03.魔王志望:小柳若哉
訳が分からず、思考停止してしまった…
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[思考停止期間約2年…作者はこの小説のことを
忘れたのかと疑うほど地球時間が経っておるが、
細かい事は気にしないに限るぞ、そこの君。]
時計は午前4時半を指している。
俺が起きてからまだ5分程しか経っていない…
この約5分間、濃ッッ!
やっぱり、自分の手紙に関する回想はよしておくべきだったか…
…フラグ…回収…っと…
「おーい、どこに思考が飛んでおる?早く支度せんか!グズグズしている暇など無い!やりたい事を今のうちに済まさんか!」
「…えっと、そのですね、 レンディエルさん?」
全くもって受け入れ難いな俺が勇者とか…マジ笑えねぇ
「なんだ?貴様、嬉しくないのか?
選ばれし勇者となるんだ、伝説にもなるであろう?光栄ではないか!なんだその顔は!」
おっといけない。俺ってば、顔に出てしまった…
眉間、眉間と。
ん?てか、この魔女様はどっから見てんだ?
やっぱ魔法か…
「はっきり申しまして…全く光栄でないです。」
と言いながら事改まってきてベッドの上に正座した。
誰しも“退屈な日常に潤いが欲しい”と1度は思うに違いないが、俺的には潤いって言うのはこういう物ではないと思うのだ。
「なぜ故か?」
「第一異世界に行くことを望んでないし、そりゃ、ちょっと行ってみたいなとは思うけど、両親や周りの人は俺が急に居なくなったら驚くでしょうし、きっと、そちらの世界に行っても役に立たずにモブと化して終わると思います。」
まあ、俺が消えても驚くだけで、誰も心配してはくれないだろうが…あ、妹と母さんは心配してくれるかな…
「ふむ。そうゆうことか。望んでおらんでも強制連行なのだがな。
貴様のいる世界でその魔法が施行できるかは知らんが、魔法で貴様の思うように記憶補整をすることは可能だ。それと、ここの世界では無能でしかないかもしれんが、こっちに来たらそうとは限らん。」
「そ、それは、それは、随分と便利な魔法があったもので…」
やっぱり俺には拒否権がないと…
てか、地味に無能とか酷くね?泣けるわー。
ん?記憶補整できるなら、俺を説得する必要なくね??だって、俺に都合のいい記憶を植え付ければ、すんなり召喚できるじゃん?
「あのう、なんでその魔法、俺にかけないのですか?説得しなくても…強制連行なのでしょうし、それかければ面倒な説得もしなくても…」
「貴様頭がいいのう、それはそうなのだが、王にこの世界には何もするなと言われておるからな。
王の優しさに感謝せい、貴様の人格なぞ今頃トンでおったわ。」
うっわっ。怖っ。他の世界では何かやったのか…想像するだけで震えるわ。
「…ありがたい限りです。」
「さ、もういいだろ、早くこの世とおさらばするための準備をせい。」
「ちょ、人聞き悪いこと言わんでくれ!」
思いっきりツッコんでしまった。
この世とおさらばするって…死ぬのか…俺…
俺は実は死んでて、異世界と称してあの世に逝かせるつもりじゃないのか?実はレンディエルさんは死神なのか?
ありそう!ヤバい異世界とか第一存在が怪しいし…
「猶予は今日の0時までだ、周りの記憶を誤魔化す準備もするからな、適当に設定を考えとけ。以上だ。我は眠い、寝る。」
「いやいやいやいや、ちょっと待ってくれ、本当に俺が勇者なんですか?てか、俺、生きてるんですか?」
「なんだ、まだごちゃごちゃ抜かすか!もう諦めた方が良い。こっちの世界で活躍して、幸せになれれば万々歳じゃないか!」
あ、一応俺生きてるんだ。
「いいや、それじゃあ絶対に俺は幸せにはなれないんだ!」
そう、そうだ、俺の夢は正義の味方とか脚光を浴びるような役柄じゃあない!
「なぜ言いきれる?」
「なぜって、俺は魔王になりたいからだーーーーーー」