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第四話 父の思い出【前編】

カガリが何故父のようになりたいと思ったのか、その理由となる事件について今語られます。


「せいっ!ふっ!はあああああ!!」


二階層に潜り始めてもうすぐ一ヶ月が経とうとしており二階層での探索も慣れてきたという時、探索をしていると誰かの悲痛な叫びと共に地響きが聞こえてきた。


何事かと思い声の聞こえる方へ急いで向かうと、そこにはクロノタートルとカガリと同じくらいの若い男が対峙していた。


「いったいどういう事だよ!ここはまだ二階層なんだぞ、何で五階層のモンスターのクロノタートルが出てくるんだよ!ぐっ・・・」

男が攻撃を受けて壁に追いやられてしまったのを見て何も考えずに飛び出して行った。



「お父さん、今日はどこに行くの?」

「ん?今日はな、俺の生まれて育った場所に行くんだ。山の麓にあって、最近モンスターが人里まで下りてくるって依頼を受けて行くんだよ。おばあちゃんの墓参りも行かないといけないしな」


と言って歯を見せて子供のように笑うのは父の小鳥遊クレハである。


「お父さんの生まれたところ?行ってみたい!」

「おぉ、いいぞ。だが、何があるかわからないから父さんがいない時は家から出るなよ。これだけは約束だぞ!」

「うん、わかった。じゃあ準備してくる!」


カガリとクレハは準備を終えて母であるツグハに見送られてお昼前に馬車に乗って家を出発した。


ツグハから預かったお昼ご飯のバスケットの蓋を開けると、野菜や加工肉や魚などが入ったサンドイッチが二人分綺麗に並べられていた。太陽がてっぺんを越えた頃に、馬車を空き地に止めて馬に餌をやると二人は太陽の下で好物のツグハのサンドイッチを頬張る。食事を終えるとまた再度出発する。通り道にある貴族の街によって夕食の食

材を買い込み夕方になる前にクレハの故郷である村に着いた。


「カガリ、じゃあ父さんは村の周りを見てまわって来るから大人しくしてるんだぞ」


そう再度注意を促されるとクレハは出ていった。

家と言われた建物は、一階はカフェらしい造りになっており二階に部屋があるという構造になっている。カガリは二階へ行き椅子に座って窓から外の風景を眺めていた。自然の気持ちのいい風に吹かれていると、知らぬ間に眠りについていた。


村が騒がしくなり目を覚ましたカガリは目に映る光景に唖然とした。村の周りの木々は倒れ建物も燃え村の中でモンスターと誰かが戦っているように見えた。


眠りにつく前の光景とは全く違う場所になっていた。カガリがいた場所は少し村の外れにあった為損害はなかったらしい。すると、一階から音が聞こえ誰かが階段を駆け上がってくる。


カガリは物陰に隠れて息を潜めて誰が来たのかを伺う。

【 クロノタートル 】

生息域/5階層から上の階層

特徴/全長3mほどある大きな亀

体内には炎を生成する器官が存在し、口から炎のブレスを放つ

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