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I'tem(アイテム)~最弱のヒーローの物語~  作者: 西野大河
第2章 特待生
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4『自慢の友達』


「……同等以上か。大きく出たな」


 鎧亜は蹴られた箇所を触って確認。大したダメージにはなってない。


 次にすることは、相手のカラクリを暴くこと。さっきの高速移動のタネはなんだ?


「先手必勝! 行くで流斗!」


「あぁ、行け翔矢。サポートする」


 再び翔矢がこちらに向かって突進してくる。今度は翔矢の動きだけに集中して──


「『ロンド』!」


 と、周りを囲む無数の水の鞭が一斉に鎧亜目掛けて襲ってきた。


「ちっ! 『ばく』!」


 前方に向けて『爆』を発動。取り囲んでいた鞭の一角を崩す。


 その瞬間、鎧亜はさっきの答えを垣間見た。


「……そういうことか」


 今の『爆』は前方にいた翔矢ごと吹き飛ばすつもりで放った。

 しかし、翔矢はその紋字スキルを使う寸前、その前に現れた水の鞭に乗って(・・・)方向を変えたのだ。


 まるでウォータースライダーの要領でその上を滑って高速で方向転換。さっきのもこれに間違いない。


 つまり、水の鞭に囲まれているここは、言わばやつらの檻の中だ。まずはここから出て──


「させると思うたか?」


「……!」


 完全に謀っていた、そんなタイミングで翔矢は鎧亜の前に現れた。


 どんな手練れであっても、動いた後は一瞬だが動きが止まる。それは鎧亜も例外ではない。


「『ウインド』!」


 翔矢の起こした風は鎧亜の身体を吹き飛ばし、その先に待ち受けるのは流斗の水の鞭で出来た檻。


「……!?」


「終わりだ!」


 流斗が叫んで剣に燈気を込めると、囲んでいた鞭が一斉に飛んできた鎧亜に襲いかかった。

 地面に叩きつけられて鎧亜がどうなったかはまだ砂埃で見えない。


「ナイスや流斗」


「お前もな、翔矢」


 軽くハイタッチを交わしてお互いを称えあう。


「……はは、すげぇ」


「……本当にね」


 刃と光もその美しい連携に心配も忘れて見入ってしまった。これが天才と言われた2人の幼馴染。刃の自慢の友達だ。

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