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I'tem(アイテム)~最弱のヒーローの物語~  作者: 西野大河
第3章 I-G
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開会式 1


 もう空気も寒くなってきた10月中旬。刃達は彼等の街からバスで1時間半かかる『そこ』へ来ていた。


 そう……ここが、




「『Jアリーナ』かぁ……」


「でかいのぉ……」




 呆気に取られる刃と翔矢の言葉に皆が頷く。


 『Jアリーナ』、ここが『I-G』本選が行われる場所。


 ここはかつてこの世界が混乱し、狂っていた時代。

 その時に『最強のI'tem』を創り、世界を救った『伝説の3人』。

 その内の1人の頭文字が『J』で、それをじって『Jアリーナ』という名前がついたらしい。

 ただ、ここがいつ、誰が、何のために造ったのか詳しいことはわかってはいない。


 しかし、デカい。ここだけで観客3万人以上は収まるというのだから「すごい」の一言に尽きる。


「すっげーなー、こんなとこで戦えるのか!」


「予選を勝ち抜けば、の話だがな」


 そう、今回は開会式のためここにきた。別に戦うわけじゃない。参加校は180強。ここだけで消化できるわけがない。


 その高校の中でここで戦えるのはたったの12校。

 リーグは12個。それぞれのリーグ1位のみがこの場に立つことができる。果てしない倍率だ。


 刃達はバスから降りて辺りを見回す。周りはまさに、圧巻だった。


「こりゃ、すげーな」


 どこを見ても人、人、人。


 アリーナを囲むように綺麗に揃って並ぶ木々のさらに周りに道路があり、そこに止まっているバスから続々と出場校の面々が降りてくる。


 そして観戦者の人も集まって、少し寒くなっている季節ということを忘れさせられるほどの熱気だ。


「テレビでも見たことはあったが、実際に立ってみると違うものだな」


「なんやと!? テレビって開会式から回っとるんか!? こらぁ探してワイの勇姿を──」


「「やめんかい」」


 刃と光のツッコミと制止に翔矢はムゥと口をつぐみ、人差し指で地面に丸を描いてイジイジし始めた。もちろん、スルーする。


「おぉい、お前らー!」


 とその時、人混みから聞いたことのある若々しく猛々しさがある声と、見覚えのあるワイルドなツンツン頭と頭に巻いた赤い手拭いが見えた。


「断! 久しぶりだな!」


「おう! つっても一ヶ月ちょいだがな!」


 刃と断は腕を交差して挨拶を交わす。


「久しぶりだな、断。他の皆も元気か?」


「おぉ流斗、翔矢も元気そうだな! 皆元気だぜ! ……そうだ、合宿に来れなかった2人を紹介するよ」


 そう言って断はまた人混みに戻る。


「……あいつ、この人混みの中からまたワイらを見つける気やろか?」


「…………」


 たしかに。不可能かもしれない。案の定、断は10分経っても戻っては来なかった。


「……行きましょうか。中できっと会えます」


 その宮守の言葉で、一同は関係者入口からアリーナの中に入る。


 入り方は正面玄関の『Jアリーナ』とデカデカと書かれた看板の下の硝子の自動ドアを抜け、入ってすぐ横の机に座っていたお姉さんにエントリー用紙を渡し、参加の証であるバッチをもらう。

 このバッチはそれぞれもらったときから試合で負けて返却するまで、自身できちんと管理しなければならない。


 もし無くしでもすれば大会への参加資格を失うし、アリーナの中にも入れないので注意が必要だ。


 しっかりシリアルナンバーみたいなものがあり、それぞれがつけた瞬間に個人の燈気を読み込んで、バッチに個人の情報が刻み込まれるのだ。


 バッチをつけてさらに奥に進むと、ただっ広い空間。観葉植物などが周りを囲み、下は深青色の絨毯生地。ふかふかしている。


 公共の休憩スペースがこれほど広く高級そうだとは、さすがこの国を代表する特設施設なだけはある。


「すげぇ……!」


「……さすがは、Jアリーナということか」

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