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第二話 レアアイテム

今回はほのぼのとギルドの日常の雰囲気を出してワイワイと話す話です


その後も順調にゴブリンを倒し、ダンジョンの奥深くに進んでいく。すると、少し開けた場所へ出た。その奥には宝箱があった。


「まぁどうせ大したものは入ってないだろう」


などと誰に聞こえるでもない小言を言いながらも開けると、幸いトラップでもなくすんなりと開き、中からはカガリの腕より太さのある30cm程度の角が出てきた。

カガリはそれが何か分からないが、いい物だと思いにやけ顔を抑えることも出来ないまま角をポーチへしまう。ポーチの空きも少なくなり脱出転移門にゴブリンを倒しながら戻り、ダンジョンを出た。



ダンジョンの外へ戻ってきたカガリの目を太陽の光が目の奥を焼き付けたかのように、目の前が真っ白になった。思わず目を瞑り視界を正常運転に戻す。


太陽の位置を見ると真上にあり日の出前から潜り、既にお昼の十二時時を回っていた。今が何時か把握した途端、「ぐうぅぅ」とお腹の虫が鳴り、目に付く場所で家までの凌ぎとして団子を買おうと店を見つけて入った。


お金を払い団子を受け取るとその場で口いっぱいに頬張る。口に入れすぎて噛みづらい事も気にせず、咀嚼し飲み込むとお店のお姉さんにお礼を言って店から出ようとすると、呼び止められた。振り返ると、


「お腹減ってんだろう?これも持っていきな!形は悪いかもしれないが美味いものには変わんないからね」


どうやら形が少し崩れて商品として出せないものをくれたらしい。お礼を言って店を出てカガリはやっと帰路についた。


「ただいま戻りました」


玄関の扉を開けると、ナナコさんとカレンとツララがテーブルを囲むように座り少し遅めの昼食をとりながら談笑していた。そこに今起きたばかりのソラがあくびをしながら階段から下りてきた。


「おかえり、カガリくん。今日はいつもより遅いし随分と汚れてるじゃない。シャワーをして綺麗にしてらっしゃい。ソラくんは顔を洗って来なさい」

「「は(ぁ〜)い」」


と、カガリは言われたとおりに風呂へ行って汚れを落とすと、昼食が準備されている席に着きご飯を食べ始める。


「カガリんさ、今日は随分な汚れ様だったけど大丈夫だったの?」

「ん?あぁ、新しくした武器が思った以上に使いやすくてちょっと深くまで行ってしまっただけなんだ。危ないヤツには遭わなかったよ」

「一年間頑張ったかいがあったわね。でも自分自身が強くなったわけじゃないんだから油断しちゃだめよ。ダンジョンは何があるか分からないんだから」


などと、色々話し合いながら二人は食事を終えると自分の分を洗って席に戻った。


こうしてこのギルドマスターであるゲンジさんを除くギルドのメンバーが揃い、今朝の成果をナナコさんに報告する。


まずは、ソラ達がポーチからゴブリンの爪や牙をバラバラと取り出す。それをナナコさんが受け取ると精算して換金してもらうというルールになっている。


その次にカガリがポーチをひっくり返すと、出てくる中にサイズも大きく一際目に付く物がある。


「お、おいカガリ、それはなんだ、ゴブリンのレアドロップか?そんなの見たことねえけどよ」

「ミノタウロスの角ですか珍しいですね。ミノタウロスは四階層からのモンスターでその中でも百回倒して一つ出るか出ないかのかなり希少なアイテムですよ」

「ええ〜!!何で一階層しか行けないカガリんがそんなもの持ってのよ〜!!」

「ダンジョン深く潜ってたら宝箱があってその中に入ってたんだよ。ほんとに偶然さ」


自分たちよりいいものを持ってきたカガリに少し不機嫌なカレンを宥めるように返事をすると、


「それでカガリくん、その角なんだけど換金せず装備の素材にするということも出来るけどどうする?換金したら銀貨金貨十枚くらいになるのでそれで装備を揃えるでもいいけど」


「「「き、金貨十枚いいいいい!!??」」」


「ゴブリンのドロップアイテムなんて十個でやっと銅貨一枚なのに!!」

「それくらいレアなものだと言うことですよ。それで、カガリくんはどうしますか?」

「ギルドの費用にしてください。ゲンジさんへの恩返しも兼ねてという事で。これだけじゃ返しきる事は到底出来るわけじゃありませんけど。それでお願いします」

「それでは好意に甘えさせてらいますね。旦那はきっと恩を売った覚えはないんだから返されなくてもいい!とか言うんでしょうけどね、ふふふ」


こうして全てを換金するようにすると、今日の集まりは終了した。

【 ゴブリン 】

身長/140〜150cm程度(個体差は有)

特徴/頭が大きく眉間からは小さな角が生えている。3頭身とバランスが悪い見た目をしており、鋭く尖った爪で主に攻撃を仕掛けてくる

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