日記
私の名前はルシフェル、元天使だが訳あって今は人間として生きている。
人間の体になった代償はかなり大きく、数々の強力な能力もかなり弱体化してしまった、そこで私は自分をこんな体にした張本人である神に復讐をするため、人間を数人転生させた
元の肉体は邪魔なので廃棄し、代わりに私のメイドとして働いてくれているリリスという少女に作らせた新たな肉体に魂を植え付けたのだ。
彼らの戦意を煽る為に、彼らの故郷である地球(私達天使が人間界と呼ぶ世界)を滅ぼし、その後荒れ果てた状態の地球の姿を彼らに見せつけこう言ってやった。
「これはすべて神と呼ばれる存在が引き起こした悲劇よ、でもあなた達が神を倒し私が元の姿に戻ればすべての悲劇は覆せる」と。
彼らはこの言葉をすぐに信じてくれた、勿論ほとんどが嘘だが、まあ本当に私が元の姿に戻れればどのみち彼らも全員消し去る予定なので何を言おうが問題ではないだろう。
彼らには、転生した際に私の能力の一部を使用できるようにしてある。
彼らに貸し与えた能力は八つある。
1.手元の本に書き込んだことが現実になる。
2.あらゆる事象を否定することが出来る。
3.相手の思考、記憶を操作することができる。
4.そこにあるものを全く違う物にすることが出来る。
5.あらゆる物を癒すことができる。
6.重力を操作することが出来る。
7.あらゆるものを破壊することが出来る。
8.時間を操作することが出来る。
どれも強力な能力だが、彼らにはまだこれらを使いこなせる経験がないので彼らにはまず街に出て魔物退治に勤しんで貰い戦闘の経験を積んでもらうことにした。
「…っと今日はこんなところかな。」
私は日課にしている日記を書き終わり、ひと段落ついていた。
「あっそうだリリスいるー?」
その名を呼ぶと、すぐにドアをノックする音が聞こえ部屋のドアが開かれた。
「失礼します。」
リリスはそっけなく言いながら私の指示を聞くためにそばに近づいてきた。
「ご用件は?」
「明日からあいつらを町に行かせて冒険を始めてもらおうと思うから、リリスもあいつらと一緒に行ってあげてほしいのよ」
するとリリスは心底不満そうな顔を向けてきた、明らかにメイドが主人に向ける顔じゃないだろと思いつつも、そんな表情になるのも無理はないだろう。
元々リリスが乗り気でない作戦ではあったのだ、どういう訳かリリスは人間に対して強い嫌悪感を抱いているのにそいつらに同行させようというのだから、表情を使った必死の抵抗くらいは許そう。
「理解してリリス、私が行ければいいんだけど私は私でこれからやらなきゃいけないことがあるからどうしてもあなたに頼むしかないのよ」
するとリリスは大きなため息をつきつつも了承はしてくれた。
それから私は、リリスに明日の行動を伝えた。
「まずあいつらを街のギルドに連れていって欲しいの。
そこで冒険者登録をさせたら、あとは向こうが適当な依頼を出してくれるわ。
そこまですれば、後はあいつらに好きにさせればいいわ。」
「わかりました」
説明を聞き終えると、リリスはすぐに部屋を出ていった。
私は、そのままベッドに入り眠りについた。