6『先生』
同時に辺りの『結界』が砕けた。やったのか? 流斗と翔矢、光にもどうなったかわからない。
やがて砂埃が晴れ、2人の姿が露わになった。
「はぁ……はぁ……」
「はぁ……はぁ……」
刃もズタボロだが、鎧亜の『鎧帝』も今にも崩れそうで。
「雑魚の……分際で!」
「雑魚じゃねぇ……俺の名前は、火野刃だ。覚えとけ……」
「弱い奴の名前などに興味はない……今から消える奴の名前もな!」
鎧亜はそう言うと太刀を構え直す。
「(くそっ……まだ動けるのかよ……!)」
正直言って刃は限界だった。もう腕だって上がらない。でも、諦めるわけにはいかない。ここで負けるわけにはいかないんだ。
なんとか刃も剣を構える。
「……その気概だけは買ってやる。だが、所詮はその程度だ」
「うるせぇな……やってみなきゃ、わからないだろ……勝手に、決め付けてんじゃねぇよ」
「なら……その身に教えてやろう!」
真っ直ぐ向かってくる鎧亜。刃にはもう避ける気力すら残っていない。
鎧亜の太刀の切っ先が刃を捉えようとした、まさにその一瞬。
「……そこまでですよ、2人とも」
『!?』
刃と鎧亜の間に割り込む影、そして声。
「ま、雅ちゃん先生……」
「全く……授業にいないと聞いて探したら外になにやら怪しい気配を感じたので、まさかとは思いましたが」
刃達の担任、宮守雅人の呆れ顔で首を振るその姿に安心を覚えて、刃は膝から崩れ落ちる。
「刃!?」
「心配ありません。ただの燈気切れです。直に良くなりますよ。それより早く保健室へ……」
「……行かせると思うのか?」
その前に立ちはだかるのはやはり、
「……鎧亜君。何故こんなことをしたのか、説明して貰えますか?」
「する必要はない。そのガキを貰い受けるだけだ!」
と、鎧亜は急接近。宮守に向けてその切っ先を振り切った。
「……全く。鎧亜君もせっかちですね」
『!?』
ところが、鎧亜の一撃は宮守の指2本で軽々と止められてしまう。




