2『VS鎧亜2』
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「……くそっ、やはり無理か!」
翔矢が応戦している間に、流斗は直ぐ様辺りを囲んでいる薄黒いドーム状の『結界』の破壊を試みた。
外の状況が透けて見えたため薄いと思われたこの『結界』は、実際には流斗の紋字ではびくともしなかった。
「どうやら、ずいぶんと頑丈らしいな」
ならば、自分のやることは1つ。
「……刃と光はここで藍を見ていてくれ。行ってくる」
「お、おい流斗!」
戦いに赴こうとした流斗を刃が引き留める。おそらく、流斗は翔矢と共に鎧亜を倒すつもりなんだろう。
「なんだ刃。用なら手短に頼む」
「……」
引き留めてはみたが、自分に何が言える? I'temもない、身体が怠くてまともに動けない、こんな状態の自分が流斗の心配など烏滸がましいのかもしれない。
「……無茶は、しないでくれよ」
「……!」
それでも、そう言いたかった。不相応の心配であることも承知の上で、それでも友達の心配をしたかった。
流斗はゆっくり刃へ歩み寄ると、
──バチン!
「……アダッ!?」
その額に、強烈なデコピンをかました。
「……心配しすぎだ。ちょっとは俺と翔矢を信用しろ」
「い、いや、信用はしてるけど……」
「……大丈夫だ。無茶はしない。それに、お前は想像できるのか?」
そう言うと、流斗の剣から大量の水が吹き出し、それが意思を持っているかのように流斗の周りに舞い始めた。
「……すげぇ」
思わず声に出てしまう。昔から知っているはずなのに、流斗はここに来てさらに操作できる水の量を増やしている。
その才能に驕ることなく、未だに流斗は自分の限界を伸ばし続けているのだ。
「……俺と翔矢の、負ける姿を」
想像できなかった。2人が負けるところなど今までみたことがない。
さらにその息があった2人が組むとなれば、さらに考えられなくなる。
きっとそれは、特待生すら凌駕するのではないか? この2人なら、きっとできる。
「頼んだ、流斗」
「あぁ、任せておけ」




