4『自慢の友達』
「……同等以上か。大きく出たな」
鎧亜は蹴られた箇所を触って確認。大したダメージにはなってない。
次にすることは、相手のカラクリを暴くこと。さっきの高速移動のタネはなんだ?
「先手必勝! 行くで流斗!」
「あぁ、行け翔矢。サポートする」
再び翔矢がこちらに向かって突進してくる。今度は翔矢の動きだけに集中して──
「『鞭』!」
と、周りを囲む無数の水の鞭が一斉に鎧亜目掛けて襲ってきた。
「ちっ! 『爆』!」
前方に向けて『爆』を発動。取り囲んでいた鞭の一角を崩す。
その瞬間、鎧亜はさっきの答えを垣間見た。
「……そういうことか」
今の『爆』は前方にいた翔矢ごと吹き飛ばすつもりで放った。
しかし、翔矢はその紋字を使う寸前、その前に現れた水の鞭に乗って方向を変えたのだ。
まるでウォータースライダーの要領でその上を滑って高速で方向転換。さっきのもこれに間違いない。
つまり、水の鞭に囲まれているここは、言わばやつらの檻の中だ。まずはここから出て──
「させると思うたか?」
「……!」
完全に謀っていた、そんなタイミングで翔矢は鎧亜の前に現れた。
どんな手練れであっても、動いた後は一瞬だが動きが止まる。それは鎧亜も例外ではない。
「『風』!」
翔矢の起こした風は鎧亜の身体を吹き飛ばし、その先に待ち受けるのは流斗の水の鞭で出来た檻。
「……!?」
「終わりだ!」
流斗が叫んで剣に燈気を込めると、囲んでいた鞭が一斉に飛んできた鎧亜に襲いかかった。
地面に叩きつけられて鎧亜がどうなったかはまだ砂埃で見えない。
「ナイスや流斗」
「お前もな、翔矢」
軽くハイタッチを交わしてお互いを称えあう。
「……はは、すげぇ」
「……本当にね」
刃と光もその美しい連携に心配も忘れて見入ってしまった。これが天才と言われた2人の幼馴染。刃の自慢の友達だ。




