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003

 目を開けると、そこに広がっていたのは木の天井だった。


「知らない天井だ……」


 呟いて、私はようやく布団に寝かされているのだと理解できた。

 ここはいったいどこなのだろう。

 そう思ったけれど、身体に痛みがないことを考えると、どうやら辿り着いた……? ただ、ガソリンは切れていたように思えたけれど。


「あ、大丈夫ですか?」


 声を聴いて、私は起き上がる。

 扉は開いていた。そして、そこから誰かがこちらを覗いていた。

 青いゴーグルを頭につけた少年だった。年齢は私よりも幾つか年下だろうか。少年は私を心配している様子に見えた。

 ……心配は解除してやらないと、こちらも迷惑をかけてしまったようだし。


「ああ、大丈夫。ありがとう」


 短く答えると、ぱあっと顔が明るくなって頷いた。


「良かった。海の真ん中でエンジンが止まっていた状態になっていたから。今、何か食べ物を持ってくるよ」

「ちょっと待って。ところでここは――」


 しかし少年は、私の言葉に答えることなくそそくさと部屋を出て行った。



 ⚓ ⚓ ⚓



「少年、ちょっと聞きたいのだけれど」


 僕が食べ物を持って行った矢先、そんなことを女性から質問された。


「僕が答えられることでよければ、なんでも」

「この島はもしかして、ルイネス島?」

「……ええ、そうですけれど……」


 そう言い切るということは、やっぱり外から来た人なのだろうか。


「じゃあ、ジョージという海賊は知らないか?」

「ジョージ……」


 その名前を聞いて、僕は目を細める。

 だってジョージは、僕の父さんの名前だったから。


「知っているようだな……。では、ジョージが実在の人物であることは間違いない様だ」

「あの……。いったい何が……? あと、ジョージは僕の父さんです」

「なんだって。君の父親がジョージ? なんという偶然だったんだ。まさかこんな偶然があっただなんて!」


 女性は突然立ち上がり、前のめりになる。


「あ、あの……?」

「ああ。すまない。実は私はあるものを探している冒険者なんだ。……こういう身なりはしているけれどね」

「あるもの? それと父さんに、どんな関係が?」

「何て説明すればいいかな……。あなたの父親は偉大な海賊だった。そして、トレジャーハンターとしても有名だった。最終的にあなたの父親はある秘宝を見つけた。もしそれを見つけたら、世界で一番大金持ちになってもおかしくない。だが、ロマンを求めるためにも、それを見つけることで大変なことになってしまう。もしかしたら世界そのものの仕組みが変わってしまうかもしれない、不思議なもの……」

「それを、父さんが見つけたと……?」


 こくり、とその女性は頷いた。


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