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I'tem(アイテム)~最弱のヒーローの物語~  作者: 西野大河
第2章 特待生
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2『VS鎧亜2』


             *




「……くそっ、やはり無理か!」



 翔矢が応戦している間に、流斗は直ぐ様辺りを囲んでいる薄黒いドーム状の『結界』の破壊を試みた。


 外の状況が透けて見えたため薄いと思われたこの『結界』は、実際には流斗の紋字ではびくともしなかった。


「どうやら、ずいぶんと頑丈らしいな」


 ならば、自分のやることは1つ。


「……刃と光はここで藍を見ていてくれ。行ってくる」


「お、おい流斗!」


 戦いに赴こうとした流斗を刃が引き留める。おそらく、流斗は翔矢と共に鎧亜を倒すつもりなんだろう。


「なんだ刃。用なら手短に頼む」


「……」


 引き留めてはみたが、自分に何が言える? I'temもない、身体が怠くてまともに動けない、こんな状態の自分が流斗の心配など烏滸おこがましいのかもしれない。


「……無茶は、しないでくれよ」


「……!」


 それでも、そう言いたかった。不相応の心配であることも承知の上で、それでも友達の心配をしたかった。


 流斗はゆっくり刃へ歩み寄ると、




──バチン!


「……アダッ!?」




 その額に、強烈なデコピンをかました。


「……心配しすぎだ。ちょっとは俺と翔矢を信用しろ」


「い、いや、信用はしてるけど……」


「……大丈夫だ。無茶はしない。それに、お前は想像できるのか?」


 そう言うと、流斗の剣から大量の水が吹き出し、それが意思を持っているかのように流斗の周りに舞い始めた。


「……すげぇ」


 思わず声に出てしまう。昔から知っているはずなのに、流斗はここに来てさらに操作できる水の量を増やしている。


 その才能に驕ることなく、未だに流斗は自分の限界を伸ばし続けているのだ。


「……俺と翔矢の、負ける姿を」


 想像できなかった。2人が負けるところなど今までみたことがない。


 さらにその息があった2人が組むとなれば、さらに考えられなくなる。


 きっとそれは、特待生すら凌駕するのではないか? この2人なら、きっとできる。


「頼んだ、流斗」


「あぁ、任せておけ」

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