第三話 二階層
前回はほのぼのとしていたので今回はダンジョンの中のお話です!
そんな日常を過ごしながら月日は流れ、カガリは一年と四ヶ月かけてようやく二階層へ進むこととなった。
実際、四ヶ月前でも既に二階層には行ける実力は持っていたが、もしもの事が無いようにと階層を上がること禁じられていた。(実は一度内緒でソラと二階層へ行ったことがあるが、モンスター自体は一階層と強さは変わらないが、数が多く戦いにも余裕がなくなってしまい、撤退を余儀なくされたのだ。)
ソラたちはパーティーということもあり、カガリよりも早く二階層へ進むことになっていた。
「カガリも早く来ないと俺たちが三階層も先に言っちまうぞ」
なんて余裕を見せるように言ってくるが、それも最近の事である。最初の頃は、潜っている時間も半分程になりいつもボロボロになっていた。パーティーでも多数にはなかなか大変だというものを見ているので、話を聞いて対処の仕方などの練習をしながらステータスを上げることに時間を使ってきたのだ。
なんだかんだ言いつつ今日から二階層の探索という事で緊張しながらも朝からダンジョンへと向かう。
初めてということで今日はソラたちのパーティーに混ぜてもらう形で様子を見ることにした。
やがて二階層に来ると、
「とりあえず最初はカガリ一人でやってみてくれ。やはりどれくらいここで通じるか知っておくべきだと思うしな。大丈夫だ、危ないと思ったらすぐに助けてやっからよ!」
という事でカガリはゴブリンを見つけると、いつもと同じようにスニークで近づくと背後から攻撃を仕掛ける。
ゴブリンはギャアギャアと叫び声をあげながらこちらへ突進してくるが、綺麗に避けてもう一発攻撃を当てるとすぐに倒れて霧散していく。
終わったと気を落ち着けようとすると奥から足音が近づいてくる。そしてゴブリンが二体現れ、こちらを見つけると、攻撃を仕掛けてきた。
「「ぎゃおぉぉぉぉ!!」」
甲高く大きな声で耳を塞ぎたくなるのを我慢して二体と対峙する。倒し終わると周りの安全を確認して三人の元へ歩いて行った。
「連続はきついだろうに息一つ切らさずにやっちまうか〜、俺達が助ける必要も全然なさそうだったしよ。その調子なら二階層は大丈夫だろうさ」
「カガリんかなり強くなってたじゃ〜ん!アタシびっくりしちゃったよ〜♪」
「カガリくんずっと頑張ってましたもんね。でも私も予想以上で驚きましたよ」
思っていたよりもいい反応が返ってきてカガリは少し安心した。その後は四人で二階層を探索して今日は帰った。