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I'tem(アイテム)~最弱のヒーローの物語~  作者: 西野大河
第3章 I-G
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予選 1





「どこだーーーーここはーー!!!」


 迅雷の白虎、現在地。刃達の国をゆうに通り越し、某国。


 暖かな陽射しを返す原っぱが男のミディアムの銀髪と碧い瞳、そして『両頬にある碧い傷』を輝かせる。


「ちっくしょーー! どこだぁ、Jアリーナあああああ!!!」


 その声に答えたのは、モォ~という牛の鳴き声だけだった。




          ✩




──あの後、刃とおじさんは事情を話して刃は何とか出場停止にならずに済み、おじさんもクビは免れた。


「ばっかじゃないの!!?」


「……面目次第もございません」


 しかしそれとこれとは別に、光の雷が落ちたわけで。刃はただ正座して謝ることしか出来ない。


「あんたねぇ……今の今まで私たちの噂は優勝候補としての話題だったのに、あんたのせいで私たちまで変人のような目で見られるじゃないのよ!」


「……申し訳ありませんでした」


「んな言葉で済むと思ってんの!? あんたはこの学校の看板に泥をつけて……いや、投げつけた……いや、バケツをひっくり返す勢いでぶっかけたのよ! それがわかる!? 大体ねぇ──」


「待て、光。とりあえずそこまでにしておけ。これ以上はお前が桜ヶ峰の名前を落とすぞ」


 周りの視線が集まっていることを暗に指摘すると、光は言葉を飲み込む。


「……刃の説教タイムは後だ。もうこの後すぐ戻って予選が始まるんだから」


「そういや、今回の予選はどうなったんだ?」


 普通は開会式で説明を聞いているからわかるはずなのだが、刃は例の騒ぎのせいで聞きそびれている。


「今年は4会場に別れて180校を45校に分断。その予選の中で10校ずつが本戦出場。ここに戻ってこれるのは全部で40校だけだ」


「そ、それは……」


 その時点で4分の1以下の確率。これは思っていたより厳しい戦いになりそうだ。


「……で、その会場でなにやるんだ?」


「『I-G』の予選はね、毎年なんだけどやることが事前に提示されないの」


 刃の疑問に応えてくれたのは亮。


「て……提示されない? 何で?」


「ほら、もし予選内容を最初に提示したら、実力じゃなくて学校側がそれにあった選手の選出をしたり、生徒の贔屓ひいきが発生することがあるかもしれないでしょ? それを考慮してのことなんだ」


「な……なるほど」


 確かに言われたらその通りだ。それじゃ公平じゃないってことか。


「だから毎年、やることはそのブロック管轄の人に委ねられてるの。普通にトーナメントで上位を決めるとか、運で決めるとか、お茶汲みとか生け花だったりとか、ほんとにその年で違うみたい」


「そ、そんな勝負まであるのかよ」


「その場にあった選手の判断力、推理力、行動力。それら全てを合わせた総合力を見るのも、この『I-G』の1つの目的だから……って言ってたよ」


「そういうことです」


 と、そこに何やら紙を持った宮守が戻ってきた。


「あれ? 先生、その紙は?」


「これが会場の抽選ですよ。これも大事な運の勝負です」


 真剣な表情の宮守に全員の雰囲気が引き締まる。とうとう、始まるんだ。


「と、いうわけで……私たちは抽選の結果、これからCブロックの予選会場に向かいます。皆さんくれぐれも油断はしないように」


『はい!』


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