。どうやらベッドのまわりを歩いているようだ(ベッドの下が狭くてうまく首を動かすことができない)。


 パンパンパンパンパンパンパンパン……。


 音がだんだん遠ざかっていく。奥のほうのベッドを調べに行ったようだ。どうやらベッドの下にいた有彦には気づかなかったらしい。


 だが、結構慎重な有彦はそれでも緊張を解かなかった。胃がキリキリ痛むが、犯罪者になるよりましだ。


(早く出て行ってくれよ……)


 パンパンパンパンパンパンパンパン……。


 音は次第に小さくなっていき、ドアの閉まる音と同時に聞こえなくなった。


(よし! 出て行った!)

 有彦は心の中で歓喜した。これで犯罪者への道が遠ざかってくれる!


(あとは時間になるまでここでじっとしてれば逃げ切れる!)



「『エジソン』から皆へ、保健室を調べてみたが異常はなかった」

「こちら『情報通』、了解。KU作戦を実行する。階段付近で待機してくれ」

「了解」

 『エジソン』こと江冶村光一は康成との交信を終え、第一教室棟の階段付近に移動した。と言っても保健室からさほど離れていないのだが。


(KU作戦か……。一体何のことだ?)

 KU作戦の内容はおそらく康成しか知らないだろう。どんな作戦なのか、光一には想像できない。しかし、そんな光一に神託が降りてきた。


(……まてよ、KU、KU……!)

 そして光一は今、全てを悟った。


(そういうことか康成……)

 光一は理解した。KU作戦の全貌。そして、この鬼ごっこの結末を……。



(あと何分くらいだろ……)

 狭いベッドの下で、有彦はふとそんな事を思った。おそらくあれから十分ほど経っていると思うが、主観的な時間は信用できない。


(少しくらい出て行って時計確認するくらいなら大丈夫だよな)

 音をたてないように、有彦はベッドの下から這い出た。時計を確認するためにはカーテンを開なければならない。


 ザザー、とカーテンがスライドする音を最小限に抑えて、有彦は外に出る。すぐ横に壁にかけられた時計があった。


(四時四十二分……! 残り十八分!)

 いける! 逃げ切れる! 豚箱で『シャバの空気が恋しいぜ……』なんて言わなくてすむ!


 勝利を確信した有彦の頭には赤ちゃんの姿をした天使がファンファーレを鳴らしていた(一人の少年とその愛犬を天に導いた奴に似ていた)。

 しかし、有彦の頭が沸騰したのもそれまでだった。


 カツンカツン……。


「!」

 足音がこの保健室に向かってきている。音からしてスリッパではないが、敵の罠かもしれない。


 すぐさま有彦はカーテンを閉めて、ベッドの中に潜りこんだ。素早い行動に有彦は自分に驚いた。


 ガラッ。


 有彦が身を潜めてすぐに保健室のドアが開いた。しかし、中に入ってくる気配はない。


(? あいつらじゃないのか……?)

 有彦がいぶかしんでいると保健室のドアを開けた人物が喋りだした。


「ったく日直だなんてついてねぇなあ」

 有彦はその声に聞き覚えがあった。自分のクラスの担任、宇都木陽炎その人だ。どうやら鍵閉めに来たらしい。


「誰もいない……。ま、当たり前か」

 そう行ってからドアを閉めてガチャガチャと鍵を……。


「ちょっと待って先生!」

 ここで有彦は声を出した。さすがにこのままここで一夜を過ごすわけにはいかない。それに先生ならこの理不尽な鬼ごっこを止める事ができるかもしれない。


「ぼっ僕がいます!」

 ベッドの下から這い出て、ドアへと向かう。ちょうど宇都木が有彦の声に気づいてドアを開けたところだった。


「有彦!? お前なんでこんな所に……」

「こっこれには訳が……」

 有彦がどう説明すればいいか困っていると宇都木が先に口を開いた。


「とにかくちょっと来い」

「は、はい」

 その宇都木の手が有彦の肩にかけられた。そして、


「タッチだな」

 唐突に宇都木がそんなことを言った。もちろん有彦には何が何だか分からない。


「先生……? タッチって……」

「タッチはタッチだ。お前鬼ごっこやってたんだろ?」

 ……だんだん嫌~な雰囲気になってきた。これはもしかすると……。


「先生、何言ってるか分からないんですけど……」

「そういやあ、こっちの自己紹介はまだだったな」

 そして宇都木は威厳たっぷりに言った。


「『非現実的事態と状態の原因を追究し理解、もしくは破壊する同好会兼凶悪事件専属特殊戦闘部隊同好会』の顧問、宇都木陽炎だ」

 にっこり笑った宇都木の顔はいやに輝いて見えた。そしてそれを聞いた有彦は刑務所で『ちくしょう! 出しやがれ!』と言っている自分の姿が脳裏に浮かんだ。


「そっそれじゃあ……」

 震える声で再確認をする(再確認するまでもなく分かっていたことだが)。


「ああ、俺が捕まえたから『ひびつね同好会』に入ってもらうぞ」

 この言葉を聞いて、有彦は固まった。


「う、そ……」

「嘘じゃないさ有彦」

 目の前が真っ白になった有彦の前に康成が姿を現した。もちろん不敵な笑みを浮かべて。


「捕まったんだから『ひびつね同好会』に入ってもらうぞ」

 康成も宇都木と同じようににっこりと笑った。それで有彦は自我を取り戻した。


「ちょっと待てよ! この鬼ごっこに参加してるのは俺も合わせて七人じゃなかったのか!?」

「追うのが六人だけとは誰も言っていないぞ。有彦以外は鬼だ、とは言ったけどな」

「……! だけど俺が『六人がかりは卑怯だ』って言ったときも訂正しなかったじゃないか!」

「特に訂正する必要がなかったからだ」

 有彦の八つ当たり気味の猛攻を受け流して、淡々と康成は答えた。


「くぅ~~~~~~!」

「うなるな。有彦が予想以上に手強かったからな、やむをえなかったんだ」

「うん、ほ~んと逃げるの上手いのね」

 いつの間にか加成魔耶が康成の後ろに立っている。ほかのメンバーも全員集合していた。


「隙をつくのも上手かったしね」

 富士原七海がにっこり笑って言った。宇都木や康成が笑うより何倍も可愛いが、今の有彦はそれをじっくり見る余裕はない。


「まさか保健室にいたとは、どこに隠れてたんだ?」

 江冶村光一、どうやらこいつが保健室に来たスリッパで音を鳴らす奴だったらしい。


「なるほど、作戦KUのKUは宇都木先生のイニシャルだったわけだな……」

 よく分からないことを言って鈴城英志が一人でうなずいた。


「沖田さん走るの早いですね」

 これは坂之上早苗。最初のときのことを言っているのだろう(早苗が遅いだけなのだが)。


「皆も祝福してくれている。今日から有彦、君は『ひびつね同好会』の正式な会員だ!」


 パチパチパチ……。


 彼らの暖かい拍手も、有彦には牢屋の鍵が閉まる音に聞こえた。

 そして、放心状態から立ち直った有彦は本心を叫んだ。


「イヤだ――――――――――――っっっ!」

 この日、有彦は非日常高校へ転入と同時に非現実的事態と状態の原因を追究し理解、もしくは破壊する同好会兼凶悪事件専属特殊戦闘部隊同好会に入ることとなった。


 四月十四日、四時四十四分の出来事であった(死の数字……)。


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