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I'tem(アイテム)~最弱のヒーローの物語~  作者: 西野大河
第3章 I-G
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ドキドキ、トキメキ 3


『キッ……キャアァァァァァァァァァァ!!!』


 タオル1枚で現れた男に女達は叫び声を上げるが、慣れている光だけは呆れ顔でため息を吐いた。


「……あんた、いい加減デリカシーってもんを覚えなさいって」


「おっ、悪い。慣れるとどうもなぁ。なんや露天もええけど、こっちの風呂も入っておきたくてなぁ」


「いいから……さっさと服を着てきなさいっ!」




          ✩




「さ……さて、後はうちの男子だけですわね」


「そ……そうですね」


 部屋に入ってから妙に麗香とカナ、それに亮はそわそわして落ち着きがない。


「なんや、そこの3人はどないしたんや? 正座なんかしてたら足がもたんぞ」


「アハハハハハ! このまる子ちゃんの気持ちわかるわ!」


「……少し考えさせられるよな」


 テレビでやっているアニメをそれぞれ若干違う視点で刃と流斗は座椅子に座って見ていた。

 矢田と翔矢は畳にねっころがってポテチを食いながら話半分に見ている感じだ。


 部屋の隅では鎧亜が柱に寄り掛かって腕組みをして睡眠。光は刃達に交じって菓子を食べながらテレビを見ており、もうその風景にすっかり馴染んでいる。


「どうしたの? 皆はちび○る子ちゃんは見ないの?」


「いや……そういう問題じゃなくて」


 これは単純に免疫の差。

 光は昔からこの馬鹿をする男子達と一緒に暮らしてきたため何の問題もないのだが、亮と麗香とカナはそんな経験は皆無。

 まして男子部屋に遊びに来るのも初めて。


 しかも、そのことに自身で気付いたのも翔矢のタオル姿を見たときだという情けない有様だ。


 故に、どうすればいいのかわからず正座で固まって3人仲良く並んでいるのだ。


「……はい。みんな、お茶どうぞ」


 そんな中、普通に動く蓮。


「おっ、蓮ありがとう……プッ、アハハハハハ! やっぱおもしれー!」


「あぁ、時代の移り変わりがわかるいい作品だな」


「zzz……」


 刃と流斗は相変わらずだし、鎧亜も部屋の隅で腕を組んですやすや寝息を立てていた。


──ガチャッ!


「おーっす、邪魔するぜ!」


「『するぜぇ!』」


「ケケケッ、やっぱ部屋の雰囲気はあんま変わらねぇか」


 そこに神童高校の男子も合流。これで生徒全員集まったことになる。ちょうどアニメも見終わった。


「さて、これで全員か。さて、断。集まったはいいが、何をするんだ?」


 全員集合したところで流斗はテレビの電源を消して皆に向き直る。


「何言ってんだ、こういうのは取り出すまでのお楽しみ、ってやつだろ?」


「ええなぁ! そういうのワイは好きやで!」


「やっぱな、翔矢は乗ってくると思ったぜ!」


 断と翔矢はハイタッチを交わす。基本は似た者同士、気が合うのだろう。


「……だが、この人数で何をする? 合計して13人だ。できるものは限られてくる。トランプか?」


 流斗はそう聞き終わって湯呑みを口元に運び、


「せやせや、何をやるんや? ワイはなんでも受けて立つでぇ~!」


 翔矢は最後のポテチを摘み口に入れ、隣にあったチョコを包み紙から出して上に高く放り投げる。

 そこで口を大きく開けてチョコを受け止める体勢を作った。


「そうだな、じゃあまずは──」


 そういって断の持ってきた荷物から出てきたのは……、



「『ジェンガ』なんてどうだ!?」



──ドガアッ!


──ブッッ!


──ズガァッ!


 その言葉を聞いた瞬間、刃と翔矢はすっ転び、流斗はむせ返る。

 翔矢が投げたチョコも無残に畳の上に落ちた。


「ゴホッ、ゴホッ……ッゴホッ!!!」


 流斗が息を落ち着かせると3人は同時に呟く。


「「「ジェ……『ジェンガ』……だと……」」」


「へぇ懐かしい! やりましょうよ、ジェンガなんて小学何年以来ね!」


 その光の言葉に刃達は顔面を蒼白にさせる。

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