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声のする方向に走っていくと、森の出口がうっすらと見えてくる。
まさか森の出口がこんな目と鼻の先にあったとは。
方角がきっちりわかってりゃこんなことにはならなかったのかな。
まあ、そんなことは後の祭りだ。
段々と、出口のそばでオークと人間が戦闘しているところが見えてくる。
鎧を着たいかにも騎士っぽい人達が8人くらい?居て――オークの数は6匹か。
それに――あのオーク共、私が逃がした奴らじゃないか。
そうと分かれば――落とし前をつけなくちゃいけないな――!
出口が近づいてくる。
まずは一番手間のオーク。
他のオークと距離を開け、投石でオーク達を援護している。
私は魔力を練って大地を蹴り、投石しているオークに肉薄する。
私は石斧を振り上げると、オークの頭めがけて振り下ろす。
オークの豚面は一瞬で肉塊となり、あたりに拡散した。
一撃必殺。
残念だが、今はこいつらをいたぶっている場合じゃない。全部、一撃で沈める。
投石オークが殺されたことに、いち早く気づいたオークに石斧をぶん投げる。
寸分違わず頭に命中。
そいつは頭の代わりに石斧が生えることになった。
ここまでやると流石に残りすべてのオークが私の存在に気づき、ヘイトの大部分がこちらへ向く。
ちょうどいい、と思いながら、石斧が生えているオークが持っていた棍棒を奪い、こちらに突っ込んできた2匹のオークに向き合う。
片方のオークが棍棒を突進の勢いに合わせて振り下ろす――ところを、私が横からそれ以上の速度でぶん殴る。
それにより棍棒はオークの手から離れ――吹き飛んだ棍棒が、すぐ隣に接近していたオークの頭にぶつかり、鈍い音を立てた。
ストライク。
あとは手早く丸腰になったオークの頭をミンチにする。
残りあと2匹――と振りかえったが。
どちらももう身体じゅう切り刻まれて、事切れた後だった。
数が減ったからか騎士達が仕留めてくれたようだ。
あたりに静寂が訪れる。
あるのはオークの死体6つと、私と騎士達だけ。
その騎士達のうちの一人と目が合う。
鮮やかな赤髪の、凛々しい顔立ちの女性。
隊長格なのか、一際豪華な装飾が施された鎧を身に付けている。
この世界の人間との、初めての邂逅だった。
3話4話も改稿したいなあ。