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I'tem(アイテム)~最弱のヒーローの物語~  作者: 西野大河
第2章 特待生
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7『一時の平穏』


「ば、バカな……!?」


「そう驚くこともないでしょう? こう見えても私はI'tem実技担当総責任者です。このくらいできなければやってられませんよ」


「……チッ!」


 鎧亜は一旦距離をとって構え直す。油断していた。まさかここまでやる教師がいるとは。

 だからこそ、もう一度膨大な燈気を練り直す。今度はさっきのようにはいかない。


「……!? 先生!」


「……やれやれ」


 しかしそれは刃と宮守も察知。宮守は自身の胸についた教員バッチに手を当てた。


「『参紋字サードスキル──」


「『解除』!」


 と、宮守の叫びと共に燈気を練っていた鎧亜のI'temが紋字を放とうとした瞬間、その太刀は宙へ霧散する。


「!?」


「……私たち教員は生徒の安全を守る義務があります。よって校内には私たちが強制的に生徒登録している者のI'temを使えなくする権限を持っているのです。これで君は自由にI'temを使えない」


「……っ!?」


「……まだ、やりますか?」」


「……っ!」


 さすがの鎧亜もI'tem無しでは分が悪いと判断したらしく、きびすを返して歩き出す。


「ま、待てよ黒道鎧亜!」


「……今はそのガキは預けておく。しかし覚えておけ。然るべきときにもらい受ける」


 そう吐き捨てて、鎧亜は校舎の中へと消えていった。


「……くそっ」


 そこで刃も緊張の糸が切れたせいか、その場に倒れこんで気を失ったのだった。




「……ここは」


 寝てしまったのか、自分は。長い間寝ていたような気がする。なにかフワフワとしたものに包まれている。毛布だ。

 辺りを首だけで見回すと、この独特の匂い。どうやら保健室らしい。刃がゆっくり体を起こすと、


「……う、ん」


「ひ、光!?」


 隣で光が寝ていた。頭や腕に包帯を巻いているが、刃のベッドにうつ伏せてスヤスヤと寝息をたてている。

 無傷ではないにしても、無事だ。


「……良かった、良かった」


 思わず頭に手を当てて確認すると、心から安堵する。いつもの寝顔だ。無邪気で子供のような綺麗な寝顔。


「……じ、ん」


「……」


 思わず辺りを見回す。辺りに人影はない。今は自分と光の2人きり。刃は光の頭を撫でていた手を動かす。本当に綺麗な寝顔だ。いつも口が悪いやつと同一人物とは思えない。


「……いつもこんな顔なら、可愛いのにな」

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